十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

機種変更の落とし穴。

この2ヶ月半のあいだに起こったことのひとつが、iPhoneの機種変でした。朝起きたらホームボタンが動かないというまさかの事態。前日の夜、寝る前に見たときは何もなかったのにWHY &WHY???長野に行く直前のことだったのでどないしても直さなあかんと、いろいろ調べたところバッテリーが膨れていることがわかり、この修理にはかなり時間も金もかかるらしい。「もう買い替えや!」と即決して、その日の昼にauに予約して行きました。

 

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おねえちゃんとの話は早く、在庫のあるSEに決定してとんとんと契約に。「何回サインさせるねん」と思いつつ、「あのさ、このアプリの移行とかやってもらえるの?」と聞くと「時間さえいただければできますよ」らしい。ラッキー。「じゃあ仕事抜けて来てるから、夜に取りに来ていい?」となって、預けることにしました。ちなみに前のポンは23時40分くらいのご臨終だったらしく、私が見たのを最後に生き絶えたことが判明。そっか、あれが最後やったか。なんでもバッテリーの充電しすぎが原因だそうで(私は常に100%にしてたい意地汚いタイプでした)、今は心を入れ替えて充電しすぎないようにしています。

 

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アプリを入れてもらえたので買い替えてからの手間はそんなにかからず、前から使っていたかのようにニューポンを扱えました。そうやな、一番難儀したのがSuicaの移行やったかな。前のが死んでるので残金をこっちに移すのがややこしくて面倒でした。そんなこんなで機種変したことを忘れるくらいの中でのこの金曜日の東京出張。今思えば機種変更してからはじめてのスマートEXの利用だったのです。会社のパソコンで予約して、Suicaをかざせばスッと改札に入れるはずがピーピーピーと足止めをくらった。は?WHY &WHYふたたび!

 

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「こちらへどうぞ」とスタッフのいる窓口に呼ばれ、担当のお兄ちゃんにスマホを預けると「EXが反応してないですね」と言われはっ!そうか、あれから更新してなかったか、と一気にドキドキと心拍アップ!「機種変更したからですかね」「そうでしょうね、このアプリにログインできますか?」と渡されるも、IDが数字の羅列で覚えてるわけがない。いろいろやりつつ「あかん、無理や。どうしよう」と焦るばかりで予約した新幹線の出発時間が刻々と迫る。「EXからのメールは見れますか?」とお兄ちゃんに言われ、「ここに」とメール画面を出すと、あった!ID書いてある!これをコピペして、と震える指先でやろうとすると「僕がやります」とスタスタとやってくれて、パスを入力したら「よし、これで入れます!間に合います!」「そうなん?」「ここから通って!」「はいっ」とお兄ちゃんが改札にスマホをかざし、私は改札を通ってスマホを受け取り、走り出しながら「ありがとううう!!」と叫びました。新大阪の改札に響かせたでありがとう。いやあ焦るとこんなになんにもでけへんもんか。「.」と「,」を間違えて何回もやり直しになってあまりのBBAぶりにお兄ちゃん「僕がやります」言うてくれたからな。ほんま感謝や。お菓子でも持って行きたいくらいやで。おおきにでした。

ということで、機種変更してアプリが揃っていても、ひとつひとつ更新する手間を怠らないことが今回の教訓。みなさんもニューポン移行の際はお気をつけくださいね。

平凡な中のスペシャル。

2ヶ月半もブログを更新してなかったですね。ソーリーソーリーアイムソーリー。皆さまいかがお過ごしでしょうか。コロナの波が行ったり来たりしていますがお変わりないでしょうか。私たちは犬のいない生活を静かに淡々と受け入れつつ、それなりに楽しくやっています。仕事は相変わらず忙しいし、とーちゃんは週5ペースで近所のジムに通って100キロだかのバーベルを上げ(シニアマスターズ狙ってるってさ)、毎晩親父メシを作ってくれています。月曜日は居酒屋放浪記を見ながら文句をたれ、水曜日は刑事コロンボに胸をときめかせ、木曜日はプレバトの俳句にうなりながら、平凡に健康に暮らしています。そんな平凡な中でもやっぱスペシャルな楽しみはほしいので、10月の連休に東西6人メンバーで長野に行ってきました。腰の重いとーちゃんがようやく動いたわけです。東に向かって。

 

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一番の目的はお知り合いであるオーナーのケイさんのお店、ロッサーナに行くこと。2ヶ月くらい前からケイさんに連絡をして状況を鑑みつつ行けるかどうかの相談を重ねてようやく実現しました。東京メンバーのガロさん、ヨーコ、世田谷、大阪からの私と妹アオコは2回目の来訪ですが、親父は初めて。カウンターでほぼ貸切の中、次から次へと出される料理に黙り込み歓声をあげる私たち。とーちゃんが誰よりも早く前菜を平らげ「この人参うまいがなー」と小三レベルの素直な感想をかましつつ、鶏、ホルモン、牛肉、パスタ、ドルチェへとなだれ込んでいきました。本当に美味しいものの前では言葉を失うね。驚きと喜びと押し寄せる幸せを飲み込むのに時間がかかるんやね。とはいえこのメンバーのことなんでにぎやかに親父のバースデーまでお祝いしてもらい、深まる秋の夜を熱く過ごさせてもらいました。それに、

 

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サイゾーのお席まで用意してくださってたのにはホロリ。「親子3人水入らずで来てくれたからね」というケイさんの計らいに涙ちょちょぎれました。せやけどこの味のありすぎる絵のクオリティについてはシーやで!

 

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今回は長野駅近くのビジネスホテルで2泊するプランだったので、2日目は松本へ足を伸ばし、3日目は長野駅界隈ですごしましたが、あのね、ずっと飲んでました。松本城善光寺も行ってないねん。主に蕎麦居酒屋行って飲んでた。ほんでホテルの部屋で飲んでた。蕎麦居酒屋のおばさんに「日本酒、5本」ってとーちゃんが注文したら二度見して「5本⁈」ってなってたからね。ホテルでトランプしながら飲んでたら「うるさい」いうて怒られたからね。修学旅行かよ。だからこのブログでは長野観光の参考にはなんにもなりませんが、長野駅ビルの「ミドリ」でお土産を買うのがとても楽しいことをお伝えしておきましょう。そして長野駅近くの「油屋」さんは一品料理もなかなかであまり流通しない長野ワインが格安で飲めることを残しておきます。今回、GoToでパックツアーを買ったんやけど、2人で2泊して交通費込み5万弱。おまけに9000円のクーポン付きでめちゃくちや安かった。ミドリでただで買い物してる気分やったわよ。ありがとうやでGoTo!

 

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そして62歳という中途半端な親父の誕生日にも関わらず、京都のワインバーカヴァレッタさんがサプライズパーリーを仕込んでくださいました。この日は朝からとーちゃんは京都大文字ハイキングで、私とくたりーが待ち合わせをしてお店になだれ込む企画でしたが、カヴァレッタさんで打ち上げをやるという予定にさすがの親父も気づいたみたい。ハイキングメンバーの皆さんにお祝いしていただき、親父上機嫌。いやほんとに、こんなにたくさんの人に祝ってもらえる親父は幸せもんやとつくづく思います。普段筋トレして親父メシ作ってるだけなんやで?幸せすぎて逝ってもうてもええんやで?(草

 

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そしてこの度私もスペシャルな時間を過ごしてきました。この金曜日が東京出張だったので仕事終わりから休みにしてヨーコ&ガロさんのご自宅へ。急きょヨーコの妹なあちゃん一家が来てくれて、賑やかにヨーコ手作りのお食事をいただきました。久しぶりになあちゃん家のイッヌのリロイを抱っこできて幸せ〜。久しぶりこの感じ〜。なあちゃんからはseventeenをゴリゴリに推されて「ねえさん、もう2泊3日の合宿するから!アオコちゃんもマストで参加よ!」となり、ヨーコガロさんとは長野旅を牛のように反芻して、あっという間の楽しい時間となりました。そう、私も幸せもんやわ。いろいろと制限のある不自由な中でも、こうしてマナーの範囲内で楽しみの機会を作りつつ、平凡な中のスペシャルな時間を楽しんでいこうと思っています。来年もなんかやるで!

 

 

 

誰も買わないパンツ。

つい先日のことです。いつものように仕事から帰宅後に親父メシを食べ、ふうお腹いっぱいと落ち着いたところでとーちゃんが「かーちゃんに報告があります」と言い出した。なんや、またわけのわからんモノを買うた報告か。トレーニー系か、園芸系か、まさか来年の夏の高知に向けたグッズやあるまいなと瞬時に予測を広げていたら、そそくさと和室に行く親父。ほら、ウチなんてAmazonのアカウントが2人で同じやから「あなたにおすすめ」いうてプロテイン勧められたり、「カゴに入っています」いうてトレーニング用のグローブやったりするやん。またかいなと思っていたら、持ってきたのはなんとまあ派手なパンツ。「ナニこれ?」「かーちゃんのやがな。薔薇柄やで。すごいやろ」「う、うん」「ちょっと履いてみてよ」と言われ、促されるままお着替えに。

 

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「なんとかウエスト入ったわ」と履いて見せると「当たり前や、後ろゴムや」とうれしそう。「オークションで見つけてな、こんな派手なパンツ履きこなせるのはかーちゃんしかおらんと思って落札したんよ」ならしい。でもこれ太ももから下はスケスケのピロピロ。「これさ、どこに履いて行くん?もう寒いで」「どこにでも履いて行ったらええがなー」やて。ムリムリ。

 

「ほんでこれナンボしたん?」と聞いてみると「ナンボと思うぅー?」とまたまたうれしそう。「あのさ、実を言うと、オークションで1円スタートやってん。ほんで2円入れたら誰も入札なくて1円で落ちてん」やって。1円て!まあ誰も買わんわなこんなパンツ。「せやけど送料250円したから正確には251円でえす」と胸を張る親父。今年、会社の納会があれば、コートの下に履いていきましょうかね。みんな引くやろうけどね。

Fireの効果。

この暑い夏の我が家のホットトピックは、Fire tv stickを買ったことです。寝室のテレビにはレコーダーとか何もつけてなくて地上波だけじゃつまらんので「なんとかしたいなあ」と前々から考えていました。「そうや、スマホ画面を映せるようにしたらいいんじゃね?」と閃いたあたし、高知から帰った後の夏休みにビックカメラに行きました。目的はスマホとテレビをつなぐケーブルを買うこと。ところがAppleの純正ケーブルは6000円もする!アホなの?とあんぐりしていたら店員のお兄ちゃんが「あいにく品切れ中です。すみません」と言う。なんとラッキー。謝らんでええでお兄ちゃん。「そうですかー。ほんだらまた」と帰ろうとしたところで「そもそも何をされたいのですか?」と聞いてきた。それグッドクエスチョンやお兄ちゃん。事情を説明すると「それなら」と違う売り場に連れて行かれFireを勧めてきた。そういやこれ、妹のアオコがええでええでと言うてたなーと思い出し「いくら?」「4800円です」「ケーブル買うより安いやーん」と即決。NetflixAmazonプライム、FOD、Huluなどいろんな動画配信サービスをこのFireをテレビに接続するだけで見られる(もちろん有料無料あるで)というし、私が目的とするNetflixがすぐに見られるのは素晴らしい。やりたかったんはこれやと確信し、「お兄ちゃんありがとうやで」とほくほくして帰りました。

 

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帰ってすぐに接続に取り掛かったところ、ものすごい簡単な方法なのに「映らない!」「WHY?」な状況に。ところがTwitterを介してパイセンたちがいろいろとアドバイスをしてくださったおかげで寝室のテレビにようやく新たな扉が開きました。まずはどんなもんじゃいとアマプラで無料配信していた韓ドラ「屋根部屋の王子」をチョイス。過去に見たユチョン主演の名作でついつい見入っていたところ、妹たちから「早う梨泰院にいけ」「早うパクセロイに会いに行きなさい」と押せ押せされたこともあり、Netflix独占配信「梨泰院クラス」に突入しました。

 

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(この写真は屋根部屋です)

ステイホームの影響でかなり話題になっていた二大韓ドラ「愛の不時着」と「梨泰院クラス」はご覧になった方も多いでしょう。遅ればせながら私もこの波に乗り、梨泰院の世界にどっぷり浸かりました。朝化粧しながら15分、昼休みに会社のパソコンでお弁当を食べながら30分、夜親父が寝静まってからキリのいいところまで、と、この数週間梨泰院と共に過ごしてきました。ストーリーの展開の速さ、脚本の魅力、役者さんの素晴らしさが相まってグイグイ引き込まれるのよね。先日ようやく完走しまして、「おお、パクセロイ♡」な状況です。何より良かったのは、夜に見ながらきちんとお顔のケアをするのでお肌のコンディションが良くなり、しかも晩ご飯から時間をあけて眠るのでダイエット効果も出たこと。ええわこれ、美容にもええわ、と実感したので続いて「愛の不時着」へフライトしました。おもしろいとみんなが言うので信じて見続けようと思います。

さて私がNetflix一本で楽しんでいる一方、とーちゃんはアマプラの「NCIS」という海軍ドラマに夢中です。「では今夜も海軍に入って参ります!」と寝室に行き、眠る前のひとときを楽しんでおります。これだけ楽しめて本体5000円は安いもんやわFire。ビックカメラのお兄ちゃん、グッジョブ!おおきにやで!

豚太郎狂想曲。

もともとは東京や大阪の友人と一緒に行くはずだった今年の高知旅。コロナの影響でみんなが断念し、私ととーちゃん、妹のアオコとの3人で行くことになりました。1週間で3万弱のカローラフィールダーをレンタカーして(安い!ユルい!)、荷物を詰め込み大阪を出発したのが朝の5時半。道はとても空いていて、スイスイと5時間程度で高知に着きました。

 

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今回はサイゾーがいない、高齢者の多い親戚の町には寄らない、という条件によって、うちのオジイの故郷である津野町葉山の宿に宿泊。ここは山に囲まれた自然豊かな静かな町で、いつも遊んでいる新荘川のすぐそばにあります。墓参りを済ませてから河原に到着し、すぐにとーちゃんがタープを設営。これでアジトが完成し、ひと安心。チェックインすると私ととーちゃんのお部屋は「いたどり」、アオコのお部屋は「せり」というナイスネーミングでテンションアップ。さて本題はここから。私たちの晩ご飯についての騒動です。

 

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ここは人里離れた場所なので、歩いていける範囲に飲食店はほとんどなく、小さな居酒屋とラーメンチェーンの豚太郎(とんたろう)の2件のみ。初日の夜はこの居酒屋まで歩いて行き、まあまあそれなりの内容に満足しました。結果2日目の土曜日は必然的に「豚太郎やな」という選択になります。「豚太郎はラーメンだけやなくサイドメニューが充実してるらしいからそれなりに飲んで食べられるんじゃね?」という会話をして、この日は夜ご飯豚太郎ありきの予定のもと「昼ごはんには唐揚げも餃子も避けなあかん」という「夜豚」シフトで過ごしました。

 

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川遊びから宿に戻り、お風呂に入っていざ豚太郎へ。てくてくと歩いて店に着くと、『今日の営業は予約のみとさせていただきます』という予期しない看板が!なんやて!もううちらのクチは餃子唐揚げラーメンなんやで!どうしてくれんのよこれ!だいたいチェーン店がこんな仕打ちするか!と怒りぷんぷんな私たち。仕方なく「昨日の居酒屋に行こう」という選択にならざるを得ません。「めっちゃ気に入ったと思われるで」「そこまでではないねんけどな」と言いつつのれんをくぐりました。

 

 

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3日目は日曜日。「今日こそ夜は豚太郎やな」と今回はしくってはならぬと昼からネットで「休業日は月曜」をチェックして大丈夫なことを確認し、念には念を入れるべく電話で予約することに。ところが何度かけても電話に出ない。「忙しい時間帯やからかな?」「いやまだ昼前やで?」としつこくかけ続けたところようやくおじさんが出た。「すんません、今日は臨時休業させてもろてるんです」はあ?「では明日は?」「月曜は休みなんです」はあ?連チャンで休むの?このかきいれ時に?「わかりました、ありがとう」と電話を切りました。

 

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「なんかさ、大して好きでもなかったコに振られた気分なんやけど」とアオコが絶妙なコメント。まさにそれ。選択肢がないから遊んでやろうかくらいの気分なのに向こうに拒否られ「な、な、なんなんそれ?」と憤慨している感じ。ここまでくるとこっちが好きで追いかけてしまっている逆転現象。クッソ豚太郎。食べたかったぞ豚太郎。どんな餃子出しとるんや豚太郎。「腹立つわー」と言いながら、結局4泊5日のこの旅で一度も豚太郎の扉を開けることはありませんでした。

 

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「あんまり腹立つから来年ここに来たとしても豚太郎には行ってやらん」とアオコが言う。私は未練たらたらで「いやーねーちゃんは来年こそ行きたいな」「僕も行ったらええと思うよ」「なんかさー悔しいやん。こんなふうに弄ばれてさ」「でも実際、選択肢ないやん。あの居酒屋こそねーちゃんはどっちかいうたらいらんかな」と最終日の夜に部屋で飲みながらやいやい。「そやけどな、豚太郎が休んでくれたおかげでええことあったやん」と親父がなだめる。そう。実はもしあのとき豚太郎が普通に開いていたらこんなことはなかったという結果オーライの出来事があったのです。

 

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予約者のみの看板を見て絶望の淵に立たされ、居酒屋にとぼとぼと向かっていたあのとき。高知1号店のセブンイレブン前でどこからか私たちを呼ぶような声がする。振り向くとセブンから出ようとしている白いシボレーからニコニコとした見慣れた顔が。「あ!コータ!」と親戚のヤングとばったり偶然出会ったのです。彼は檮原の中学で教師をしていて、最近娘が生まれたばかり。世間話をして別れ、「いやあこんなところで会えるとはねえ」「豚太郎のおかげやで」と話しながら居酒屋ののれんをくぐったのでした。

 


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そしてもうひとつは、日曜日の夜のこと。昼間に豚太郎に振られて晩ご飯どうするー?とあーだこーだ話していました。クルマで行くならいくつも店があるものの、そうなると私かアオコのどちらかが「酒を飲めない」という致命的な状況になります。クルマで行って運転代行を頼む、タクシーで行ける範囲の店にする、などなどやんやと検討し「そうや、ここからクルマで5分程度先にあるカフェやったらタクシーでもそんなにかからんのと違う?」「あそこは夜もやってるって言うてたな」と閃き、まずは電話で営業を確認。OK!タクシーの手配も完了!とカフェ「もくもく」での晩ご飯が決まりました。

 

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ビールで乾杯してメニューを見るとどれもいい感じ。海老とアボカドのかき揚げ、ゴボウの素揚げ、胡瓜の和物、冷奴などを頼んでみるとどれも丁寧に作られているのがわかる美味しさ。おまけに頼んだメニューが切れていたお詫びとしてマヨネーズ入り卵焼き(これがまためちゃくちゃ旨い!)を出してくれるなどホスピタリティも素晴らしい。オーナーのおじさんやスタッフの女性がそれぞれ気さくに話しかけてくれて、大阪者を迎えてもらえるうれしさが込み上げる。このスタッフの女性がすらりとした広末涼子似の超美人で親父がデレデレやったことも書き残しておきましょう。「写真撮ったらあかんかな」と言うので2人で「あかーん!やめーい!」と止めておきました。

 

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もし豚太郎が普通に開いていたら、コータに会うこともなく、夜のもくもくにも行かなかったと思われます。なので「豚太郎のおかげでええ思いをした」とも言えます。気持ちは複雑ですが、「これで良かったとしよう」という感じかな。しかしまあ豚太郎に振り回されたわ。で、豚太郎、どんなサイドメニュー出しとるんや。来年こそは確かめさせてもらうで。覚えときや。

 

最後にラーメンのクチが収まらないので、最終日の夜は私が酒を飲まずクルマでしか行けない葉山の自由軒でラーメン!堪能したで!

 

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根拠の無い自信。

緊急事態宣言が解除され、6月半ばを過ぎた頃にドドドドドと音を立てて止まっていた仕事が動き出しました。まずは取材撮影からみの出張です。先週は埼玉東京の泊まり、今週木金は東京泊まり、来週木曜日は日帰り東京が決まっています。もうな、コロナがどうとか言うてられへん。今は動いて仕事にしていくことがとても大切。友人🅿️の手作りマスクを愛用しながら、今も朝からの京都での仕事を終わらせ会社に向かっています。

 

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見えない敵のコロナを考え、自衛することがとても重要になっています。手洗い、うがい、マスクはすっかり世の中の習慣として定着してきました。しかし私くらいになると身体の中から負けない強さをもつという新たなフェーズに立ち向かっています。そう、免疫。半年前からはじめたタンパク質中心の弁当生活と、とーちゃん手作りの毎晩の親父メシによって、ストレスにも疲れにも負けない強靭な身体を獲得しつつあるのです。もともと手足の先が温かい=毛細血管が発達していることも免疫に優位な特性です。軽い筋トレをはじめたことで少しずつ代謝が上がってきているのか、わたしは今コロナに負ける気がしません。自信満々なのです。

 

 

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先日、会社の健康診断でした。尿検査、体重、視力、聴力、心電図などを計測してからレントゲンへ。病衣を着て院長を待っていると、私の検査結果の資料を手に先生が入ってきました。「いやあ、ここまで完璧ですね」と言うので「そうなんですか?」「いいですよ」「わたし、今回自信あるんです」「どうして?」「食生活を変えて体重も少し落ちましたし体質の変化を感じています」と言うとほほうと感心する様子の院長。ここで話は中断してレントゲンを撮り、最後の問診となりました。

 

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部屋に入るともうレントゲンの写真が用意され「胸の様子も異常なさそうですね」と先生。「確か去年はコレステロールが高かったですね」「はい」「食生活変えるとは立派ですね」「ありがとうございます」と言いながら見ると院長はカルテに《自信あり》と書き込んでいるではないか。「そんなん書くんや」「まあね、いいじゃないですか。血液検査が楽しみですね」「はいー」と言い、なんともライトな健康診断が終わりました。軽すぎるわ。


わたしのこの根拠のない自信のエビデンスとなるのが血液検査の結果です。出るまでしばらく時間がかかりますが、楽しみに首を長くして待ちます。でもな、こんなん言えば言うほど「要再検査」のハンコが押されてそうで怖いわー

不思議な出来事。

うちの会社のオフィスチェアのコロコロがガタガタになっていたので、ウィルクハーンからコロコロのみを取り寄せ、付け替えることになりました。手先が不器用な私にはそんな作業ができるわけなく、うちの男前女子が昼休みにカンカンと工具片手に取り替えをしてくれて不具合が解消。せめてお礼にとコンビニでお菓子を物色したら、なんじゃこりゃのお菓子を発見。それはチョコボールの中身だけのお菓子で甘い味と塩味の2種類があり、ダイエットに励んでる男前女子の状況を鑑みて塩味を選び「せめてのお礼です」と渡しました。「これいまネットで話題ですよね!」と喜んでくれて私もひとついただくことに。あーんと口に入れようとしたら口から外れ、ぽろりチョコボールの中身がどこかへ落ちました。ところが落ちた音はせず、立ち上がってもどこにもない。「ブラックボックスへ消えたようやな」ともうひとついただき、なんだか物足らない味のお菓子をもぐもぐしました。

 

いつものようにバタバタと午後からの仕事に励みました。コピーを書いたり、ヤングの相談に乗ったり、打ち合わせでやいのやいのと話し合ったり。クライアントさんからの電話も多く、出張取材の段取りもこなしました。金曜日恒例の社内全員ミーティングを終えて片付けを済ませ、愛車のチャリの紺太郎にまたがり颯爽と帰宅。とーちゃんお手製の親父メシをたらふく食べて、落ち着いてから筋トレをしました。これは最近始めた習慣で、ダンベル上げ下げ、スクワット、ブランク、腹筋コロコロなどをとーちゃんコーチのもと30分ほどやっています。この日もメニューをこなし、汗をかいてふうとひと息。とーちゃんは先に寝室に行き、私はシャワーを浴びに風呂に行きました。

 

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この日は開襟シャツの下にブラキャミを着ていました。当たり前ですが全裸になって風呂に入り、頭も身体も清めてさっぱりとしたところで立ち上がりドアに手をかけたそのとき。排水溝のところにあるはずのないものを見つけてしまったのです。そう、あのチョコボールの中身です。白く丸いその物体は間違いなくあのお菓子でした。「なんでやねん」と風呂場にたたずみながら思わずツッコミました。そしてゆっくりと手に取り、ポイっとゴミ箱に捨て、着替えを済ませて冷静に考えてみました。「なんでこんなところに落ちていたのか」。私の身体のどこかにあのチョコボールの中身がくっついていたとしか考えられません。シャツの胸元から滑り込み、乳または腹のどこかにぺたりとくっついた。そして全裸になってもまだチョコボールの中身はくっついたままシャワーの流水を浴びるまでしがみついていた。。。「んなアホな」とひとり笑いがこみ上げてきました。後輩くんの相談に乗っていたときも、社内ミーティングでやいのやいのしていたときも、チャリで走っていたときも、筋トレで顔を真っ赤にしながら踏ん張っていたときも、ずっと私の乳または腹にはチョコボールの中身。「カッコ悪ぅ〜!」と52歳にもなってそんなことをしている自分に呆れました。そしてつくづく思ったのです。あのときチョコなしのお菓子を選んだのがせめてもの救いだったと。塩味を選んだわたしを褒めてやりたいと。こうして不思議に満ちあふれた金曜日の夜が更けていきました。