十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

バーで出会ったおじさん。

その後のおでん屋さん

今日は、昨晩とーちゃんがバーで出会ったおじさんの話。

いつものおでん屋さんで私と落ち合う前に、とーちゃんは時間つぶしにたまに立ち寄るバーに入った。時間はまだ早く、お客さんもまばら。案内されるままカウンターの真ん中に座る。しばらくして、数席離れたところで一人のおじさんが自分の飲んでいる酒をケータイカメラで撮っていることに気づいた。とーちゃんは「この人も(うちみたいに)酒のブログでも書いてはんねやろか」くらいにしか思わなかったらしい。しばらくしておじさんは席を立ち、チェック。そのときとーちゃんははじめておじさんが花束持っていることに気づいた。
ああ、そうなんか、今日が退職日なんや。
花束が教えてくれるおじさんの事情。ダンディな風でもなく、花束さえも恥ずかしがっているほどどちらかというとミスマッチな雰囲気。誕生日なんでもらった…という感じでは到底ないらしい。長い間働いた会社を去って、家に着く前に一人で一杯。その人生の区切りとなる酒を写真に残したかったのだろうか。
もちろんこれはすべて憶測です。でももしそうだとしたら、このお酒には、安堵とか、後悔とか、希望とか、寂しさとか、いろんな気持ちがブレンドされているんでしょうね。