十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

飲んではいけない。

結局この3日間、ほとんど酒を飲みませんでした。。。エラいぞっ!私!!ちらっとコメント欄にも書きましたが、昔抗生物質を飲んで発作を起こしたことがあってね。今回飲んでいるやつは、その発作を起こした種類と違うのを出してもらっているので基本的に大丈夫なんですが、やっぱりどこか気が引けておとなしくしておきました。で、その昔の「発作を起こしたとき」がまた面白くて、薬を飲みながら思い出してはくすくす笑っておりました。








今から10年くらい前、まだ私がアラサーでヤングな頃の暑い夏の夜。仕事を終えて深夜に帰宅して、シャワーを浴びてお気に入りのムームー(今も健在)を着て、ビールと魚のすり身の天ぷらを持って自分の部屋に入り、プシュッと一息。テレビを見ながらぼけっと時間を過ごしていたら、歯医者さんにもらっていた薬を飲まなアカンことに気がついた。ま、ええか、と思い、そのままビールと一緒にそのカプセルを飲んでしばらくしてから布団に入りました。









1時間半ほど経った頃、ものすごい寒気で目が覚めた。ぶるぶると身体が震えてなんか息苦しい。次第に「はあ、はあ」という呼吸になってきたのでさすがの私も「こりゃおかしい!」と気がついた。ふらふらと階段を下りて母親が寝ている部屋に行き、「なんかおかしい。寒い」とお母さんに訴えると、ガバッと飛び起きてまずお父さんを起こしに行き、「病院に行こう」と即決。私があまりに寒がるので、お母さんが階下から妹のアオコに「何か着るもん持って来たって〜」と叫ぶ。妹も驚いて飛び起きて焦って私のタンスからカーデガンを持って来てくれたが、これがよりによって薄手でピチピチのスレンダーなタイプのやつ。「え〜、これ着るの?」と文句を言うと「何でもええから着ときなさいっ」とアバウトな母。なので私はごわごわのムームーに薄くてピチピチのカーデガンを着て、タオルケットをはおるというワケの分からん格好で病院に行くハメになったのです。









救急車を呼ぶより車で行った方が早い、という父の判断で、父の運転する車で母と共に深夜の救急病院へ。意外と人がいるもんで、症状を伝えてからもかなり待たされた。その間もう呼吸は治まってきていたので大丈夫やってんけど、言うてこの格好やん?正気になるほど恥ずかしいやん?仕方がないのでタオルケットにくるまりながらおとなしくしていたら、ようやく名前を呼ばれて診察室へ。看護婦さんが数人いて、寝台に寝かされて矢継ぎ早に質問を受ける。「何食べましたか?」「・・・えーっと、ビールと魚のすり身の天ぷらを少し」「何時頃?」「2時間〜2時間半ほど前」「妊娠の可能性は?」「・・・ありません」「その他何か思い当たることは?」って言われてもこんな状況でよく思い出されへん。「えーっと、えーっと」としどろもどろしていたら、ガバっとムームーを裾からめくった看護婦が「あ、発疹」と私の異変に気がついた。足が赤く腫れていたんですな。「あなた、薬飲みましたね?」・・・・・あ〜!飲みました〜っ!!というと一同目を合わせ「薬疹だわ、この女」と一応の答えが出たよう。よ、よかったのかしら?これで。









薬を飲んでから症状が出るまでの時間を考えても、私のこの発作は抗生物質によるものであるだろうと診断された。「ただこれはあくまでも憶測なので、近いうちに必ず血液検査で調べてもらってください」と看護婦に言われ「はあ」となる私。ということで、拍子抜けするほど元気になって家に戻ったのでした。お父さん、お母さん、あのときはお騒がせしました。とんちんかんなカーデガンを持ってきてくれたアオコもね。









で、結局、母ゆずりのアバウトな性格で、その後血液検査を受けないまま時間が経ちましたが、この「抗生物質で一度発作を起こした」という経歴は意外と根深くて、風邪なんかで病院で薬をもらうときでさえその話をちらっとすると「あなたね、ヘタしたら命に関わる問題なんですよ。ちゃんとその薬の名前のメモを携帯しておかないとイザというときに…」と説教されるハメに。どうせビールと一緒に飲んだから発作起こしただけやん、とタカをくくっていたのですが、どうもそうではないらしい。はい、私が飲んではいけない抗生物質ケフラールで〜す。覚えときま〜す。てか、抗生物質飲む度に、薬の名前よりもあのときのムームーにピチピチカーデのヘンな格好だけが思い出されるんやけど…。