十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

白いバラを胸に刺した男。

昨日、お金を下ろしに銀行に行ったときのこと(こう見えてワシ、経理も兼任してまんねん)。雨が降る心斎橋で、私の目の前を一人の男性が通り過ぎました。年は30歳前後、青い縦縞模様のスーツを着て、ノータイでちょいワルLEONを意識してそうなお兄ちゃん。そのとき私の目が捉えたのは彼の胸ポケットにあった白い一輪のバラ。「何でこんなお兄ちゃんが、金曜日の昼間の心斎橋で胸にバラを刺して歩くことになったのか」という妄想が止まらなくなったのです。









「で、アンタはどんなことがあったと考えるわけ?」ととーちゃんもノって来たので話してみました。「妹が病気で入院してて、“お兄ちゃんこのバラ付けていきなよ”とお見舞いでもらったバラの花を刺した」とか、「日航ホテルでパーティがあって、白いバラと赤いバラのチームに分かれてゲームした帰り」とか、「彼女と結婚式の打ち合わせに行ってて、ブーケに使う白いバラを刺してそのまま出てしまったとか」と持論を展開。するととーちゃんは、「分からんで、呪いをかけられたバラやったんかもしれん」と言う。ってことは女?三角関係??そっちの方向へと妄想がもくもくと膨らむ。








男は妻がいるにも関わらず不倫関係の女性がいた。その女は彼を自分のものにしたい思いが募り、奥さんに嫌がらせをするようになる。心を痛めた妻は男(夫)に話し、目が覚めた男は女と別れることを決意。別れ話を切り出す。もちろん女は怒り狂い、嫌がらせはさらにエスカレート。そして男にも憎悪を抱くようになり、ついにバラに呪いをかけて…。「ちょっと待ちぃな。なんでそんな状況で、男はその女と会おうとするんな」と親父が言う。だからあ、“ごめんなさい。私間違っていたわ。謝りたいから最後に一度だけ会ってほしいの”って下手に出て来たんやがな。で、金曜日の昼休みに日航ホテルのラウンジで会った。








「で、最後のお願いとして白いバラを胸に刺して、“もう二度とあんなことしないから。約束する。さよなら”って言うて、別れたわけやね」と言うと親父はふ〜んという顔をしながら「ってことはその後そのLEON男は呪いにかかって苦しんだわけ?」と言うので、「そうやね、御堂筋のどこかでバッタリ倒れたかもしれんわな〜」と妄想END。今のところそんな不審なニュースは出てないので、彼はこの大阪のどこかでピンピンしてるのでしょうが、さて真相は何だったのでしょう。いやあ、楽しませてもらったわ♪妄想バンザイ☆