十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

やっかましい会。

店に入って来たチーター(高校時代からの友人1)を見るなり「なんやその頭!どないかしたんか?」と私が言うと「帽子や帽子。寒いからな」とチーターが靴を脱ぎながら答える。そこに「せやろ、これ術後みたいやろ」と後ろからペス(高校時代からの友人2)がたたみかけてきた。私たちの久しぶりの再会は、頭に包帯を巻いているようなチーターのペタンコ帽子から始まった。その後ろからやってきたのはペスの友人で今では私たちもTwitterで繋がっているメトロたん。初対面なのにまったくそんな感じもなく「チリチリ(私)の結婚式以来だね」とボケをかまし、めいめいが席に着いた。

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もともとはペスが韓流好きで、ドラマや音楽にハマったことから私もチーターも布教を受け、彼らに染まっていったという経緯があり、それはメトロたんも同じだったらしい。そんな話をしながら私は手土産の和菓子を渡す。「これな、外苑前の交差点にある普通の和菓子屋さんで買ってんけどな、レジで待ってたらかすかに東方神起のミロチク(注 5人時代の大ヒット曲。私たちは死にかけてもこの曲の前奏を聞いたら蘇ると考えている)が聞こえてくるねん。おっかしいなあ。ワシ幻聴かなあ思ってな、iPhoneから漏れてるんかとも思って見たけど大丈夫やしやな」「幻聴か思うのわかるわ」「せやろ。ほんで、ようよう店を見渡したらあってん、小さいCDラジカセ」「ほう」「ってことは、この店のおばちゃんたちがペンってことやん。もううれしなってなあ」「話しかけへんかったん?」「他の客もおったしな、それはやめといたけどな、普通の和菓子屋やで。それでも小さい小さいかすかーな音でもかけたいくらい、抑えられへんくらい彼らのことが好きなんやな。運命感じたわ。雫や雫」その昔、私がまだ彼らに堕ちることを抵抗していた頃、高校時代の友人ヨーコや妹たち、ペスと鍋を囲んでいたら「ええかチリチリ。ここにおるみんなはもう彼らが好きや。あんたが好きになるのも時間の問題。ほら、クローバー(うちの妹1)がスマホになってユチョンの写真いっぱい集めてるやろ。これも雫。スマホに変えるのは必然やったんや。その小さいみんなの雫が小川になって小川が集まり、今や大海に流れ込むほどの勢いになってる。好きになるべくしてなってるんや。あんたもこの運命を受け止めなあかん」と説教され、それからというもの彼らとの関わりを感じるようなことがあると「雫」と表現されている。私はその和菓子屋でまたもや雫を感じてしまったわけである。「ほんでそのかかってる曲はミロチクだけやったん?」とペスに聞かれ(そういうこと聞いてくるあたりさすが会長)「いや、ミロチクだけやったわ。そんな長いことおらんかったし」と言うと「外苑前な。ああこれやな。今度近くに行ったら寄ってみるわ」とチーターが言う。雫が小川になりつつある。

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次はポールの話題に。高校時代の友人にYS君という男性がいて、彼は立派になって経営者として頑張っているらしい。関西に住んでるのに私は長らく会ってなくて、なぜかペスとチーターとはちょくちょく会っている。それはなぜか。YS君は洋楽が好きでポールマッカートニーが大好き。ここのところの来日でYS君は必ずチケットを取り、東京にもライブを見にくる。そのときにこの2人に会い、3人で食事に行っては彼に奢らせているらしい。「ちゃうで、YS君がうちらに奢りたい言うてんやで。間違えんといてや」「そうそう!奢らせてあげてんやで。YS君にとって私らは癒しなんやって」「アホか。どこが癒しやねん」「ほんまやもん。社会貢献やと思って行ってやってるのに」「そうそう救ってあげてるんよ、私たち」と上から目線。この2人がファン以上にポール来日に敏感なのは言うまでもなく、誰よりも不純な動機でポールを待ちわびている。そして今や私たちの中でYS君の呼び名はポールとなっている。

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ほかにもメトロたんの息子の就職話、ペスのダンナの新しいビジネスに家族全員ブリッジするほど驚いたという話、チーターの仕事がなぜオクババと呼ばれるのかという話などなど、あっという間に笑い転げる時間が過ぎ、お開きに。駅までの道を歩いていたら、頭に包帯巻いてる術後チーターが「ああ寒い寒い」と足を擦らせてちまちま歩いているので「もっと背中伸ばしてしゃんと歩けい!」と叱咤。こうしてもう30年以上になりますが、いつまでも付き合っていきます。


おまけ

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昨日のチーターファッション。フリフリにキラキラて!それどないよ!と突っ込んだら「オクババ(講師仕事)やってんもん」って。えー?