十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

松阪前編:コレジャナーイ

はじまりは割と思いつきでした。とーちゃんといつものように家で飲みながら「どこか行きたいなあ」なんてだらだらと話していて「松阪に行くぅ?」と思いついたのでした。三重県松阪市には酒飲み仲間のトモヤくんがいて、このコロナ騒動で長らく会ってない。「トモヤに会いたいし、一升びんにも行きたいし」「ほなちょっと足伸ばして一月屋にも行くか」などとトントンと話が進み(2人だけで)、「ホテル先に取っておこうぜ!」「いや先にトモヤに確認や」となりました。トモヤくんに快諾いただいて日程が決まり、うちの妹アオコとオリジナル靴下でお馴染みのくたりーにも声をかけたら2人とも行くと言う。おーなんかおもしろくなってきましたで。

 

松阪までは難波から近鉄特急で2時間弱。とーちゃんは早速近鉄のWeb会員に登録して、「切符買えるのは2週間前からなんよ」とスタンバイ。「僕らがアオコの分もお酒持っていったるからさ、アオコには電車でつまむアテ用意してもろて。そやけど着くなり一升びんでホルモン食べるからあんまりお腹にたまるアテはあかんで。ようよう言うといてや」と親父プランニング。わかたわかた。言うとくわ。とこんな話をするのも旅の楽しみ。今回、くたりーは出張先から松阪入りする予定なので、大阪から近鉄に乗るのは私たち3人だけ。行きの特急は個室感覚で向かって座れるサロン車両を予約できたらしいので「ワインも持っていく」と張り切る親父。一泊なので荷物は大したことないけどワイン1本とチューハイビール6本を持っていくのでコロコロバッグの出動です。

 

f:id:chikuwansai:20211209103622j:image

 

難波出発と同時にこの旅の始まりに乾杯。周りの席も埋まっていて、ウキウキした空気に包まれてます。「ほなアオコが用意してくれたアテ出してよ」と言うと、「はいはーい」と出してくれたのが

 

f:id:chikuwansai:20211209104005j:image

 

なにこれ。ナッツ、チョコ、せんべいてお菓子のバラエティセットか?「え、アテやん。軽めのアテやん」とカバンから出しながらアオコが言うも「コレジャナーイ!」と私たち。「軽いアテっちゅうのはな、サーモンのマリネとか、サラダとかやろが」「ほんまやで。アテを信じてお腹空かせてきたのにせんべいでお腹満たすんか」とやいやい。仕方なくぽりぽりお菓子を食べながらワインも空けてあっという間に松阪に到着。もっと乗っててもええんやでと思うくらいあっという間でした。

 

f:id:chikuwansai:20211209104914j:image
f:id:chikuwansai:20211209104916j:image
f:id:chikuwansai:20211209104912j:image

 

駅から少し歩いて向かったのは一升びん本店。松阪界隈では有名な松阪牛のホルモンをいただけるお店です。ここにもうずっと来たくて夢やったの。片手では持てないくらいどでかい生ビールで再会に乾杯し、お肉をいただきます。この一番下の写真はツラミ、つまり頰肉だそうでかなり美味しい。あとは部位を都度教えてもらいながら食べたけど名前をあんまり覚えてねえな。こういうときって、みんなめいめいに好きなことしゃべりながら飲むからとりとめないし、話題が流れていくのよ。なので、一升びんのあとにカラオケで弾け、そのあと和食の大将の店に連れていってもらい、アオコの部屋で集まって飲みましたが、ずっとなんか話しながらケラケラしてた。そんな印象、記憶です。すみません。トモヤくんの愛猫や3人の娘っこ、彼の書くブログの話を聞けて良かったです。

 

さて旅は2日目へ。松阪イチ高い眺望が自慢のホテルをチェックアウトして、名居酒屋と名を馳せる一月屋さんへ向かいます。それは後編にて。

 

 

f:id:chikuwansai:20211209110937j:image

 

 

帯状疱疹なの?

またまた久しぶりのブログです。周りに刺激されて私も書かな!と気持ちを改めました。あいすみません。

先日の夕方、いつものようにがつがつ仕事をしていたら突然背中の上の方にピリピリと電気が走るような痛みを感じました。「なんじゃこれ」と思いながら気にせずがつがつ仕事をするも、時折ズキン!と痛みが走る。「なんかさあ背中がピリピリするんやけど」と周りにいるうちのメンバーに話すと「それ帯状疱疹ちゃいますか?」と言う。「早く病院に行かなえらいことになりますよ」と帯状疱疹パイセンのメンバー。ネットで調べてみたら私の症状とほぼ同じやないかい。「明日の朝、近所の先生のとこ行ってみるわ」となりました。

 

久しぶりにかかりつけ医、Gの個人病院に行き、窓口で「帯状疱疹かもしれんのです」と言うとなぜか奥の椅子ひとつだけの小さなスペースに通され、ここで待つようにと言われる。え、隔離なの?と思いつつしばらく待つとGが来て背中を見せると「これは早く大きな病院で診てもらいなさい」と言う。へ?そんな大層なこと?「1週間ほど入院になるかもね。早く治さないと後遺症でえらいことになるからね」ならしい。いやいやわたし、今から会社に戻ってオンライン取材やらなあかんのよ。「大病院に行くの、今日の夕方ではあきませんか」「診察やってないよね」「ほな明日以降に」「そんな悠長なこと言うてる場合ちゃうよ」とビビらせてきよる。仕方ない。オンライン取材を延期してもらうよう段取りをつけ、紹介状をもって近所の大病院へ行きました。

 

その昔、掌蹠膿疱症でずいぶんとお世話になったこの大病院、あれから移転してピカピカに生まれ変わっています。慣れない場所でなんとか受け付けを済ませて皮膚科へ。しばらく待つと番号で呼ばれ、診察室に入ると迎えてくれたのは色白の若い美人の女医さん。シュッとした顔立ちでとーちゃんの好みのタイプや。性格もちゃきちゃきでこの病院にかかった経歴をすぐさま聞かれる。「その昔マリちゃん先生に掌蹠膿疱症でお世話になりました」と言うと「ああそうみたいですね」とパソコンを覗き込みながら言う色白。(わかってんやったら聞くなや)と思いつつ症状を伝え、背中を見せることに。「写真撮りますね」「どうぞ」「うーんこれねえ、湿疹が出てないなあ」と色白が近づいて言う。「痛いのどのあたり?」「左の上の方」「今は痛い?」「今は痛くないです」「ふうん」「でも違和感はあります」「乾燥してるんじゃない?」と失礼な色白。あのな、ワシもBBAや。乾燥もするわい。Gに早よ行け言われてビビらされて来とんねん。なんちゅう言い草や。色白は帯状疱疹の小さいパンフレットを私に見せ、「こんなふうに発疹が出てね、潰れてくるんです。こうなったら検査にかけて診察できるんやけど今は発疹ないから診断できないの」「はあ」「なので薬を出すこともできません。様子見てまたひどくなったら来てください」「はあ」ということで血液検査も何もなく病院を後にしました。

 

時間が経つごとにだんだん色白にムカついてきて、会社に戻るとぷんぷんでこの経緯を帯状疱疹パイセンたちに話して「結局なんやったんでしょうね」「それ調べてもらいにわざわざ行ったのに分からず終いや。時間返せ」とまたぷんぷん。Gが大層やっただけ、とも言えるけど、あの色白患部に触りもせんかったよな、しかも乾燥呼ばわりやとさらにぷんぷん。この後結局、痛みは引いて、こんなことがあったことを忘れるくらい忙しく過ごしていたらついこの前、また背中の左上にピリピリと痛みが。しかもズキン!と時折キツいのがやってくる。「また背中痛いねんけど」と会社のメンバーに言うと「違う病院行ったらどうですか」とみんな心配してくれる。ありがとう。でも色白に言われたやん。発疹出な診察でけへんて。「乾燥呼ばわりされたないから、次は発疹出るまで行きませーん」。てかほんまに時々痛いねんけど、なんなんこれ?

 

手書きの熱量。

我が社では毎週金曜の18時から全員参加のミーティングをしていて、司会は持ち回りで担当します。そのミーティングで司会者は好きなテーマでプレゼンをするのですが、もうすぐ私の担当になるので「なんのテーマにしようか」と考え「読書」にすることにしました。とはいえここのところ、ローガンがひどくてまったく本を読んでない。これではいかんなとプレゼンに使うための本をまずは読み直そうとうちの本棚やクローゼットの中を物色していたら

 

f:id:chikuwansai:20211017152459j:image

 

こんなものが出てきました。これはとーちゃんのワインノート。表紙に書いてある通り2007年頃からつけはじめたワインを買って飲んで記録した一冊です。そうか、我が家はこの頃からイタリアワインにハマったんやな。それこそ親父は川頭さんの本を読んで影響を受けてこんなノートをつけ始めたんやったなと思い出し、棚に戻さず出しておくことにしました。

中を見るとすごい。一言で言うとマメー!手書きでびっしりと買ったワインや飲んだワインのことが書かれています。

 

f:id:chikuwansai:20211017153004j:image
f:id:chikuwansai:20211017153006j:image
f:id:chikuwansai:20211017153002j:image

 

生産地、生産者、品種、タイプ、価格、購入先のあとに味の記録がきっちり。マメー!星印の数はとーちゃんによる評価の目安なんやろうか。赤に塗られたワイングラスのマークはいつ飲んだのかを表してる模様。ほんとこの頃はいいワインをポンポン買ってポンポン飲んでましたなあ(遠い目)。でもまあこうして記録されると単に消費しているだけにならんから救われる気もする。

 

f:id:chikuwansai:20211017153604j:image

 

さらにページをめくると、洋風メニューのレシピが。有頭海老のピッツァヨーラソース(ナニそれ?)、若鶏の白ワイン蒸しバルサミコ風味、ミラノ風カツレツ、サルティンボッカ、トリッパの煮込みなどなど。これ全部とーちゃんが作ってくれたんやっけ?覚えてないなー。これからまた親父メシとして再現してくれてええんやで。鶏のカッチャトーラでもお願いしようかしら?

 

f:id:chikuwansai:20211017154027j:image

 

最後の方はこんな感じでなんかわからんけどワインリストがびっしり。買ったワインを書き連ねただけなのかな?数字がところどころに書かれてるのを見ると在庫リストかなあ?しかしようワシに黙ってこんだけワイン買ってたな。呆れるわ。「かーちゃんのためのワインなんよお」いうてたけど完全な親父の趣味、コレクションやからな。あーまた美味しいワイン飲みたいなー。そろそろ赤がいい季節やしなー。

 

f:id:chikuwansai:20211017154424j:image

 

と思いつつページをめくると、最後にこんなメモが。落語四天王笑福亭松鶴桂米朝桂文枝桂春団治の名前とそれぞれの弟子の名前が書かれてる。おそらくふわふわ飲みながら落語の話になって、「この名前を継ぐのは誰や」とやいやい言うてたんでしょう。仁鶴さんも亡くなって松鶴さんの名前はどうやら鶴瓶にいきそうなんやで。あの頃には想像もつかんかったもんなあ。

こうして見ると手書きの良さをつくづく思う。データに記録する方が効率的で応用も効くけどこっちに伝わる熱量の差は歴然。この先とーちゃんが死んで服や持ち物なんかの何もかもを捨てても、このノートだけは手元に残したいと思うなあ。こんなにもワインが好きで、知りたくて、学びたかったのがよくわかる。大事に置いときます。

ワクチンでポテチン。

私はシミュレーションが得意なタイプと自負しているので、今回のセカンドワクチン(オシャレなモデルナ)の接種についても事前に情報を収集し、ありとあらゆるケースあるいは私の場合はどうなるかという想像を続けていました。FACTについてはうちの会社の多様な世代のメンバーにセカンド接種後の状況を聞き取り、ヤングほど副反応が酷く12時間後からが勝負という裏付けを取り、40代以降には「なんの副反応もなかった」ということが起こることを把握。その一方でOLDでも39度の熱が出るタイプもあり、結局「要は個人差、なるようになるわ。ドンと来いや」と腹をくくりました。

 

f:id:chikuwansai:20210919101114j:image

 

接種日の前日が寒かったこともあり、何を着ていくかにも時間をかけて検討。二の腕をサッと出せるにはノースリーブやけどこれだけでは寒い、いや室内で暑くなったりもするかと考え、脱ぎ着のしやすさを優先に選択。会場は1回目よりも随分と空いていて、スムーズに済ませた後予定通り梅田へ打ち合わせに向かいました。クライアントさんとやんやと話し込んでいると、後ろの首の下あたりにピリピリとした違和感が走る。(なんやこれ、早速副反応か?)と思いつつ、続いてやんややんやと打ち合わせを無事済ませて遅いランチへ。このときに腕の重さを感じて「お、はじまったな」という感覚を得ました。

 

f:id:chikuwansai:20210919101820j:image

 

会社に戻って急ぎの仕事にかかっていると、だんだんと身体の重さを感じはじめます。「これが皆の言う倦怠感か?ほんとにそうか?自分に暗示をかけているだけちゃうんか?」と自問自答。しかしやっぱりしんどいことは間違いなくて、夕方になってパソコンをそっと閉じ「持って帰ります」と早退。ここから本格的な副反応との戦いがはじまりました。

 

f:id:chikuwansai:20210919102122j:image

 

わかってる範囲で熱の最高は38度程度でしたが、37度台であっても悪寒がひどく、寒いのか暑いのかわからない。これはまさにインフルにかかってるのと同じアイスクリームの天ぷら状態。最初はテレビを見てるのも辛くてただただ震えながら汗をかいて寝てました。身体の節々の痛み、左下の頭のガンガンする痛みで、結局2日会社をお休みしました。解熱剤を飲んで熱を下げても体感的なしんどさは変わらない。私の免疫機能が総動員で戦ってるのだ、耐えるしかないとぶるぶるしながら凌ぎました。

 

f:id:chikuwansai:20210919103036j:image
f:id:chikuwansai:20210919103041j:image
f:id:chikuwansai:20210919103039j:image
f:id:chikuwansai:20210919103034j:image

 

とーちゃんは私に栄養をつけさそうと、晩ごはんは普段と変わらない親父メシを用意してくれました。朝や昼は「お粥作ってー」「甘いもの食べたいティラミスとか」という私のリクエストに執事のように応えてくれてお利口さんぶりを発揮。熱が下がって落ち着いた頃、「私の免疫合戦は長期戦やなあ。2日もかかるとはね。とーちゃんは確か1日で落ち着いたよね」「ボクちんの身体はタフだからね。いうなれば本能寺の変レベルやな」「私の免疫は総動員で戦ってるけどなかなか勝ち抜けへんなー。BBAの細胞やから一個一個が弱いねんな。これは歴史的になんやろか?」「さしずめ10年もかかった応仁の乱やな」だそうです。応仁の乱。巻き込み過ぎか。

 

f:id:chikuwansai:20210919110019j:image

 

そんなこんなで応仁の乱にふさわしく土曜日まで静養に努め、今日日曜日からは動き出せるようになりました。重だるさがまったく抜けたわけではないけど、まあ普段からこんなもんやろ。ドンと来いやー言うてたらドンと来たわほんまに。これからセカンドの方は準備をしっかりしておいた方がいいと思います。ウィダーインゼリーのビタミン系があると安心ですよ。来月は出張祭りになるのでこれで少しは移動しやすくなるかな。

唯一のひとりの時間。

休める土曜日の午前中は私にとって唯一家でひとりになれる時間です。とーちゃんが筋トレに出かけて昼過ぎに帰ってくるわずか3時間ほどですが、やりたかったことをやったり、なんにもせんとスマホぽちぽちしたりとフリーダム!今は気になってたシーツを洗濯機にかけながら「せっかくやからブログを書こう」と思い至ったわけです。

 

f:id:chikuwansai:20210904111135j:image

 

思い至ったのはええけど、取り立てて書くことがないのよね。コロナで出張が激減してオモシロネタに出合うこともないし、友人たちとウェーイすることもなし。毎朝お弁当をつくり、自転車で会社に行き、バタバタと仕事して8時過ぎに帰って親父メシでプシュをする、というルーティン。ニュースを見ては毒吐いたりしてるけど、そんな本音を書こうものならと考えると何も書けねえってなるしね。BBAの性なのか、「なんでそんなことになるねん」と思うことが増えたなあ。てめえの機嫌くらい自分でちゃんと取れよ、怒りをエネルギーにするなよ、苛立ちをそのまま出さずに一回おさめて冷静になれよ、とかとか。私はいつも自分をご機嫌にしていたいので、ある種の鈍感さとユーモアのバランスを大事にしようと思っています。ピリピリしてんのしんどいやん。

 

f:id:chikuwansai:20210904113016j:image

 

仕事はね、またまた面白くなってきた。最近新規の仕事が増えて、それこそ毎回新たな業界や世の中のトレンドを学ぶわけやけど、しんどうておもしろいねんなあ。事実を把握してどう飛躍させるかという毎度のチャレンジは、まだまだ未熟で疲弊もするけどつかめるものが大きい。この歳になってまだペーペーのように吸収できるのはとても新鮮です。うちのヤングたちにも早くこのおもしろの世界を感じてもらいたいなあと常々思ってます。みんな真面目でいい子やねんけど、それぞれ何かが足らないのは、ひとえにまだこの仕事がお金をもらうための「仕事」やからなんやろか。「職」と「仕事」の違いなんかなあと思ったり。

 

f:id:chikuwansai:20210904114701j:image

 

あ、洗濯が終わりました。ただのひとりごともここでおしまい。今日はキンからとーちゃんが帰ってきたら隣町まで食材を買いに出かける予定。みなさんもご機嫌な週末を!

 

 

未知数な夏やすみ。

すっかりご無沙汰のこのブログ。いやあSNSでいろいろ投稿してるとなかなかまとめて書く気になれんものですね(←言い訳)。私たちは何も変わらず元気にしています飲んでます。トレンドのワクチン接種については、とーちゃんが2回とも完了し私は先日1回目が終わった状況です。「ボクちんのはオシャレなモデルナなんよ」と訳のわからんことを言い出した親父は2回目接種の後に少し発熱して寝返りができないほど腕が痛んだらしい。「ここだけ筋肉痛な感じなんよ」と言うけどまったくその感覚を想像できない。「でもさ、ほら、腫れて腕が太くなってない?いひひ」となぜか喜んでいました。私の2回目のオシャレなモデルナはどんな副反応になるのやら。まあ何が起こってもやり過ごすしかないよね。

 

f:id:chikuwansai:20210822094038j:image
f:id:chikuwansai:20210822094034j:image

 

さて夏休みは恒例の高知に行ってきました。この状況下を考えてもちろん迷いもありましたが、クルマで行って墓参りと川遊びをするだけの行動なので行かせてもらうことにしました。今回は去年の宿を取れなかったので、いつもの川まで徒歩で行ける場所にあるM旅館を予約。他に選択肢がないのでここ一択なんやけど、1日遅れで高知入りするくたりー一家の分をとーちゃんが追加で電話予約したときも名前と電話番号を伝えたのみで「はいはーい」な感じやったらしい。ゆるい。しかもこのM旅館、Webサイトがなくて町営のサイトにちょこっと情報が載ってるレベルでなにもかもが未知数。このなんでもググればわかる時代によ、アメニティも部屋の様子もタオルの有無さえわかりゃしねえ。「でもな、一件だけ書き込みにご飯が美味しいってあったで」となり、この書き込みを信じて一泊目だけ夜ご飯をお願いすることにしました。チャレンジ!

 

f:id:chikuwansai:20210822095155j:image
f:id:chikuwansai:20210822095158j:image

 

妹アオコと3人で 早朝に出発して9時ころには墓参りを済ませていつもの河原にタープをたて、川遊びを楽しんで16時にいよいよチェックイン。未知数とはある意味ときめき。「どんなんかなー?」なノーイメージは結構新鮮な気分です。チェックインたって鍵を渡されるわけでなく、早速荷物を部屋に運ぶのみ。「あの、保冷剤を凍らせたいんですけど」と聞くと「2回の廊下に共同の冷蔵庫があるので使ってください」という理想的システム。これで持参した箱ごとのチューハイも冷やし放題で万全。そして気になるお部屋は、

 

f:id:chikuwansai:20210822095815j:image
f:id:chikuwansai:20210822095811j:image

 

広い。広すぎる。そして清潔、クーラーもきいていて最にして高!廊下も畳で襖で仕切られただけの不思議な部屋の構成ですがノープロブレム。「ええやん!ええやん!」と荷物を片付けたらすっかり古くからの馴染みの気分に。「あとは晩ごはんやな」と、お風呂に入ってそのときを待ちました。

 

f:id:chikuwansai:20210822100602j:image
f:id:chikuwansai:20210822100605j:image

f:id:chikuwansai:20210822100752j:image

 

通されたのは1階の小さな和室で、扉を開けると3人分のこのセットが並んでいました。ローストビーフポークソテー、エビフライ、鰻、白あえ、鰹のおつくり(たたきじゃないよ)、そしてお素麺という素晴らしいラインナップ。子どもも大人も大好きセットやん。「いいねえ」と言いながらビールで乾杯し、せっかくなのでとご飯をいただくとまたこの米が美味い。結局とーちゃんは3杯ご飯を食べたほど、書き込み通りの食の進む美味しさでした。

日本酒も飲んでペロリと食べ終え、「まだ7時かー」と時計を見たら、賑やかな声が聞こえてくることに気づいたので宿のお母さんに聞くと「近所の人が飲みにきてるんですよ」と言う。そういやこれはおっさんたちのすんごい笑い声。しばらく考えてお母さんに「あのー。私たちもあっちで飲ませてもらっていいですか?」と勇気をもってお願いしてみるとしばしきょとんとするお母さん。そして確認してくださり、おじさんたちのOKをいただいて、廊下の向こうの小部屋に飲みかけのグラスを持って入りました。

 

f:id:chikuwansai:20210822102428j:image

(この写真はイメージです)

部屋にいたのはいっちゃん、大きいしんちゃん、若いしんちゃんの3人のおじさん(若いしんちゃんは40代)。みなこの近くにお住まいで、「365日中360日ここに来ゆう」らしい。うちのおじいちゃんがこの町の出身であること、あそこの○○さんはうちの親戚であること、おばあちゃんは安和の出身であることなどを話すと「そーかいそーかい」と話が弾み、「○○さんとは一緒に仕事しとったきね」と言う大きいしんちゃん。ほんまかいなー!とまた盛り上がり、何度も焼酎をおかわりして大爆笑しながら夜が過ぎていきました。地元の裏話もたくさん聞けてほんとにおもしろかった。で、おじさんたちが飲んでる酒、てっきり地元の栗焼酎かと思いきや「あれはイカン。焼酎は九州の芋よ。芋に限る」らしく、M旅館の息子が何度もおかわりを作ってました。学ぶわ。

 

f:id:chikuwansai:20210822103619j:image
f:id:chikuwansai:20210822103624j:image
f:id:chikuwansai:20210822103630j:image
f:id:chikuwansai:20210822103627j:image
f:id:chikuwansai:20210822103621j:image
f:id:chikuwansai:20210822103616j:image

 

翌日の朝にくたりー一家が到着して川遊びをたっぷり楽しみ、夜は須崎の居酒屋へ。その翌日はあいにくの雨なのでくたりー一家は足摺の水族館へ、私とアオコはドライブしながらお土産を買いに行き、念願の淳での玉子サンドを満喫しました。この日の夜は山の上にあるカフェもくもくでのディナーで若いしんちゃんもここに合流(若いしんちゃんとここのマスターはバイク仲間らしい)。とまあ、未知数以上に想像を超えた楽しい旅となりました。

 

f:id:chikuwansai:20210822104312j:image

 

さて、このおじさんたちに教えてもらったことのひとつが「美味い蒟蒻」。「蒟蒻は市川のが一番」と教えてもらったので宿のお母さんに聞くと、M旅館の息子の友人が市川さんらしく私たち用にお土産として用意してくださいました。「作りたてやきね」と渡された蒟蒻はラベル印字のない本物。「これ、どうして食べるといいですか?」と息子に聞くと「薄く切ってお湯にさっと通してわさび醤油で」と教えてもらったので家に帰るなりさっそくやってみた。こういうのがホントの蒟蒻なんやなあとしみじみ。ええそりゃあ、来年もM旅館に決定です。もう未知数じゃないし、知り過ぎてるし、また宿のお母さんや息子さん、おじさんたちに会いたい。宿の晩ごはんも必ず頼むよ。ほんとにM旅館のおかげで中身の濃い、有意義な夏やすみになりました。ありがとうございました!

行かれん、飲まれん。

たった5日の大型とはいえないこの連休、皆さんいかがお過ごしでしょうか。我が家は一駅隣の九条で買い物して(おかあちゃんのお店はもちろん休業)その帰りにゲリゴーに見舞われ、明石家さんまに告られるしかないくらいびしょ濡れになった(ヤングにはわからないかなー?)1日目にはじまり、2日目は大ならぬ中掃除をし、3日目はくたりーが来てくれて一緒に飲んで食べ、4日目は「靱公園でピクニックでもするかー」と言いながら二日酔いでどこにも行く気になれずただ家で飲み食いし、本日最終日を迎えています。どこにも行かれん、行っても飲まれんこの連休、私たち酒飲みにとってはふつふつとやり場のない怒りを感じでおります。

 

f:id:chikuwansai:20210505114956j:image

 

昨日も昼間に家で飲みながら「明日はどこかに行くか」という話になりました。雨やしなあ、と言いながら親父がスマホをポチポチしては「結局どこに行っても飲まれへんのよ」と嘆く。皆さんはおわかりかと思いますが、私たちにとって「出かける」=「酒を飲む」という図式なので、酒を提供しないお店に行く意味は皆無。「誰かが言うてはったんやけどな、『いざかや』から『さけ』を抜いたら『いや』なんよ。酒のない店は嫌なんよ」と親父が鼻息荒くドヤ顔で言う。わかるでその気持ち。寿司を食べようが、イタリアンをいただこうが、そこに酒が無いなんて「はあ?」な現実。「そんな状況で外食したいとは思わんのよ」と親父はぷんぷん。

 

f:id:chikuwansai:20210505115811j:image

 

スマホでポチポチしては「あーここも飲まれへんしなー」「あーここでも飲まれへんしなー」とぶつくさしている親父の目にキラリと輝きが戻った。「かーちゃん!ええこと考えたわ!大阪以外で飲んだらええねん。和歌山や奈良の店やったら飲めるで!」と言う。え、県外で飲むとかあかんやつやろそれ。「そうやなあここから一番近いとなると奈良、それも生駒か学園前あたりやな。ちょっと待ちや」とポチポチして「うーん、学園前に食道園あるで。焼肉どうや。あとは王将とかあるみたいやな」とポチポチ。「とーちゃん、気持ちは痛いほどわかるんやけどな、電車賃払うて王将でビール飲んでうれしいか?わざわざ学園前で焼肉やるってどうよ」と冷にして静な私がストップをかけ、ようやく正気に戻る親父。「‥‥せやなあ」とスマホを置き、「おもんないのう」とまた嘆く。

 

f:id:chikuwansai:20210505120728j:image

 

こんなにやれることも行けるところもないなら、私も休んでるより仕事してる方がマシやと思うようになってきて、たった5日の休みが終わることも寂しいとか思わへんもんね。私たちでもこんなに不自由やねんから、お年寄りや子どものいるご家庭はもっと大変でつまらんのかなとも思う。せっかくの非日常を我慢という正義で閉じ込めても効果が無いなら、いっそやり方を見直してほしいもんや。5月末まで延長やて?ちょっと待ちいな。そらもう親父の限界超えてまうでー。やーめーてー!