十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

「ねえちゃんは太ったらアカン!」

この前の高知の宿で、夜にみんなでぐだぐだと部屋で飲んでいるときにうちの妹アオコ(本名ちゃうで)がおもむろに言いました。

 

「ねえちゃん、太ったなあ」

「ねえちゃんは太ったらアカンねん」

・・・・・・本人自覚しとるわ。あのなアオコ、ねえちゃんももう54才や。更年期BBAや。この年になるとね、平均的な統計でも女性は腹回りに勝手に肉がついていくの。特に食べ過ぎてなくてもそうなっていくの。だから仕方ないわけ。

 

「もう諦めてしまうんかいな」

むう。確かにこのまま何もせずにいたら、腹の浮き輪はどんどんパンパンになっていくわな。正直、一年ぶりに着た水着も腹キツやったからな。もう今さらダイエットダイエットいうて頑張る必要もないし、ある程度服を着れてたらええかという気分にもなってる。ただシルエットはブサイクやし、腹を隠す服しか着られん現実もわかってる。ここでまたやるのか、やらないのか。改めて考えるキッカケになったアオコの提言はありがたく受け止めよう。

 

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アオコが「ねえちゃんは太ったらアカンねん」と言った真意はよくわからんけど、おそらく子どもの頃から比較的細身で生きてきた私の印象が変わることに違和感があるのでしょう。いっときはガリガリやったもんな。中学生のときなんてさ(え?古い話すぎ?)ウエスト54センチで胸もまあまああったから、理想的体型やったもんな。30代前半は忙しすぎて痩せててまさに

 

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アランジアランゾのカッパくんそっくりやったもんな。このときが人生のピークとはね。

さてどうするか。高知から帰ってからもアオコの言葉が「太ったらアカンねん、アカンねん、アカンねーん」と脳内でリフレインしている。ここで「まずはウォーキングからやっていくぞ」と考えるのは愚の骨頂。若いときならいいけれどこんなBBAがこの暑さの中早起きしてまでやれるわけがあるまい。いきなりジムやキックボクシングなどの教室に通うというのも、ダイエット継続に対して私に信頼ゼロのとーちゃんが許すわけもない。本当にコイツはやる気であると親父に信じさせるには確かなプロセスが必要。ああそんなに本気なら月に一万の教室代も無駄にはならないと思わせないと。ここは慎重に、現実的に、来年の夏に向けた1年がかりの計画にしなければいけない。私は焦らない。

 

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食事制限には限界があるので(そんなに減らせるほど食べてないもん。酒は飲んでるけど)少しずつ活動量を増やしていくことを目標に、まずはバランスボールを再開させることにした。晩ごはんの後や朝起きてすぐにとりあえず乗る。これだけでも腸腰筋への働きがあるので、体幹が整いやすく、お通じにも良さそう。夜に泡盛を飲みながらコロコロと乗ってるだけで大量に汗をかく。暑いからだけではなく燃えている実感。「さあ、かーちゃんはやるよ!ゆっくり変えていくよ!」と親父に言うと「あんた、結婚してからそれ毎年言うてんで」と呆れ顔。まずは親父の信頼回復か。おっとその前に、電池が切れたままの体重計を生き返らせよう。まずはそこからだ。

 

2022高知旅B面。

かれこれ20年以上夏の高知に通ってきて、今年は変わらないことと変わっていることをいろいろと感じました。徳島道から高知道へと進んだ先にある大きな山々にはじまり、深く浅い緑の色、川の透明感、海の濃さは変わらず私たちを迎えてくれます。去年から2年連続でお世話になったM 旅館の居心地も料理の美味しさも変わらない(特にお米が美味。ただうちらの部屋は去年より狭くて残念)し、カフェもくもくの鰹も最高やった。同じ頃に行って同じように過ごして、「変わらない」ということはとても大事なことなんやとあらためて思います。

 

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3日目の金曜日の朝、妹アオコと2人でみんなと別行動しました。アオコの愛車で向かったのは須崎市安和。私たちが結婚してからサイゾーと一緒に毎年お世話になっていた親戚の住む海辺のまちです。うちのお母さんのいとこにあたるおばさん(呼び名はアケミちゃん)家にお土産を持って行き近況を聞くことに。というのもずっと私たちが泊まらせてもらってた親戚のおばさん(というか現在90才のおばあちゃん)通称ターンが入院していて一時期はICUに入っていたそう。それが「もうすぐ高知の病院を出て須崎の病院に変われるみたい。自分でご飯も食べられてるらしいよ」とアケミちゃんから聞いてほっとする。90才の復活はすごい。さすがターンや!とアオコと喜び、安和の浜へ。

 

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いつもの砂浜ではなくそこは工事中の様子。アケミちゃんによると台風対策で堤防を新しくしてテトラポットも増やしているらしい。これが完成したらかなり景観が変わると想像する。安全のためやもの、仕方ないんやな。

 

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いつもここに泊まって一緒にご飯を食べてたくさん話をしていたターン家に寄ってみた。ターンの妹さんがまめに掃除をしてくれているらしく、主人が長らくいない家とは思えない清潔さ。ひょっこりターンが現れて「おかえり」と言ってくれそうで涙があふれる。

サイゾーが死んだ年にコロナになって、「大阪の人が来る」ことにみんなが敏感になってしまった。あれからターンと顔を合わすこともできず、挨拶もしていない。今年はようやく顔を出して少しは話ができるかと思っていたのに、結局コロナで病院へ見舞い行くこともできないまま。こんなことになるなんてと悔しくて仕方ない。ターンに頑張って元気になってもらって、また一緒にご飯を食べながらいろんな話をしたい。こんなままのお別れは絶対に許さへんからな。

 

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最終日、みんなバラバラに宿を出て、私たちはここでガソリンを入れると決めているGSに寄りました。家族経営のガススタで奥さんに給油をしてもらいながら「これから大阪に帰るんです」と話すと「いつもうちで入れてもらってません?」と言われる。はい、毎年寄らせてもらってます。随分昔、ここのお父さんに大変お世話になったんです。

 

イタリアのフィアットパンダに乗って、とーちゃんと初めて高知に来たとき、あろうことかマフラーがバコンと外れた。こんな田舎の町にオートバックスなんてあらへん。ちゃんと点検も済ませてたのに。困った私たちが駆け込んだのがこのGSで「えらいこっちゃやな。ちょっと見たげよ」とお父さんたちが下から見て外れたマフラーを太い針金でぐるぐる巻いて固定してくださいました。すぐにお礼のお菓子を持って戻ったけど、あのときの感謝の気持ちは忘れることなく、毎年高知でガソリン入れるのはココと決めています。そういうゆかりであることは奥さんには伝えてはないけど「いやあ、もうここも閉めるんですよ。あと1年半くらいかな?40年経つからね」とのことらしい。ショックすぎるやん。来年の夏はまだ営業されてることを確認して、帰り道に「来年はお菓子を持って最後の挨拶に来よう」ととーちゃんと話しました。

 

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高知から帰るといろんな気持ちがよぎります。楽しかったなあ驚いたなあ美味しかったなあもっとああすればよかったなあなどなど、切なさがいろんなことを思い出させます。帰ってみて驚いたのが、めちゃくちゃ虫に刺されていて、あっちこっち腫れてるし痒い痒い。親父によると「これはアブやな。こっちはブトやな」らしい。いつの間に刺されたんかもわからんのやけど、これも夏の思い出。痒みや腫れが引くころにはすっかり涼しくなって、また身近な楽しみに胸を躍らせてるんやと思います。

2022高知旅A面。

今年も8月10日から13日までの3泊4日で高知県津野町に行ってきました。2日目からはくたりー一家と妹アオコ(本名ちゃうで)が合流して、ここのところのいつも通りの川遊び中心のプランです。私ととーちゃんは初日に掃除を含む墓参りを済ませて高知の清流、新荘川に到着するや否やアズスーンアズタープを立ててスタンバイ。いうて私は何もせず、親父がせっせと1人で基地を作ってくれました。待ちに待ったこの瞬間、2人で乾杯して暑くなれば川で流れてクールダウンするだけの幸せ頂点な過ごし方。「このときのために生きてるな」と言いつつニヤニヤが止まりません。

 

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さて翌日。早朝に大阪を出たくたりー一家が10時頃には到着。ところが彼らの到着とほぼ同じタイミングで雨が降り出し、なかなか止まない状況に。「今まで雨男は世田谷さんやと思ってましたけど、ボクなんですかね」とくたりーショボボん。ええやんええやん、どうせ流れて濡れるんやし、飲んで遊ぼうよ、と励ましていると「そうやお前が雨男なんよ」と畳みかける親父。やめてあげなさいよ。結局この日はほとんど雨で、それでもめげずに飲んで遊びました。意地でもやめねえ。

 

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その翌日は曇りがちながらようやく晴れてみんな思い思いに川遊びを堪能。うちの親戚一家も2日連続で来てくれて一緒に過ごしたんやけど、ここの娘っ子(小学生姉妹)がまあ川から上がらない。とにかくずっと流れてる。とーちゃんが膨らませてあげたイルカの浮き輪のピースケも休ませてもらうことなく、ずっと遊び倒してました。付き合う親が大変やがな。

おっさんずのとーちゃんとくたりーも子どもたちに負けず、私たちが大人プールと勝手に呼んでいる上流を探検に。帰ってきたら興奮気味に「あのな、地元のおっちゃんがおって話ししてたんけどな、やっぱりここには鰻もカニもおるんやて。漁業権7000円払って仕掛けてはるんやて」と話すとーちゃんに大きく頷くくたりー。「来年は僕も仕掛けようかなー」やって。やめとけやめとけ、7000円川に捨てるようなもんや。

 

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この日の夜はみんなで過ごす最後の夜なので、宿からさらに上流側にあるカフェもくもくで晩ごはん。みんなで乾杯してさあ食べよう!となった途端、くたりーの様子がおかしいことに気がつきました。「とないした?」「ちょっと具合が悪いです」と大好物のビールにほとんど口をつけずに目をつぶってストップ。お水を飲ませて「熱中症やろう」と言いつつ食事を続けました。宿に戻ってからもくたりーは先に寝て、奥さんと息子のソータロー、私たち3人で部屋に集まりクイズ大会に。これがまた大盛り上がり。1人ずつ順番に出題して獲得点数はクイズ王であるソータローが決めるスタイルです。優勝は奥さんで、小3親父は「なんかずるいわあ」とぶつぶつ。あ、お絵描きクイズでは画伯の私にみんな爆笑やったで。久しぶりに描いてやったで。

 

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という感じで過ごした今年の高知旅A面。くたりーは翌朝完全復活して宿のご飯をしっかり食べられるまで回復してました。やっぱり水を飲まずに酒ばっかり飲んで遊び倒したらそうなるんやな。皆さまもお気をつけください。

こうして振り返るとくたりーの受難が目立つけど、それなりに楽しんでくれてたと思います。雨男を自認したから来年はきっと晴れるでしょう。続く高知旅B面はこの旅で感じた、いろいろな感情をまとめたいと思います。明日更新できる、はず!

 

 

 

 

紺太郎アップデート。

私の愛車、自転車の紺太郎が先日パンクしました。事故現場なんでしょうか、細かなガラスが散らばってるところに踏み込んでしまったのがどうやら原因。あれさ、ちゃんと細かいゴミまで片付けてもらわれへんもんかな。ガラスがあることに気がついたときにはもう遅くて前進あるのみになってまうやん。前輪が見事にパンクしてすぐに自転車屋さんに持って行きたいところ、近所にあるお店が14日まで長期休暇となっている。他の自転車店はちょっと遠いので歩いて押していくにはかなり面倒。仕方ないので近所のお店が開くのを待って、この土曜日にやっとこさ持って行きました。

 

「もう4件くらい聞いてるやつがあるから、そうやなあ2時間はかかります」とお店のおじさん。土曜日は昼からイトウちゃんのお店に行くことになっていたので「じゃあ預けます。明日取りにきますわ」と決めて気になるところをおじさんに伝えます。「これ何年くらい乗ってるの?」「うーん8年くらいかなあ」「きれいに乗ってはるね」「そうですか?大事なコなんです。タイヤは一度変えました」「なるほどなるほど」「パンク修理以外に他のパーツ点検もお願いできますか?」として、紺太郎はお店に一泊することに。「タイヤの破損がひどかったり劣化がはげしかったら交換するかもしれません」と言われて店を出ました。

 

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翌日引き取りに行くと我が紺太郎はピカピカに生まれ変わっていました。タイヤは案の定交換になり、一度も何もしてこなかったチェーンも危ないからと交換。しめて14000円。高いよね、思わぬ出費。でもきちんと細かく見てくださったことがしっかり伝わってきます。「このブレーキね、多分もう少ししたらあかんようになるから、前後とも変えた方がいいです。このパーツはちょっと特殊なんで、合わせて8000円するけど安いときもあるから私も探しときますわ」と言われてうれしい。さらに「おねえさん上手に乗ってはるねえ」「そんなんわかるもんですか?」「わかるよ。ヘタリ方みたらちゃんとブレーキ操作してはるね」と言われて喜びMAX!「これからもこちらでメンテナンスお願いしたいんで、ぜひよろしくお願いします」と伝えて、弾むようなペダリングでライフに向かいました。て、ライフかよ。

 

ぶっちゃけ、紺太郎を購入した店の対応に不満があったので、こうしてちゃんと対応してくれるお店に出会うとうれしさも安心感も高まる。信頼できる主治医を見つけたような気分。パーツを変えたりちょいちょいメンテナンスしながら、長く紺太郎を乗り続けていきます。長い付き合いになるで。紺太郎!

傘はない。

ただいま東京から帰りの新幹線です。火曜日は千葉幕張、水曜日は埼玉越谷での仕事が先週決まったので、泊まりは間をとって東京の銀座に。長らく会ってない高校時代からの友人に声をかけたところ、🅿️ことペッスが都合をつけてくれました。覚えているでしょうか、ペッスまたの名は「会長」のこの人、私に東方神起を布教した私たちトンペンのまさにリーダー。自宅でしている書道教室の仕事を終えて、池袋まで駆けつけてくれました。

 

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ここは池袋駅からすぐの大衆酒場ふくろという、カウンターだけの居酒屋。ペッスのご主人の行きつけで、安くて美味しいと教えてくれただけあって、常連客らしき親父たちがわんさか。生ビールで乾杯した後はいろいろとつまみながら「ほんでさあ、こないだの土日にジュンス(5人神起のひとりやで)のライブに行ってきたんよ。やっぱりすごいねあの人は。衰えてない、てかさらに進化してるわ」とジュンスレポートからスタート。「で、BTSはどうなわけ?」とか「日本の梨泰院見てる?」とか、韓流関連トークでぶっちぎっていきます。お腹も落ち着いてきたところで「ほな朝ドラの話しよか」とテーマが変わり、カムカムの素晴らしさや今のやつの文句になり、「何があかんて全部あかん!今はただ使命感だけで見てるだけ。純と愛は離脱したけどあの頃の私やったらもうとっくに今のやつもやめてるな」といいつつゲラゲラしてたら、近くのカウンター席のおねえさんから「あのー」と声が。

 

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この店には珍しいヤングの女性2人組客が「朝ドラトークしてはるんやったら交ぜてください。私もずっと見てます」と言うてきて話が弾む弾む。若いのによう知っててあれは良かった、これはもひとつやったとやいやい。「おディーンのことどう思います?」「あさちゃんに出てたよね」「あの人ってね……」「そうなーん?!」とまたやいやい。「上川くんのことはひまわりで好きになってね、そのあと大地の子を見てんけど作品としては大地の子の方が先なんよ」とかつての元カレ上川くんのこととなるとおねえちゃんたちにも熱く語るペッス。そんなこんなでかなり長らく話し込み「会えてうれしかったです」と言われて握手をして彼女たちは先に退店。大阪か!なノリに私も驚きでした。いやあ大衆酒場はこうでないと。醍醐味や。

 

 

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お会計を済ませて帰る準備をしたら、外はかなりの大雨。ちなみに私はこの出張で天気予報と行く場所を掛け合わせて「傘を持って行かない」と決めていました。濡れたってしれてるし、そんな瞬間のために荷物を重たくするのはイヤやとあえて傘なしで来たけど、こりゃあ駅までのわずかな距離でもかなり濡れる本降り。てっきりペッスは傘を持ってると思い込んでいたら「へ?ないで。持ってない」と言う。「帰りに駅から自宅までどうするん?」と聞いたら「チャリでたった5分や。帰ってすぐ風呂入るねんから濡れたってどうっちゅうことないわ」やって。普通この雨やったら持ってくるやろ?わたしよりウワテやん。「ほな行くで」と土砂降りの中を池袋駅まで(久しぶりに)ダッシュしました。もちろんびちょびちょ。

 

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高1のときからやから付き合いはじめてもう40年くらいになるのか。もちろんずっと一緒にいてたわけじゃないし、知らん時代もいっぱいあるけど、こういうときに「感覚が似てるなあ」と思う。せやけど久しぶりに会うたのにほとんど芸能ネタで終始したな。54になってもあの頃と基本は変わらんのー。

浮気をしてやる。

男と女は長く付き合い過ぎると、安心できることが増える一方で刺激に欠けていく。これは均等にならない天秤のようなものかもしれない。多くを語らなくてもわかってくれているというラクさは何者にも変えられないし、私の居場所はここなのだという充足は心持ちを安定させる。幸せとはこういうものなのだと思う。いやしかし、このまま変わらない状況は果たして私にとっていいことなのだろうか。もっと変われる、予測を超えた何かが待っているかもしれないではないか。この安住によって私は私の可能性を止めているのではないか。まだまだ変われる、女性として個人としてBBAとしてまだ輝けるはず。諦めてはいけない。

 

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決めた。浮気をしてやる。20年以上も長く付き合い過ぎた。安定に依存しすぎた。阿吽の関係を捨てて思いもよらない方へ飛び立たなければならない。さあ、新しい美容院へ。

 

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会社のコが通っているサロンを紹介してもらい、早速予約を入れた。ときは来週の日曜日。できればロングを残しつつ攻めた髪型にしたい。新しい彼(オーナーらしい)は私をときめかせてくれるのだろうか。私の気持ちを受け止めてくれるのだろうか。あまり細かいオーダーを出さずにこの身を委ねてみようと思う。浮気が本気になるかは新しい彼の技量次第。楽しみしかない。

 

 

アタマにデキモン。

はじまりは4週間ほど前でした。頭の耳の上あたりにポチッと小さいデキモンがあることに気づき、ネットで調べてみたらニキビのようなものという書き込み多数。触ったらちょっと痛みがあるけど気になるほどではないし、「まあそのうち治るやろう」とそのままにしてました。その後、先週くらいかな?このデキモンがかなり大きくなっていることに気づき、左に向いて寝ると圧迫されてかなり痛い。ブラシを通すのもムリ、じんじんとした痛みが広がってきている感じがして「こりゃ医者に行かなならん」とさすがに思うようになりました。500円玉くらいの直径で半円形にふくれている状態を思い浮かべてもらったらニアリー。で、その病院、近所にいいと評判の皮膚科はあるけど、ここは初診に数時間待つほど人気でこの忙しい状況やとムリ。どうしようかと考えて、出勤途中にある整形外科に行ってみました。皮膚科の領域とはわかってたけどなんとかしてくれるかなーと期待して。

 

「これはウチとちゃうわあ」と看護師の第一声。院内は混んでたけど私の問診票を見て「なんやこれ」となったんでしょう、特別に早く招いてくれて、看護師2人が私の頭を覗き込みます。「これは皮膚科やで」「でも先生に一回診てもらったらどうやろう」「そうやね」と看護師2人のはからいで先生を呼んでくれて「これは痛いな。皮膚科に行った方がええで」とドクター。うん、それは重々わかってんやで先生。「ほんだら抗生物質1週間ほど出してあげるわ。これであかんかったら皮膚科行って切開してもらいや」とラッキーな展開。これでデキモンも小さくなっていくやろうと期待しました。

 

治らなかったんです、結局。腫れが少しマシになったかなというくらいで、左の歯茎も腫れてきて苦痛はマックス。炎症物質のサイトカインは散らばるっていうしなあなどと頭のてっぺんから痛みのもとが体内に広がる想像をしてみたり。こりゃあもうやることはひとつ、皮膚科に行くで。あのいつも混んでて待たされる皮膚科に行って切ってもらうと決めて、会社を早退して向かいました。

 

「これは早く切った方がいいね」と皮膚科のドクター。ええそうでしょうよ、とっとと切ってくださいよ、と思ってたら「じゃあ住友病院の形成外科に紹介状書くね」と言われてズコー。え、センセは切ってくれへんのんかい!「明日行ける?」と聞かれて「あーちょっと仕事忙しいんで、来週にしてもいいですかね?」と言うと、「仕事の都合はわかるけど、そこまで延ばす必要があるかい?」と諭され、「う、うん」となり翌日に予約してもらうことに。なんや大層なことになったなあ。プチっとやってくれたらええのにさ。「ちなみに先生、もしこのまま私が痛みを我慢して放置したらどうなるんですか?」「ハゲるね、ここハゲるわ」「そのハゲは受け入れるとして、疾患としてひどくなったりする?」「それはどうなるんかわからんのよ」やって。ハゲだけは確定なんや。

 

 

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翌朝起きてリビングに行くと、とーちゃんが「ボクも一緒に行くわ」と言う。WHY?何時間待たされるかわからんし、退屈なだけやで。別に大したことないから来んでええよと言うても「筋トレはアクティブレストの日やから大丈夫、行く」とわけわからん返事。まあ行きたいならついてきなさいよと一緒に住友病院へ。私の予想では血液検査やらいろいろやってからアタマ切られるイメージでしたが、形成外科の受付を済ませて待ったのは15分くらいやったかな。診察室に呼ばれて「じゃあ切りましょうか」とソク決行。いいね!スピーディ!

 

「先生待って。聞いておきたいことがあります」「はい、なんでしょう?」「ここの髪切ります?ジョキっとやります?」「いいえ、切りませんよ」「切った後はかなり不都合ですか?」「洗髪は明日にはしてもらっていいし、特にないですよ」とのことなので心置きなくやってちょうだい!この先生はアラフィフと思しき女医さんでアヤコさんと言うらしい。シュッとした出立ちで話しぶりは京都っぽいはんなり感。「じゃあ麻酔打ちますよ。これが痛いから我慢してね」と横たわる私のアタマに注射がぶすり。長いわ、痛いの長いわ。動物のうめき声のようなものを漏らしながら耐え忍び、「じゃあ切りますね」と電気メスをジリジリ。「5ミリ切るからねぇ」と言うや否やアズスーンアズ焦げたような強い匂いがぷーん。患部の中を洗ったらアヤコパートが終わったようで今度は看護師さんたちによる処置タイム。「テープを貼れないのでガーゼをピンで止めておきます」と工夫して、ぱっと見にはわからないようにくださいました。

 

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こうして長らく共にしてきたデキモンとはアデュー。「1ヶ月すぎた頃に芯が残ってないかを確認しておいた方がいいの。これが残ってしまうと後がやっかいになるからね」とアヤコ先生が言うので7月末に再診を予約。もし芯が残ってたら手術になるんやって。めんどくせー。「これってプツっと最初にできたときに処置しておくのが一番いいんですよ」「え、あのポチのときに?」「そうそう」「そんなん、あの程度で病院に行こうと思わんわ」「そうよねー、だから厄介なのよ」やて。みなさん、アタマにポチッとできたらなめんと早めに病院へ。整形外科ちゃうで、混んでても皮膚科やで!

 

最後に。この度の顛末で何度も書かされた問診票。薬のアレルギーがある私にとっては大事なものですが、これにひとつ文句を言わせていただきたい。飲酒習慣の欄さ、「毎日飲んでいる」にためらいなく丸をした後に書き込む酒量のスペースよ。レギュラーペースの缶チューハイ1本と泡盛3-4杯って書くには小さすぎるねん。何想定でこの幅?ビール1缶レベルのつもりか。ひどいときならワイン1本、泡盛3-4杯、缶チューハイ、マッコリて書かなならんのやで?ちょっと考えてよね。いつもはみ出すんやんかいさ。