十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

酔っぱらいの法則。

木曜日、あれからしばらくしてとーちゃんが帰ってきた。だいぶ酔うてるようなので「で、どのくらい飲んだん?」と聞くと「1杯」といい、フラリとよろけてる。って、それまるでドリフやん!お約束かいな。スエットに着替えて冷蔵庫から缶チューハイを出し、まだ飲もうとするので「もうやめといたら?だいぶ飲んでるんやろ?」というと、「全然よっぱらってないよ〜」やて。嘘つけ。目がちゃんと開いてませんぜ。

だいたいとーちゃんが酔っぱらってくると、いろいろな兆候が現れてくる。段階的に整理してみよう。


step1.いつもよりかなり饒舌になる。

step2.話すときの身振り手振りが大きくなる。

step3.歌いだす。

step4.踊りだす。


というのがこれまでの一般的な傾向。まあこのへんまではまだご陽気で、意識もしっかりしていることが多い。しかし、この日の夜はすでに第4ステップの「踊りだす」からはじまってしまった。缶チューハイ開けたとーちゃんは、音楽に合わせてくねくねしはじめた。や、やばい!踊り終わったあと「な?、ボク全然酔うてないやろ〜?」と言い…





step5.ミュージシャンになる。がはじまってしまった。音楽に合わせて手の指で机をタタタンと叩き、リズム隊を装う。それはギターのフレーズだったり、ドラムパートであったりいろいろで、いかに音楽に合わせてリズムを正確に打てるかを自慢しはじめる。「なあ?ボクって音の感覚ばっちりやんかぁ」と言い、自分に酔いしれる親父。もうここまでくると末期症状で…





step6.同じ話しを何度もする。に突入。この日はオークションでワインを12本落としてしまった、しかしそのワインたちは通常では買えないようなもので、そんなワインをこんな値段で買えたことは奇跡であるということを何度も繰り返し話していた。まあ、やってしまったことの正統化?というか言い訳?えんえんこの話を続けたとーちゃんは…





ついに寝た!パタリと電池が切れたように、机に突っ伏して寝始めた。もうここまでくると最終章で、どこで寝るかの問題に。






イチゴ大福エリアに侵入し、サイゾーを巻き込みお眠り体制に。サイゾーはかなり迷惑そう。だって酒嫌いな犬ですから、とーちゃんの酒臭いニオイはたまらんイヤなのだろう。「た、たすけて〜!かーちゃ〜ん」という視線を送った犬は…




とーちゃんにかけてあげたタオルケットの端っこで、丸まりはじめました。お前にもいろいろ気遣いさせてゴメンよ、サイゾー