十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

1958、運命のバー。

さて、焼き肉の日。お店の予約は5時からだったので、私たちはサイゾーをホテルに預けて少し早めの4時にミナミへ到着。「喉がかわいた、ビール飲みたい」と店を探すが、この「4時」という時間、空いているお店は意外と少ない。1件フレンチのようなお店に入ってみたものの、禁煙だったので1杯飲んでそそくさと退散。「さて、どうするか〜」ととりあえず焼き肉の店の方向へ向かって歩くことにした。

もうすぐいつもの焼き肉屋というところまで来て、周りのお店を見渡してみると、あれ?ここってバー?という店を発見。扉は開いているので誰かいるのだろう。中に入って「すみませ〜ん」と何度か(しつこく)声をかけると、バーテンらしきお兄さんが出てきてくれた。「まだ準備中ですけど、すぐ用意できるのでいいですよ」と言ってくれて私たちはようやくふ〜っと落ち着く。





店は本当にスタンダードなバーのつくり。壁を見ると「1958」とあるので「1958年からやってはるんですか?」と聞くと、「そうなんです。50周年を過ぎました」な歴史あるお店らしい。さらに1958年というととーちゃんが生まれた年。むむむ、これは!






この街には私もとーちゃんも、もう何十年も前から通っているというのに、数えきれないくらいこの前を通っていたというのに、2人とも今までまったくこの店の存在に気づいていなかった。まずそれが不思議。そして意味ありげな「1958 」(え?意味ない?)。そうか〜、私たちは、今日ここに来るべきことが決まっていたのか。ここにたどり着いたのは必然だったのか。あ、ごめん、ちょっと春樹ワールド入り過ぎ?だってまるでいるかホテルみたいでさ。(参照:羊をめぐる冒険






なのでここは2杯目に、春樹小説でおなじみのカティサークのロックを。なんやあんまり置いてないカティサークらしいですで。う〜ん、しあわせ。この導きに感謝♪と2人で幸せを噛みしめ、本番の焼き肉屋さんへ向かいました。






もうこちらはいつものように、それぞれがぺらぺらとしゃべりながら肉を食い、酒を飲む。お父さんに甥っ子、姪っ子にそれぞれプレゼントを渡して、またまた肉を食い、酒を飲む。そして忘れちゃいけない






そうさ、冷麺さっ!私たち姉妹にとってはこれがメインといっても過言ではないくらい。久々の冷麺、おいしかったなあ〜。思い切って大きいサイズにしたからね。悔いはない。太ってもいい。こうして最後まで堪能して店を出て、みんなと別れました。お父さんお母さん、ありがとう、ごちそうさま〜!


とみんなと別れた後、私たちは「1杯だけ」とあのバーに戻り、サイゾーを引き取って帰りました。でもまだ、この日の夜は続いたのです。