十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

「犬」入ってます。

こいつが入ってます。

今日も仕事で遅くなり、会社を出たのは夜の9時半ころ。いつものようにリュックタイプのバッグにサイゾーを入れ、よいしょと背負ってちゃりんこを走らせる。一つ目の大きな交差点はノンストップで通過し、二つ目の大きな交差点へ。この2つの信号の連携はいつも良くない、よほど本気でダッシュしないと必ず引っかかってしまう。こんな5kgにもなる犬を背負い、仕事帰りの腹ぺこ状態の私がダッシュできるはずもない。「ちっ、またや」とあきらめ、赤になったばかりの交差点で仕方なく止まった。
そのとき、後ろでキキっという音がして、見ると自転車に乗ったお兄ちゃんが同じく信号待っている。お兄ちゃんにしたら、私の存在を意識しているかどうかは別として、まさかこのバッグに犬が入ってるとは想像もしないだろう。ここでサイゾーに吠えられたら思いっきり彼を驚かせてしまう。「どうしよ、吠えるなよサイゾー、頼むで」と心で祈る私。吹きすさぶ冷たい風、変わらない信号。。。。。。。沈黙のなかで「ワ、ワーン」とサイゾーがでっかい雄叫びをあげよった。見てはいないが、お兄ちゃんは飛び上がるほどびっくりしたに違いない。「こら、吠えるなサイゾー!びっくりするやろ」と言いながら私は背中に手を回し、意味もなくバッグを押さえる。「ワンワン」「まだ言うか〜コラー」「ワン」「しつこいっ!」信号が青に変わり、周りから見たらひとりごとでしかないつぶやきを続ける私。なんて恥ずかしい。
サイゾーは警戒心が強く、こうして自転車で止まっているときなどは、近づく人物(と犬)に吠えてしまうことが多い。その人や犬は近づいているのではなく、ただそこに居るだけなのだが、サイゾーはバッグの隙間から目を光らせ、そこに居るとわかると吠えよる。それにしても周りの人に気を遣うので、せめてバッグに「犬」がおることを知らせるいい方法はないだろうか。近所のみなさんすみません、うちら驚かせるつもりはまったくないんですm(_ _)m