十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

我慢できなくて。

肉とダルバ1997

日曜の朝、イタリアワイン5本のまとめ買い分が我が家に届いた。うきうきと段ボールから取り出すが、いかんせんまだセラーは届いていない。「このワインはしばらく飲まへんからね!!」ととーちゃんにクギをさされ、ひとまず押入にいれていおく。が、夕方に近づくにつれ「今日の晩ご飯何?」「で、何飲むんさ」と執拗に聞いてくる親父1名。「私は今日はワインじゃなくていいよ」と言っているにも関わらず、「しゃ〜ないな〜、1本だけやで」とさっき押入に入れたばかりのワインを1本取り出し、開栓する親父。とーちゃんも我慢できないのねっ。
晩ご飯は私がやたら肉を食べたかったので、ベランダに出て鉄板で焼きながら牛肉(といってもオージーですけど)をちまちまと焼く。ここに登場したワインがこのBARBERA DALBA。そんなに高級なランクじゃないものの、ビンテージが1997なのでジャスト10年経っている。私たちの期待は最高潮に達するが、飲んでみると「ま、普通」。確かに濃いし、甘みと酸味のバランスもいいねんけど、期待していた腐葉土の香りや乳臭い感じはほとんど感じない。「まあいうて3,000円くらいのワインやしな」と言いながら、それでも焼きたての肉にワインを楽しみ、ぺろりと食べきった。
陽が落ちて寒くなってきたのでベランダから引き上げ、最後の1杯を部屋で味わうことにする。このとき、普通のコップで飲んでいた飲みかけのワインをワイングラスに移してみた。そしたらね、微妙なんやけど、香りがたってきたわけよ。「あー、確かに変わってきてるぅ〜!!」とうれしそうに絶叫する親父。「あ〜やっぱり、グラスはちゃんと選ばなアカンねんわ〜!!」と後悔する親父。うちのワイングラスは丸っこいタイプなので正当なやつではないが、やっぱりワインを飲むときはちゃんと使わなアカンと2人して反省。さらに「ベランダで飲むときもちゃんとグラスを選ぼう」「もういい加減、もうちょいまともなグラスを買おう」という結論に至った。そうしないと、いくらセラーでおねんねさせても、こいつの持ってるポテンシャルを最大限引き出してやることはできないのだ。
「失敗は成功のもと言うてね」と親父をなだめ、最後の一滴までしっかりいただく。あ〜、ワインはやっぱり難しい。けどこの奥深さが虜にさせるのよね〜。