今週の水曜日、仕事を終えたのはちょうど深夜の12時だった。待ちくたびれているサイゾーにごめんねを言って、いつものバッグに入れて背負い、雨のなか傘をさしてチャリンコを走らせる。いつものビストロで飲んでいたとーちゃんは、先に家に帰っているはず。カギを開け、扉を開くと「がちゃ」っと音がして扉が止まる。「やられた!」…そう、よくチェーンであるようなガチャリとひっかけるカギをかけられていたのだ。奥のリビングの明かりはついているようだが、酔っぱらいとーちゃんはきっと爆睡してしまってるのだろう。ピンポンピンポンと狂ったようにチャイムを鳴らしても、扉の隙間から傘を差し込んでバンバン音を鳴らしても、電話をかけてもまったく反応はない。ついにはサイゾーを扉の隙間から部屋に入れてとーちゃんを起こす作戦に出ようとしたが、サイゾーは嫌がって入ろうともしないし、現実的に通れるサイズでもない。「どうしよ」と途方に暮れる。外はまだ雨が降っている。犬連れなのでホテルはだめ。12時を回っているので今さら近所の知り合いに泊めてもらうわけにもいかない。実家に帰るにもクルマのカギは家の中。。。。。
結局、サイゾーを再びバッグに入れ、会社に戻ることにした。雨のなかちゃりんこを走らせながら、怒りがふつふつと高まっていく。たまたま会社に1人残っていたので、事情を話すと「何にもないけどこれで寝たら」と大きなパネルを2枚床に敷いてくれた。ああ、うれしいけど悲しい。なんでワシが床に寝なならん。
その後、朝の6時になってようやく目覚めたとーちゃんと連絡が取れる。寝不足でふしぶしが痛む身体をひきずり、サイゾーとようやく帰宅。反省しきりのとーちゃんは、その日の夜私のお気に入りのワインを3本まとめて買ってきた。「カギをかけてしまうことはようあるこっちゃ。そやけど、そないなるまで飲まんでええねん、当分禁酒じゃ〜!!」と言うと素直に「すみません」と謝るとーちゃん。ま、今回の件は水に流したるけどな、この3本のワインはワシがしっかりいただきまっさ〜!!