十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

たまに犬、なので。

たまの犬

うちのミニチュアダックスサイゾーはものすごく日本語を理解している。いや、犬バカな飼い主は皆同じ思いなのだろうが、サイゾーは私の想像で「犬っていう生き物は、例えば何万犬に一匹くらいの割合で言語を理解でき、犬の掟のもと知ってるフリができないだけで、ほんとは全部言語を理解している犬が存在している」と思わせるくらいコイツは意志疎通の能力がすごい。
例えば会社にいる日の夕方。「そろそろ散歩でしょ」とサイゾーに誘われ、6時を過ぎて外に出る。手当たり次第におしっこをかまし、他の犬の匂いをクンクン嗅ぎまくり、大をするのを忘れてしまいよる。「サイゾー、うんちしてないで、ほらしとかんと」と言うか言わずかのタイミングでその態勢に入り、ぷりぷりと排泄。さらに、帰宅後にベランダで身体をふき、部屋に入る前に「サイゾー、ぶるぶる」と言うと、身体をブルブルっと振るい、身体に付いた余計な水分を払う。単なる習慣と言えばそれまでだが、私が言葉に出した瞬間にその行動を起こされることが続くと、「ああ、何万件に一匹の言葉のわかる犬なんや」と思わずにはいられない。
ただ、サイゾーが絶対に理解しようとしない言葉もある。ものすごく単純に「吠えるな」を理解できない。この言葉さえわかってくれれば、ご近所にもこんなに肩身の狭い思いをせんでいいのに、、、、と切実に思う。サイゾー、吠えるな。