十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

…、でその結果。

かんぺー

とは言っても、病院の待合室で待っている間は読んでいる本の内容がアタマに入らないくらいいろんな思いが交錯していた。
「大丈夫大丈夫。先生も赤血球36なんてありえませんって言うてたやん。単なるミスプリやねんから、大きな病気であるわけないよ」と私の中の天使がささやく。すると「そんなんわからんで〜。ホンマに36しかなくてさー、この病院の先生もびっくりするような状態なんかもしれんで〜」と悪魔が言う。…(私も今まで医者をやってきて、赤血球が36しかないのにこんなに通常の生活ができる方を初めて見ました。いやー、こんなことがあるのかなあ…)悪魔が作った妄想の中の先生が、そんなセリフを私につぶやく…いかんいかん、考えてもムダや。考えんとこう、、、と思っても最悪の事態がアタマをよぎる。てな葛藤をしている間に、名前を呼ばれた。
おそるおそる診察室のトビラを開けるとおばちゃんの看護婦が「こんにちは〜」と笑顔で声をかけてくる。(不自然やないか、その笑顔。もしや悪いのでは)と要らぬ考えが一瞬よぎるが、気にせず先生のもとへ。先生も「こんにちはー」と明るい声。「…で、結果なんですが」「はい」「白血球も赤血球も正常ですねー」「はい?」「ここ見てください。全部戻ってますねえ」「はあ」「これが肝臓、これが腎臓。どこも悪くないですね〜」「はい」「なので気にしなくてもいいですよ」「あのですねえ、でも結構ふらつきがあるんです」「ああ、まだ続いていますか?」「軽い船酔いみたいなんです」「でもねえ、耳鳴りもないんですよねえ、ちょっと様子を見たほうがいいですね」「はあ」。となって、薬一つももらうことなく病院を後にした。
このふらつきは間違いないので、血液が関係ないなら肩こりか、とその足でマッサージへ。で割に身体が軽くなる。なーんや、そういうことなん、ふふん、じゃあ今まで通りやん。酒飲める飲める♪
てなことで、この乾杯。ホウカシキエンに続き、お騒がせしました〜!