サイゾーが、びっくりするほどおりこうさんになってきている。いや、正確には「しつけ」の効果が現れてきているのだ。これはスゴイ。サイゾーはお留守番のできない犬なので、ボスをはじめ心優しい会社のみなさんの計らいもあり、毎日会社に連れていっている言わば「出勤犬」。ところがお客さんが来たら吠える、たまにつないでなかったらお客さんのもとに走り寄りさらにワンワカ吠える。一回、気弱そうな郵便局員さんが配達に来て、いきなり犬が飛びついて来るので驚きのあまり出ていってしまったことがあった。とにかく、「オレがここを守ってるねん」という勝手な思いこみで、ほとほと困り果てていた。
ところが、いつもお世話になっている近所のペットホテルにこの件を相談したところ、そこのオーナーさんが「いいですよ、しつけというのじゃないけど、一回事務所を見せてください」と言うてくださった。これはありがたい。神にもすがる気持ちでお願いし、先週の土曜日にサイゾーのいる事務所に来てもらったのだった。
まず、サイゾーのハウスの位置を直し、さらに指示の仕方、怒り方、ほめ方、主従の関係を認識させるトレーニングを受ける。ほめるときはサイゾーの目を見て抱き上げるくらいの勢いでしっかりほめる。でも吠えたときは目を合わせず、サイゾーが気づかないようにパチッと口元を軽くたたき、気をそらせる。「口も身体もおさえて吠えさせないようにすると、かえって反発して逆効果です。ちょっと刺激を与えて“アレ?”くらいにさせる方がいいんです」と言われる。口も身体もおさえて目を見て怒っていた今までのやり方は間違っていたのだ。反省。さらに「サイゾー君が事務所の真ん中にいたとして、みんなサイゾー君を避けるようにしてませんか?それね“自分が中心や”と犬に思わせる大きな原因になってるんです」ほう。確かに、私も含めみんなサイゾーを避けて歩いてくれて、たまに当たろうもんなら「ごめ〜ん!サイゾー!!」とナデナデしている…。「それ、一番良くないんですよ」。すみません、止めます。ってなことでいろいろな指示を受け、今週から会社のみんなの協力を得て実践。すると驚くほど吠えることが減り、自らハウスに入って眠っている。これはまさに「何ということでしょう!?」な匠の技ではないか!?
とは言っても、まだまだ吠えるし、おりこう犬になる道のりはまだまだ遠い。でもちょっとだけ、サイゾーが変われる希望が見えたのだ。サイゾー、かーちゃんも頑張るから、お前も頑張ろうな。
……って、いま振り返ってサイゾーを見たら、おっぴろげて寝てた。がっくし。