歩いて5分もかからないタクシー乗り場までの距離なのに、とーちゃんはなかなか前に進めない。壁をつたい、片足をひきずり、私は抱きかかえるように左腕をもち、何とかタクシーに乗り込む。「どないしたん？」「わからんけど、右足めっちゃ痛いねん」と言いながら、サイゾーを引き取って家に着くなり倒れ込むように玄関で寝込む親父。どれだけ揺さぶっても起きないので、「酔っぱらってるだけか？」と思い、朝までほっといた。
翌朝、左足のケンケンで寝室から出てきたとーちゃんに、「で、どうなん？」と聞くと「すごい痛い」と言う。右足を地面に着けられず、体重もかけられない。「多分骨折やな」ということになり、病院に連れていくことになった。
レントゲンをとってもよくわからなかったらしいが、足を着けられないほど痛いということはおそらく足首あたりの骨にひびが入っているやろう、ということらしかった。野口さんに乗せて家まで連れて帰り、私は昼から会社に行く。ふう、大変や。家に一人病人がいるだけで、小さくてもいっぱいの余波が来る。とーちゃんも痛くて大変やろうけど私もしんどいがな。っていうか、2〜3日は安静にして、歩けるようになるまで2週間かかり、全治3カ月という診断に、どこかとーちゃんはうれしそう。おいおい、調子こいて休むなよ。松葉杖ついてでも会社行けよ、と言うと「わかってるよ〜、でも今週は休むからね」とふふっと笑っている。どうよ、これ。
で、今週、たまにタクシーでとーちゃんは会社に出たものの、ほとんどを家で過ごした。いわば2度目のサマーバケーション？「あー、サイゾーのトイレ掃除したってな」「悪いけど植物に水やったって」と私は召使いのようにアゴで使われる毎日。腹立つー！何でこんなことになってん！！。。。。。。あの古希の日ぃになー、力比べの延長で、妹らとおんぶして遊んどったんや。とーちゃんがひ弱すぎるばかりにおんぶの山が崩れてこんなことになったんや。とーちゃん、弱すぎっ！！！
