十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

セッタ ポンティ兄弟。

これは弟

また、ワインが届いた。うきうきとパッケージを開け、そそくさと押入れに仕舞うとーちゃん。「何買うたん?」と聞くと「ん?、ああ、トスカーナのクロニョーロ。ほら、とーちゃんが好きなオレーノの弟分みたいなやつや。オレーノは高いからそんなに普段飲みでけへんけど、これはまだ安いから飲めるからね。今日一本飲むやろ?出しとくわな」とうれしそう。安いっていくらね、と聞くと「3000円」と言う。安いのか?その値段。
夜、ワイン基準で揃えたメニューは、毎度おなじみ無印のチリコンカン、ローストポーク、サラダ、ウニとエビのクリームパスタ等々。まず白のカレラを開け、クロニョーロへ進む。とーちゃんはこのワインの特性を調べ、昼の3時から栓を開け、外に出してこいつの目覚めを促していた。時計を見ると7時なので、4時間経っている。いい感じで起きてくれていたらいいのだが…。
見た目は濃い。で、香りを楽しみ、一口飲んでみる。シルキーやなあ、というのが最初の印象。とーちゃんは「うん、まだもうちょっとやな」と言う。できるだけゆっくりと時間をかけて一杯を味わうようにしていると、確かにどんどん変化しているのがわかる。甘みが出てきて、香りも少しミルキー感が出てきて、最後の一杯までへたることなく味わえた。「いいねえ、クロニョーロ」と喜ぶ私たち。するととーちゃんはマサオから兄貴分のオレーノを出してきて、解説をはじめる。
「イタリアはトスカーナのテヌータ セッタ ポンティっていうところで作られてるねん。サンジョベーゼ100%じゃなくてな、ブレンドなんよ。その年のブドウの出来を見て、ブレンドを変えて味を一定に保っているわけ。そういう姿勢がええやん」なるほど、ふんふん、と聞いているが、酔っぱらってきてるのであんまりわからん。まあ、いいや、おいしかったら何でも。
とーちゃんの講釈は延々と続いているが、眠たなってきた。たくましくて男らしいイタリア人のオレーノ兄貴とクロニョーロ弟が夢にでてきそう。。。ふぁ〜、寝ましょか。