十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

恐怖の冷凍庫。

も、が見えなくても。

今週、ずっと、冷凍庫を開けるたびに、なんとなく気になっていたアイツ。「氷足そか?」ととーちゃんのグラスに氷を入れるたびに、私のグラスに氷を足すたびに、避けようにも視線がそっちにいってしまうアイツ。それは冷凍食品の「さといも」。これですわ、この写真ですわ。「さといも」の字がでかすぎる!そして太すぎる!見たくなくても視界に入ってしまう「さといも」。
「だいたいな、さといもなんちゅーもんは、メインの食材じゃないわけよ。そやのに何?あのでかい態度」と、とーちゃんも私が感じていたそのままの感想を熱く語り出す。「そうそう、まったくその通り」「あ、かーちゃんも思ってた?何かさあ、オレを見ろ!みたいなさあ、脅しめいたもん感じるやん」と言う。確かにそう。本来は端っこのポジションなのに、ちょっと強気なヤツになってしまい「がははは、それで奥さん、貸した100万、いつ返してくれますんや?」というRIKI TAKEUCHIのような凄みさえ感じさせる。「そうやねん、とーちゃん。まったくその通り。冷凍庫開けるたんびに、目が“さといも”にいくんやわ。吸い寄せられるいうんかな。まったくさといもらしい謙虚さがないよね」と言うと、「そやけどかーちゃんがこの“さといも”買うてきたんやんか」と言いよる。確かに店で見たときは、全然気にならなかった。「わたし、さといもなんですぅ」と気の小さい感じで、ちょこんと冷凍コーナーの端っこにいた。手に取り、裏を見るとちゃんと調理法も書いてある。親切なやつやん♪と思い、カゴに入れてしまった。それがこんなことになろうとは…。
パッケージデザインの観点で言うと、きっと、いろいろな意味で勝ってるんやと思う。しかし、このままでは我が家の楽しい泡盛タイムの度に、酔いが醒めるようなさといもパンチを食らってしまう。こうなったら、もう、こいつを、食べてしまうしかない!