あんなに行く前は「何でわざわざ東京で」「めんどくさいな〜もー」とぶーたれていたとーちゃん。そう、この前の出張の件です。翌日帰ってきて、「あ〜疲れたぁ」とぼやきつつも、あれ?なんかおかしいぞ、コイツ。「で、どうやったん。飲み会やったんやろ?何軒行ったん?」「うーん、4件かな?」すごっ!!そら二日酔いになるわ。
聞くと最初に鶏鍋のお店で、次は昭和の匂いの残るバー、その次におねえちゃんのいるクラブ、最後に軽くバーで締めたと。ぜんぶ銀座というのがまたスゴイ。「いや〜、銀座は変わってるねえ。ボクが知ってる銀座ではなかったわ」ふーん。ワシちゃんと行ったことないからわからん。せやけど前から“銀座行きたいな〜。東京へ遊びに行こうや〜”ってさんざん言うてたやん。ホンマににぶいな、アンタ。「それにな、やっぱり銀座のクラブのおねーちゃんは違うね。いや、そこまで一流のクラブじゃないから普通の子やねんけどな」と言いつつ、出てくる出てくる、おねえちゃんの名刺が。
あんたー、どうせ、『いや、うちは子どもがいないんでね。代わりに犬が子どもになってるんよ』『えー?!犬って何飼ってはるんですかぁ?』『ミニチュアダックスやねんけどね、サイゾーって言うんよ』『サイゾー?!(けらけら笑うおねえちゃん)どうしてその名前なんですかぁ?』『それはキミらは知らないと思うけど、真田十勇士に霧隠才蔵っていう忍者がいてね…』てな話しててんやろ、と聞くと「うんうん、そうそう」とニタつく親父。何や思い出して喜んどるで。「ボクは水割りを途中でつぎ足されるのも、タバコに火つけてもらうのも好きじゃないから断るやん。そういうところがやっぱり他のお客と違うんやろうな〜。何かボクを見るおねえちゃんの目がちゃうもんな」そうですか、はいはい。挙げ句の果てに「かーちゃん、今度銀座行こか」やって。よっぽどええ思いしてきはっんやろうね〜。