十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

シムチッチさん家に行こう!

シムチッチさんのワイン

ご存知の通り、昨年マサオが我が家に来てからというもの、かなりのワインを飲んできた。マサオの収納量を超えるワインを買い集め、「どう?どう?」と喜ぶとーちゃん。ピエモンテが好きなのに、いろいろ調べるうちに「トスカーナもええで」とそっちへなびき、一時は毎週トスカーナのワインが届くようになる始末。「かーちゃんこのワインはな、トスカーナの中でも…」ととーちゃんの解説付きでワインを飲むが、正直私はあんまりおいしいと思えるワインに出会えなかった。そりゃ、開栓してから飲むまでの時間とか、飲み出してからの時間の早さとか、もちろん合わせる料理の問題とか、おいしいと思わなかった原因はこちらにもいろいろあるだろう。でも、でもね、とーちゃんが喜んで勧めてくれる割に、私は「ウン」と首を縦にふることがなかった。
「そらな、ピエモンテのワインはおいしいで。トスカーナとは全然違う。そやけど、かーちゃんがホンマにおいしいってうなずくワインは、ボクらの手の届かんワインなんよ」と言う親父。そらそうやろう。きっと私が本気で「コレや〜」と言うワインは、きっと数もなくて、値段もすごくて、それこそ家で飲んでももったいないような、稀少なワインなんやと思う。でも去年、とーちゃんが買い集めたワインの中で、唯一「すごいおいしい」と思えるワインがあったのだ。それがイタリアではなくスロベニアのエディ・シムチッチさんのワイン。赤を飲んだときは酔っぱらっていて(何ともったいない!)あんまり覚えてないのだが、白を飲んだときビックリした。素晴らしいバランスと香り。いつも飲んでいるカレラのエルニーニョを超える上品な味わい。「とーちゃん、コレめっちゃおいしいな〜」と久々に感激した。そして「とーちゃん、これからはいろいろいらんから、とりあえずシムチッチさんのワイン買いぃ〜」と指令を出しておいた。
いま、私たちの夢はシムチッチさんの家に行くこと。まだご健在のようなので、「はるかジャポネからきました〜。あなたのワインの大ファンでぇす」と言い、エディおじいちゃんに抱きつく私。お土産は泡盛と日本酒で「これ、ジャパニーズ・テキーラね。おいしいよ」と手渡す。エディおじいちゃんは顔をほころばせ、私たちに「じゃあ今夜は私のワインを好きなだけ飲みなさい」と言ってくれる。ああなんて素敵なひととき。スロベニア料理ってどんなんなんやろ。もうなんでもええわ。あるだけ飲むで〜。
これで今年の目標ができた。海外旅行や言うてももうこの年や、あっちゃこっちゃ行かんでよろしい。まさかのスロベニアでシムチッチ家だけを目指して一週間を過ごすバケーション、なんて素敵なの。あとはとーちゃんが長時間の飛行機に耐えられるかどうか(←とーちゃんは海外旅行未経験者)やな。。。。って、スロベニアってどうやって行けるの?!