十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

グッバイ、ダーリン。

診察に緊張する犬。

いつもサイゾーがお世話になっている動物病院に分院ができた。それもうちの近所に。案内のハガキが届いて「よろしければこちらもどうぞ」的なことが書いてある。おそらくしっかりマーケティング調査をして、顧客層の分布を調べ、このエリアに分院を作ると本院の客が減り、待ち時間の短縮を含めて分散できる効果があるということなのだろう。確かに動物病院が近くなるというのはいいことだ。通いやすい、待ち時間も多分少なくなる。サイゾーだって、きっとどっちだっていい。しかーし、ワシはどっちでもええちゅうもんではない。分院に変えたらダーリン先生と会えなくなってしまうではないか!?
「あんた〜、きっと先生から嫌われてるねんで。ぷぷぷ。先生、あんたに会いたないからこの辺に分院作ることにしたんちゃうん?」ととーちゃんがうれしそうに言う。「そんなわけないやん。アホぅ」。。。。と言いながら、私も自信がない。現実として近所に分院ができた。そこに通わないのは却っておかしいてなもんや。万一意固地に本院に通い、ダーリン先生に診てもらい続けたとして、「え、なんでここに来てんの?」みたいな感じにあしらわれるのも結構つらい。ただ本音な部分として、今までサイゾーを診てくれている先生が安心というところもある。さあ、どうしたことか。フィラリアの検査に連れていかなアカンのに、どっちにしよう、どねしよ。。。
と考えた結果、日曜日の夕方、分院に連れて行った。まだ新しい建物の匂いのする分院は、小さいけれど先生もスタッフも一生懸命がんばっている。後ろ足から血液を取るフィラリアの検査にも文句を言わず、お尻にぷすっと体温計を突き刺されてもイヤな顔せずがんばるサイゾーを、ヤングな先生は「サイゾーくん、おりこうですねえ」と褒めてくださり、無事にすべてが終わっていった。そう、私とダーリン先生とも、この日をもって終わってしまった。(って、何にもないけど)
いいんですけどね〜、別に。あーあ、病院にサイゾーを連れて行く楽しみがな〜んにもなくなってしまった。おもんないのぅ。ちょっとあの先生は、私からしたらヤング過ぎるのよねー。