ねちねち言う親父。
昨夜はたいした食材がなかったので、刻んだタマネギを豚肉のひき肉にまぜ、シイタケ詰めにしてみた。うちにはオーブンがないので、ひとまずホイルに包んで魚焼きグリルで火を通し、さらに卓上コンロで下から火にかけ、出来上がりを待つ。
とーちゃんはマッコリを、私は泡盛をちびちびやりながら、ひたすらシイタケを待つ時間。「だいたいな〜、こんなん時間かかるってわかってるやん、もう」と残り少なくなった他の料理をつまみながらとーちゃんがねちねち言う。待ちきれない私が「ちょっと見てみよ」と1個取り出し、中を見てみるがまだのよう。「ほら〜、もうあんたが開いたその1個、確実に他のより遅れをとってんからね」とちんまいことを言う。しばらく待っていると…
あ、ジュ〜って音がした。汁がでてきてるんや!もういけるんちゃうんっ♪と手を出しかけると、「まだや〜!!」と親父がストップをかける。「こういうのはな、もういけるってなってから、しばらくちょっと置いとくことが大事なんよ。そうやって焦ってやるから失敗するねん。もうちょっと待ちぃ」と念には念を入れる慎重なヤツ。とーちゃんの言う通りにしばらく待っていたら、「ジュ〜」の音が連呼しだしてきたので、ええいっ!とシイタケに手を伸ばす。とーちゃん悪いっ、フライング!
ええがな〜。できてるがな〜。う〜ん、おいしそう。「ほら〜、ボクの言う通りにしたからちょうどええ感じに出来てるんやで」と親父自慢顔。肉汁がシイタケに伝わり、シイタケの香りがひき肉に伝わり、一体に交わったこのおいしさ。ああ、貧乏メニューでも、それなりに幸せを感じられるのね。おいし〜♪とほくほく食べていたら、「あんた、これ味薄いな」と物言いが入る。ホントは味噌を混ぜて味をつけようかな〜と思ってんけど、めんどくさくて醤油にしてん、と言うとオーマイガッド風に顔をゆがめ、「めんどくさい?それがアカンねん。だいたい料理って言うのはな〜」とねちねちはじまる。あのね、おっさん、文句いわんと、黙って食べ〜!!!