昨夜、シャッフルをかけながら晩ご飯を食べていたら、最近入れたばかりの矢沢永吉の曲が流れた。同僚のH氏から借りて入れたもので、「あ、永ちゃんや!」と親父も反応している。「そやけどあれやな、ロックンロールを貫いている人って、今や永ちゃんくらいやな」と珍しくロック論。「私はキヨシローもロックンローラーやと思うで。亡くなってしもたけど」と言うと、「う〜ん、ボクにとってはちょっと違うんよね。私生活もスタイルもずっと変わらずにロッカーなんは、永ちゃんしか思い当たらんのよねえ」とやや上から目線な感じ。しかし親父とロックを語る日が来るなんて、珍し〜っ。
「そういえば加藤和彦が亡くなったやん。とーちゃん好きやったやんか〜。どうなわけ?」と聞いてみたら、「まあなあ、いろいろあったんやと思うねんけどな。でもあの人は昔からずっとかっこ良かったからなあ」・・・・・私たちヤングは知らないが、その昔フォーククルセイダースからサディスティックミカバンドと次々とムーブメントを起こしてきた加藤さんは、ホントにおしゃれでかっこ良かったそう。若きとーちゃんはリスペクトし、憧れて、ファッションを真似したりしてたそうな。「背も高くて背中ががっちりしてはったから、ホンマに何着てもサマになってな〜」と懐かしんでいる。そうだったのね。あ、そういえば、とーちゃんって確か、
「昔、AMラジオで歌ったことがあるって言うてたよね♪」と聞くと、うんうんとうなずく親父。何ていうペンネームやったっけ?と聞くと、「メゲタ。女下駄って書いてメゲタ」・・・そうそう!メゲタ!!じゃあメゲタ、ちょっと歌ってみてよ〜とお願いすると、泡盛でゴキゲンさんになってきていた親父はエアギターを弾く構えになり、
ジャンジャンジャンジャン(←ギターね)
♪雨が〜〜降りますぅ〜〜 やるせない思いは、誰のせい〜 だんだんと〜〜年を取り〜〜♪
と歌い出した。全部は覚えていないらしく途中までやったけど、一応作詞作曲メゲタならしい。若きとーちゃんがこの曲をカセットテープに吹き込んでラジオ大阪に送ったら、「歌いにきてくれ」と呼ばれて【ヒットでヒット バチョンでいこう】という深夜番組で歌ったそうな。「それ、いつ頃の話?」と聞いたら「中学、いや高校生かな?」なんだって。高校生にしては地味な歌やな〜と言うと、「あほう、昔のフォークとはこういうもんやねんっ!」ときた。さっきまでロックを語っていた親父はどこへ?
「昔のフォークは暗かったからなあ」と今度はフォーク論。「みんな貧乏で、慎ましやかな暮らしで、それはそれで良かったんやけど、そんな空気をスパっと切り替えたシンガーの一人が加藤さんやったわけ」と親父が言う。そうなんや、ヤングな私(←しつこい?)は知らないが、フォークの波がいろいろとあったのね。「そうそう、その後や、ユーミンやオフコースやらのニューミュージックが台頭してきたんは」と日本のミュージックシーンを振り返っている。まあいいか、久しぶりにメゲタの歌を聞けたし。みなさん、メゲタを聞きたいというリクエストがあれば、YouTubeにアップしましょか?え、いらない?