昨夜、近所のお店の5周年に少し顔を出して帰り、いつも通りとーちゃんとサシ飲みしてました。ほろ酔いなのでまあよう喋る喋る。そんな中にブーンと一匹のハエが。目視がしっかりできるほどのでかいハエ。すかさず高知でのGKBR事件で活躍しすぎたハッカ油スプレーを手に、シュッシュしながらハエを追いかけるあたし。しかしすばしっこいハエになかなか撃射できん。んー、このハエめ!と追いかけていたら「ちょっと待ち。僕に任せ」ととーちゃんが立ち上がり、出してきたのが
え?なにこれ。「輪ゴムの鉄砲やがな。とーちゃん得意なんよ。むかしこれでGKBR破壊させてお母ちゃんに怒られてなあ」な武勇伝。あたしあんたとかれこれ15年おるけどこんなん得意て初めて聞いたでおい。ほんまかいな。こんなんでハエを撃ち落とせるわけ
ないやん、って言いかけたらもう親父スタンバイ。スナイパーのような鋭い眼差しでその瞬間を待っている。「ハエ太郎、来やがれ」と狙いを定めるスナイパー、サイゾーを抱いて固唾をのむあたし・・・・・と、そのとき!
落ちた!当たった!すごい!すごいやんとーちゃん!!と落ちたハエ太郎を確かめて喜び合うふたり。ところが切れていたティッシュを取りに行っている間になんとハエ太郎が息を吹き返し、ブーンとどこかへ飛んで行ってしまった。まさかの展開や。こんなことあるん?
「仕方ない。どうやら第2ラウンド開始のようやな。かーちゃん、ダイニングの電気だけ着けて。ハエは明るいところにくるからここにおびき寄せよう」なスナイパープラン。てっきりまた輪ゴム鉄砲で狙うのかと思いきや、
えっ?うちわとティッシュでいいんですかい?「もうこれで直接叩きつけるわ。あいつももうだいぶ弱ってるやろうから大丈夫。これでいい」なんだって。ハエ太郎をおびき寄せるかのように何事もないように飲んで過ごしていたら、ブーンと近づいてきたハエ太郎!そして親父がバチン!
「見当たらへんけどこの辺に落ちてると思うで。今度は間違いなく死んでるやろう」「でもあんなでかいハエがどこかに転がってるのもイヤやわ。明日明るくなったら探してみようか」とこのハエ太郎事件は一件落着。泡盛を入れ直していつもの団欒の時間になり、なんだかんだと話していたらあれ?なんか今ハエが見えた気が。まさかね。「ハエの幻覚てなあ」なんて笑っていたら
おるし!生きてるし!しぶといし!
まさかの生還ハエ太郎に驚く私たち。親父すかさず立ち上がり、またまたうちわとティッシュを手にハエ太郎に挑む。「これでホンマの最後やなハエ太郎。お前も悔しいて死に切れんかったんやろう。わかった。とーちゃんがお前の最期、しっかり決めたる。ワシに預けろ」とバッチーン!そしてようやくこの戦いの本当の終わりを迎えたのでした。
でかいハエだけに生命力もケタ違いに強かったと思う。最後の最後に私ととーちゃんのおでこにバチンとぶつかってきたのはハエ太郎なりの最後の意地やったんやろうな。すまんでハエ太郎。うちに来んかったらこんなことにはならんかったやろうにな。あばよ。