十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

浅草に呼ばれた女。

あれから私は東京駅で新幹線を降り、山手線を乗り継いで東京メトロで浅草に向かいました。初めての土地はBBAでも緊張するもの。出口番号を確認したりとソワソワしていたらツイッターに返信が。それは私のブログを読んでくれた東京在住のチズちゃんからのもので「志婦やさんいいですよ」とある。美女にプッシュされたら一気に行く気アップ。さらに「22時に店に入るとなると終いにかかってるかもしれません」ならしい。わかたチズちゃん、みなまで言いな。チェックインしてからお店探そうと思ってたけど余計な時間はカットや。駅から直接志婦やさん行くわ。よし決めた。

 

f:id:chikuwansai:20170119192050j:image

 

のれんをくぐるとカウンターと小上がりの小さいけれど品のいいお店。カウンターの向こうに恰幅のいい板さん風の男性2人とお年を召したレディが2人いらっしゃいます。ビールを頼み、何にしようかなと決めかねて「あの、おすすめは?」と聞いてみたら「どれもおすすめですけどね、今日は日本海のなんちゃらマグロがありますよ」と言われ即決。カウンター上に並ぶお品書きを見たら、ここは魚介がメインの割烹居酒屋さんらしい。運ばれたマグロの写真をツイッターに上げ、さっそくいただくと、見た目以上にとろんとしていて確かに美味。でもな、反省したの。いきなりおすすめから選ぶのはまるで吉田類やないか。自分の直感で食べたいものを選ぶのが居酒屋の醍醐味。そして自分のセンスを試すチャンス。委ねてはいけない。頼ってはいけないと気持ちを切り替え、

 

f:id:chikuwansai:20170119193153j:image

 

活けのつぶ貝と菜の花のお浸しを追加オーダー。このつぶ貝、ほんとに美味しかった。アタリ。大正解。自分のセンスをコリコリと噛み締めていたらツイッターにいろいろとコメントが。悔しがるくたりー(ありがとうやで)、いいねしてくれるチズちゃん、そして思いがけなかったのが東京のエイジングビーフで有名なお店のシェフ、イサミンからのメッセージ。私がツイッターに上げたマグロとビールの写真を見てここが志婦やさんだとわかったらしい。「そこの二代目とボク同級生なんですよ。来てもらってうれしい」と書いてくれている。あらいやホント?なんて奇遇!「お母さんがいてはったらぜひ焼き茄子食べてください」と教えてもらい、腹はパンパンやけど食べます食べます「すみません、焼き茄子ください」

 

f:id:chikuwansai:20170119193920j:image

 

他のお客さんが帰っていったタイミングを見計らい「あのね、今イサミンからお母さんの焼き茄子が美味しいと勧められたんです。イサミンとお会いしたのはわずかなんですけどツイッターではつながってて」と言うと、二代目さんが「そんなんですか!あいつとは付き合いが長くて」と打ち解けた雰囲気で会話が弾みました。お母さんも「焼き茄子だけじゃないよ」と笑いながら対応してくださり、仲間に入れてもらったようでほんと気持ちがいい。もちろんこの焼き茄子、中がとろっとろで甘いの。炭火の香ばしさと甘さが広がって、ご家族のやさしさが伝わる味わいでした。いやあ、来てよかった。

 

f:id:chikuwansai:20170119194753j:image

 

店を出て、ホテルに入ってチェックインするとなんやようわからんけど部屋をグレードアップしたとおねえちゃんが言う。そうなん?頼んでないのにおおきにやで。部屋に入るとツインベッドにバスタブ付きの浴室で、この広さと質で12000円は安い。ラッキー。タオルやマグカップの大きさ、コットンのパジャマとひとつひとつきちんと選ばれてることが伝わってきてさらに満足度がぐーんとアップ!浅草いい!!

 

f:id:chikuwansai:20170119195248j:image

 

突然決まった前泊で、わさわさと急いで決めたホテルやったけど結果的にオールOKで、きっと今回私は浅草に呼ばれたんやと思う。「そろそろおいで」ってね。だからこんなにサプライズ満載のご縁がつながる体験をさせてもらったのだと思います。しかし浅草は関西人の私にも違和感のない魅力的な町でした。今度はゆっくり遊びに行くね。またね、待っててね、浅草。