十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

フレディに寄せて。

フレディマーキュリー、あるいはQueenに対して、私の実体験では特別な感情は何もありませんでした。中学生の頃くらいかな、ラジオで洋楽を聞き出して、テレビの洋楽番組で聞いたり見たりすることはあったけど、はっきりいうて「変態のおっちゃん」(フレディな)くらいの印象しかなかった。ごめんやで。だってあんなピチピチの格好してるねんもん。絶対ゲイやんこの人って思ってたし、音楽に対する関心もほぼなかったです。まあデュランデュラン派やったしな。Japan派(Xちゃうで)やったしな。なので正直、「お正月休みに家族で映画を観る」ことが目的で、ボヘミアン・ラプソディに対してさほど期待はしてませんでした。

 

 

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評判が高いだけあって、彼の人生の編集力はやはり素晴らしかったし、クライマックスのライブシーンの映像力はすごかったです。フレディが抱える葛藤や孤独や陥落や高揚がとても上手く表現されていて、「変態のおっちゃん」に対する見方は大きく変わりました。そしてやっぱり音楽がすごいね。良いね。チリチリ頭のギターの人(ごめんやで)の再現力も評価されてるらしいね。あっという間の2時間半で、Queenってええなという印象に変わりました。うちの妹アオコはライブシーンでずっと泣いてたらしいですが、私はちょこっとうるっとした程度やったな。というのもやっぱり、フレディがエイズで亡くなることを知っているので、全体を通してのストーリーについてはそこまで期待を超えるものではなかったというのは正直なところです。いわゆる「やられた」感が無いというか。

 

 

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映画を観終わって、うちの母KZ子、妹のクローバーとその夫のヤチョン、妹アオコに映画を観てないとーちゃんも加わって蕎麦屋さんで乾杯。興奮冷めやらぬ我らはことあるごとに映画トークになってしまいます。「ほら、ちょっと前に有名な外人のミュージシャン亡くなったやん。マイケルじゃないで。あの人のお話やったのかしら?」と母が言うので「それ誰や」とやいやいしてると「ああ、それ、プリンス!」と母KZ子。「プリンスちゃうちゃう」とツッコミつつ(てかそれもわからんと観てたんかい!)、「まあプリンスも不可解な死やったしそのうち映画になるかもねえ」なんてことに会話が発展していきます。発展しすぎて「しかしあの最後のライブのフレディの衣装は究極やったんやろうね。あれだけ派手な衣装やったのが白のタンクトップに白のデニムにあのベルト、最後はああいうスタイルに行き着いたんやなあ」とアオコが言うと、「それ仲本工事スタイルやん?」となり、「じゃあフレディは仲本工事リスペクトやったんか〜」と爆笑。いや失礼。ごめんて。だからうちらの音楽レベルはこの程度なんですって。

 

 

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みんなと別れてとーちゃんと家に帰ってからも、ボヘミアン・ラプソディのサントラをかけてしばし余韻に酔いしれました。映画館で映画を観るのってやっぱりええなあ。好きやわあ。こうして正月早々映画を観て、みんなで食事するパターンを定例化しましょうとなりました。来年の正月は何をみんなで観るのかな。観た後にああだこうだという時間もこの上なく楽しいものです。とーちゃんは観てないけど(人混みが嫌いで映画館には行きたくない派)、観てきたかのように会話に入ってくるこのこじ開け感もなかなかのもん。「あの主役の子はものすごい人数の中から選ばれたんよ」って言うてたしな。またその情報ヤホーニュースかいっ!