十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

忘れられない出来事。

今回の高知旅でひとつ、忘れられない出来事があったのでここにまとめておきます。Twitterやインスタでも書いたのですが、私たちが新庄川でほげほげしていたとき、となりのスペースに若いファミリーがやってきました。「ここいいですか?」と奥さんが声をかけてくれたことに好印象を抱いてなんとなく様子を見ていると、次々に運び込まれるキャンプ用品がとてもかわいいことに気がついた。初めて見たんやけどうさぎのロゴが入ったブランドで、「あーセンスええなあ」と思ってました。話し方を聞いてるとどうやら高知の人のよう。すると娘(あとで聞いたところ5歳のイマリちゃん)がこっちにやってきて「犬かわいいねえ」と言う。「そう?もうおじいちゃんなんよ」とてっきり犬に縁のない家族かと思っていたら「うちの犬もなんちゃらかんちゃら」とイマリちゃんは言う。見るといてるやん!しかもヨークシャ2匹いてるやん!犬がいるのにうちのサイゾーに興味をもつとは珍しいなあと思ってました。

 

f:id:chikuwansai:20190818092405j:image

 

わたしがイマリちゃんに一瞬で惹かれたのは、その屈託のなさだけでなく短髪の丸メガネに渋色のルック(お母さんのセンスなんやろうね)という個性的な出で立ちがとってもかわいかったこともあります。「また犬寝てるねー」と私たちの帰り際にも声をかけてきてくれて「明日会おうね」とその日は退去しました。翌日もまたちょこちょことサイゾーの様子を見にきては何かぽそぽそとしゃべるイマリちゃん。どうやらこのご家族は1泊で帰るらしく、お父さんとお母さんがちょっとずつ片付けをはじめています。川遊びを済ませて着替え、木陰で何か書き物をしていたイマリちゃんがこっちにやってきて、「あんまりかわいいから描いた」と見せてくれたのは

 

f:id:chikuwansai:20190818093256j:image

 

まさかのサイゾー!「えー?描いてくれたの!ありがとう。とっても上手やね」というとタタっと木陰に戻り、しばらくしたらまたやって来て

 

f:id:chikuwansai:20190818093428j:image

 

「お花足した」と言う。おばちゃんうれしくて涙腺崩壊。かわいい。かわいすぎるよイマリちゃん。彼女にとっては見慣れたヨークシャと違ってサイゾーの垂れ耳がふわふわしてるのが印象的なんやろうね。足が短いのも興味深いらしい。よく見たら水色の服まできっちり描いてくれてるやん。BBAひとり感動に震えていたら(親父はケツをかばいながら流れ中だった)また木陰に戻っていきました。ああ、なんて素晴らしい出来事。こんなことがあるんや。

 

f:id:chikuwansai:20190818093829j:image

 

と思ってたらまさかの2枚目を持ってきた。よく見ると私たちらしき人物も一緒に描かれているではないか。川と犬とお花と私たち。酒飲んでばっかりの汚れた心が浄化されていくようや。この後イマリちゃんはこの2枚の絵を「プレゼント」と言ってわたしにくれて、新庄川を去っていきました。

 

f:id:chikuwansai:20190818094210j:image

 

この2枚の絵は大切に財布にしまって持って帰ってきました。フレームを買ってどこかに飾りたいなと思っています。いつかまた彼女に会いたいな。大人になったイマリちゃんに会ってみたいな。そんな記憶に深く残る夏の出会いと出来事でした。