捨てられないもの。
ついこの前、家でとーちゃんと一緒に洗濯物を干していたときのことです。くるくるになった洗濯物を一つずつほぐして広げていたらとーちゃんの赤いパンツ(下着やで)が出てきた。パンっと広げるとおやまあと呆れるほどボロボロになっている。前の部分がズルむけに破れていてポロリどころの騒ぎじゃない。「ちょっとこれ、なんぼなんでも捨てるで」と広げたパンツをくるっと小さくまとめたら「ちょっとやめてよー!置いといてよー!」とまさかの反応。「は?こんなに破れてるやん。覆えてないやん。もうパンツのテイを成してないやん」と言うと「それはそれでいいんよー」とすがってくるけどありえへん。「アホか。捨てますぅ!」と親父の叫びを無視してゴミ箱にポイしました。
という話を先日、友人のお店のマメノキさんでオーナーのマミィと靴下のくたりーと4人でやいやいとしていました。「ほんまビックリしたわ。ベロンベロンに破れてるのにまだ使えるって言うんやで?使われへんっちゅーねん。ただの布やっちゅーねん」と私が言うと、「違うんよ。ああいう使い込んだ下着ってちょうど気持ちええ肌触りと伸びがあってあれじゃないとあかんときがあるんよ。あれを使うときがうれしかったりするんよ。かーちゃんはそういう繊細な気持ちをわかってないねん」と親父。「あんなん履いてるときに救急車で運ばれてみい!脱がされたらベロンチョやで?恥ずかしいで?私家族ですてよう言わんわ!」と再燃。そこにくたりーが「あのー」と口を挟んできた。
「いやーとーちゃんの言うことわかるわあ。僕も考えてみたらあるんですよ、ボロボロのTシャツ。首のところが裂けて手が通るくらい伸びてるのにまだ捨てられないですねー。そういやそうやわ」と親父援護登場。「あれを着たい、今日はあれを着るぞっていうときがあるんすよね」「どんなとき?」「うーん、今日はリラックスするぞーっていうとき」と言う。さらにマミィが「そういえば私もあるわ!ボロッボロのインナーで首なんかのびのびやねんけど、まだ着てるしなんか捨てられへんのよね」とまたまた援護キタ。みんなのお家のタンスにあるのね、捨てられないボロボロの下着が。
その後、着たおした下着がいかに気持ちええか、これじゃないとダメかの白熱トーク。いや私もわかるよ、Tシャツとかインナーならまだ理解するよ。楽ちんで何も妨げないフリーダム感ええのわかるよ。でもあの親父の赤いパンツはもうそのステージを通り越してた。もうなんぼなんでもジエンドやった。「もう!パンツかーちゃんが捨ててんから新しいの買うてやー」と親父が言うので「買うのはかまへん。けど先にあるやつちゃんと整理せえ」とピシャリ。新しいの買っても古いのんしか使わんのやったら意味ないもんね。では最後にこの日の靴下をご紹介して今日のブログを終わりますね。これ、私が嫁やったら捨ててるんちゃうかな?