十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

出会ってしまったふたり。

盆休みが明けてすっかり日常に戻った翌週末に近所の盆踊り大会が開催されました。この2年間はコロナで中止になっていて、今年はやると知った尻からダンサーの私はそわそわ。踊るの久しぶりやしちゃんとできるやろか、いやいや子供のときから踊ってる河内音頭、そうそう忘れるはずがないと、近所の者だけが配られるドリンクチケットを見ながらニヤニヤしていました。もうサイゾーいてないし、とーちゃんと2人で気兼ねなく出ていける初めての盆踊りなので「行く前に軽く引っ掛けよか」となりまして、

 

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会場にほど近い居酒屋で酒and腹ごしらえ。盆踊りは18時半くらいからやってるけど、ちびっ子タイムが大半なので私のようなプロは急いで行かない。「21時前に入るくらいでちょうどええわ」とクーラーのきいた居酒屋で日本酒までたしなみ、トイレも済ませてさあ行こうか。私のステージへ。

 

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この日はうちの会社の女子も何人か来ていてみんな踊る気満々のよう。大人タイムの9時台は江州音頭でだいたい始まってゆるやかに進み、徐々に河内音頭でヒートアップしていくのがよくあるパターン。私は河内音頭しかやらない派ではあるけれど、2年ぶりということでならしを兼ねて江州音頭の輪に入ってみました。私服の少し慣れた風のおねえさまの後につき、踊りを覚えようと何周か回ったところでおねえさまがクルっと私を振り返り、「この前の人な、お師匠さんやで。めちゃくちゃ上手やからこの人について行き」と言いながら輪から外れていくおねえさま。は?と驚きつつも背の高い青い浴衣の男性について踊ると確かにまったく違う。一切乱れのない動き、指先まで張り詰めた美しさ、針金でも入ってんちゃうかと思うほどの背筋の伸び。ほう、確かに師匠や。好きでもなかった江州音頭が、師匠の真似をしてみるともっと上手くなりたい、近づきたい気持ちになっていく。踊るということはこういうことかと目が醒める。私はいったい何をしてきたのか。(え?

 

その後河内音頭に変わり、静かなバージョンから激しいバージョン(知らない人はググってみて)へと踊りは続く。離れるもんかとぴったり師匠について河内音頭も踊ったけど、激しいバージョンに変わった途端師匠は輪の一番内側に移動され、さらに激しく踊られているようなので私はいつもの我流で踊り続けた。周りを見るとヤングが多く、男の子たちもいちびりながら楽しそうにやっている。そうやんな、今のコって授業でダンスやったり、TikTokで自ら動画あげたりするくらいやもん、恥ずかしさはあんまないわな。とか思いながら汗だくで河内音頭をやり尽くし、終わりとともにとーちゃんの待つ席に戻りました。すると私たちの前にフリーな状況の師匠が!「とーちゃんあの人!すごいねんめっちゃすごい師匠やねん」というや否やアズスーンアズ師匠のもとに駆け寄り、お声をかけて記念撮影してもらいました。その際「良かったらどうぞ」と師匠からお名刺をいただいたのです。感激〜🧡

 

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翌日の土曜日は雨予報だったので昼から2人でライフに行こうとなり、その前に定食屋さんでお蕎麦のランチに。話題は自然と師匠の話になり「すごかったなあ」「痺れたわ」としみじみしているといただいた名刺のことを思い出した。せやせやと改めて出して見てみると、師匠は踊りの会の会長さんで「河内音頭江州音頭フォークダンス」と書いてある。うん、フォークダンスまで極めておられるのか。まずは名刺に書いてあるホームページに飛んで会の概要を確認。すると親父がある記事に目を止めた。「かーちゃん!ちょっとここ読んでみ!」と言われ、思いっきり文字を拡大して読むと【会員へのお誘いに名刺をお渡しすることがあります。ぜひ入会をご検討ください】的な内容。え、ちょっと待ってよ。私を誘ってくださってたわけ師匠いや会長。それならそうとはっきり言うてよう。場所はどこなわけ?門真かいな遠いがなとやいやい。「かーちゃん、やってみたらええやん」って親父は言うけど、師匠の教えはかなり厳しいはず。50代にして新たな境地に行くのか私。真の河内音頭のプロを目指すのか私。この1枚の名刺から新しい人生が開く予感が芽生えたわけです。チャララーン!

(って入会せんけどな