十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

女4人、秋の豊岡旅。

4ヶ月ぶりの更新です。変わらずあっちこっちへ出張に行き、夜は親父メシと酒を味わい、週末もどこかで飲んでたらもう今年も終わろうとしています。ちょ待てよ。まだこんなに暖かいし感覚的には9月くらいやで。おせちとか年賀状とかクリスマスケーキの受付やめなさいよ。また大掃除にハゲまなあかんやないかい。

 

さて久しぶりの更新は、お母さんと妹のクローバー、アオコ(本名ちゃうで)と4人で女子旅してきた記録です。去年、高知に4人で行って「今年もどこかに行こうよ」となり、兵庫県の北にある豊岡に決定。ここにした理由は、今春にとーちゃんと2人で豊岡に行ったときに地元のケイさんに案内されたシルク温泉(旅館やまびこ併設)に行ってみたかったから。とにかく地元の人が通う有名な温泉でアオコのアトピーにも良いかもと思ったわけです。なーんにもない山里にぽつんとある温泉宿なのもまたいい。多分長くなるけどまとめます。

 

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行きは直接豊岡に向かわず、姫路に立ち寄りました。ここに私は幼稚園の一年だけ過ごして、まだ赤ちゃんのクローバーとお父さん、お母さんとの4人暮らし。周りは田んぼしかない田舎で、断片的な記憶がわずかにあります。昔の住所を頼りに到着したら、当たり前やけど記憶とまったく違ってお家が立ち並ぶ住宅地。50年やもんなあ。仕方ないわなあ。でも前の道ってこんなに狭かったっけ?もっと広くなかった?とか思いながら、クルマを置いておく場所もないのですぐに立ち去りました。お母さんとここに来たかったので願いがかなって良かった。

 

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播但道に戻ってぐーんと北に向かいます。うちの母KZ子は地図マニアで、この旅にも自前のマップル(本やで)を持参して高速のどこのSAに入るか、どこで降りるのが賢明かを考えている。Googleマップも使える80代やけど地図は紙がいいらしい。トイレ休憩にと選んだのが「フレッシュ朝来」というSAでこれがまた良かった。腹ペコやのについ買い物に夢中になってしもたよ。

 

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農産コーナーがあって、今は里芋やきのこ類が豊富。目の色変えて品定めしつつ「まだ初日、まだ買うたらあかん」と自制するも見たらお母さん里芋買うてるし。いきますか?もう買うんすか?明日はJAのたじまんまへ行くんやで?こっち本番やで?と思いつつ、自制した私は赤唐辛子と浅漬けの塩だけ買いました。よう我慢した!

 

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北にぐんぐん上がって豊岡に到着し、待ちに待ったランチの出石そばへ。めちゃくちゃお店がある中で、地元のケイさんに教えてもらった茂平衞さんに伺いました。佇まいもこの通り素晴らしく、お蕎麦は細くて軽いけどコシがしっかり。美味い。今まで食べた出石そばの中で一番好きかもしれん。1人3皿追加して、但馬で有名な生卵を合わせて味変したのも良かった。玉子の味濃いねんなあ。ちなみに私はおねいちゃんなのでドライバー継続のため酒を我慢してノンアルに留めました。カシコ!

 

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宿に向かう前に立ち寄ったのが安国寺。この時期は床に映り込む絵画のようなドウダンツツジが有名だとケイさんに教えてもらい行ってみました。小さなお寺なんやけどスタッフが万全で次から次へと案内してくれる。順番を待って本堂に上がると、皆カメラやスマホで撮影会。本気がすごくて

 

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左のおっちゃん寝転んでるし。意気込みが違うな。負けた。ここで2人組の女性に「写真撮りましょうか」と声をかけてもらい、親子4人の素敵な写真を撮ってもらいました。ありがとうやでおねえちゃん。「お母さんの最高の遺影ができたな」とウヒョウヒョする三姉妹。

 

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シルク温泉やまびこに到着してまずはプシュ。部屋は簡素やけど広く、温泉を楽しむだけに特化した大人の宿の雰囲気です。お風呂は広めの露天風呂もあって風に当たりながらゆったり入れたな。美肌の湯として有名で匂いはなくとろりとしたお湯が心地いい。「お母さんが夏目雅子になってまうわー」とやいやいしつつ、次のお楽しみの晩ごはんへ。

 

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テーブル席が並ぶ広間で次から次へと運ばれるお料理に感嘆。蟹になびくことなく刺身や肉のコースをゆっくり味わいました。最後に出てきたこの新米がとびきり美味しかったな(米かよ)。

 

部屋に戻って片隅に寄せられたテーブルで持ち込んだワインなんかを飲みながら、音楽番組の動画を流して取り止めのない会話を続ける三姉妹。お母さんはそそくさと布団に入って私たちのくだらん話を聞いているのかいないのか。深夜まで話し込んで就寝し、目が覚めたのは6時頃。お母さんとアオコが温泉に向かい、私は布団でうとうとしていたら「無いわー。どこいったんやろ」とクローバーがゴソゴソしている。「どないしたん?」と聞くと「ブラジャーが無いねん」と言う。クローバーはBIGサイズなのでブラジャーといってもフリフリしたやつでなくてハーフトップの布みたいなやつ。「あんた昨晩ここで外しとったがな」「そやねん」「今散らかってるから片付けたら出てくるやろ。大丈夫や」と言ってたらお母さんが風呂から帰ってきた。「クローバーのブラジャー、浴衣の帯と間違えて持っていってしもた」やて。ズコー!and大笑い。間違えるか、帯と。せやからちょっと前屈みで前に荷物抱えて帰ってきたんやね、お母さん笑

 

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朝ごはんの主役は玉子。この近くに有名な卵かけご飯のお店があって、結構早くから並んでるらしい。もちろん私たちもTKGにしてぷるんとした新鮮な味わいを楽しみました。身体の中から外からきれいになるわ⭐︎

 

チェックアウトして向かったのはこの旅の本番、JAが運営するたじまんま。いわば地元の食材が集まる道の駅みたいなスーパーです。ここで待ち合わせたのが地元に住む友人のO崎(本名ちゃうで)。ところがこの日、アオコがお腹を壊して宿を出てすぐにヤバくなってくる状況で、アオコひとりたじまんまをひときわ遠く感じている(実際は20分ほど)。たじまんまに行ったことのある私はトイレの位置がだいたいわかるので「ねーちゃんに任しとき!前に着けたる!」と広い駐車場をぐーんと突き抜けて奥の駐車スペースへイン。「行け!アオコ!そこや!」というや否やアズスーンアズ走り出すアオコ。難儀やなほんま。

 

クルマを降りてO崎と合流し、アオコがかくかくしかじかで可哀想なんよとか話しつつ店の中に入ったら、

 

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お母さんとクローバー、すでにスタンバイOKで買う気がみなぎっている。行く気やな。本気やな。さあ私も行くでー。

「朝イチに来な商品なくなるねん」とO崎が言うようにすごい人。しかし野菜がいいなあ楽しいなあ。目移りするわ。平茸もニラも大阪のとは(いやライフのとは)全然違うし、高まる高まる。特に私を飛び上がらせたのが芹。こんなやつ見たことない!と3束買いました。全部で6000円くらい使ったけど1ミリの後悔もなし。お母さんなんか正月用の蒟蒻まで買うてたし。

アオコのクルマはチンクエチェントという小型のクルマで、トランクはたじまんまで買ったものでぱんぱんのぱん。後部座席に荷物を移してなんとか収めました。

 

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O崎と分かれて私たちは玄武洞へ行き、散策して海の駅というお土産物屋へ立ち寄って(まだ買うんか)豊岡駅前へ。お昼に予定していた蕎麦屋の大門さんに向かうものの、なぜか閉まってるし。がびーん。お母さんに食べさせたかったのに残念やーと落ち込んでたら「ほならこっちの鰻屋にしよか」とお母さんの提案で向かいにあった鰻屋さんに入りました。こういうのタナボタって言うのかしら。

 

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帰りはアオコのお腹に合わせてちょいちょいSAに寄るので「もうお土産買うたらアカンて、クルマに入らんて」と抑制しながら大阪に到着。あっという間で濃密な4人旅となりました。

 

いつまでお母さんと一緒に旅行に行けるのか、と思って休みを取ってでも大事なことをしておきたいと決めた今回の旅行。「来年も近場でいいからどこかに行こう」というのが私たちの約束です。しかしあれやな、今度はレンタカーしてでも大きいクルマで行きたいな。みちみちやったからな笑