十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

ロナウジーニョと5億円。

泡盛×泡盛

「あ〜あ、ロナウジーニョが“あなたこそ運命の人だ、今すぐ結婚してくれ”って言うてくれへんかなあ」そうつぶやきながら私はグラスにとくとくと泡盛を注ぐ。「あるわけないやん。あんた、またロナウジーニョ言うてるわけ?こないだまでリリーさんやったやん」「ちゃうやん、リリーさんはおいといてな、まあジーニョはいま日本にいるわけでしょ?私も何やかんやと東京通いしてるやん。そらばったりジーニョと会うてさ、いきなりプロポーズされる可能性もないことはないわけよ」「…あほか、あるわけないやん。例え新幹線で会うたとしてもな」
みなさんご存知のサッカー界の超スーパープレイヤー、ロナウジーニョはもちろんものすごいお金持ち(なはず)。特別サッカーに詳しくない私(かーちゃん)でさえも、単に天才的なテクニックだけでなくジーニョの何となくやさしそうな人柄、その包容力、そして経済力には一目置いている。男前のベッカムよりも、紳士そうなジダンよりも、40を前にしたちょっとわかってきた(?)おばはんにとって、チャーミングでアリなのはまさにジーニョなのよ。
「そやけどな、ジーニョがほんまに私にプロポーズしたとしよ。あんたどうするよ」と私がとーちゃんに尋ねると「どうぞどうぞ。むふふ、4億はいただけるな。サイゾー付けて5億円や!!うはは」「でもあんたな、5億で私らを売って“アナタこんなステキな女性をオカネで売るンデスカ?シンジラレナイ!アナタにはサッカーをアイシテほしくナイネ”とか言われるねんで」と突き返しても「全然平気です〜」ととーちゃんは意地を張る。
私はジーニョと結婚する。ジーニョはとてもやさしい人なので「カーチャンのママたちと一緒にイタイデス」とか言うて私の実家に両親と共に住み、ガンバとかの在阪チームに移籍して私とジーニョはうちの親と一緒に暮らし始める。「オトーサン、焼酎オイシイですね」とかジーニョも気を遣いながら暮らし、夏になれば一緒に高知に行き、四万十川で一緒に泳ぐ。もしかしたら友達のベッカム一家達も四万十に集合するかもしれない。へへ〜これはオモロイな〜。
なんてことをとーちゃんに話たら「ふーん、ボクは5億円でものすごいマンションに住んでめっちゃ大きい液晶テレビ4台くらい置いて、めっちゃええ感じで住んでるねんもーん」と言う。「せやな、でもあんたサイゾーもおらんし、一人ぼっちやで」と言うと「ふ、ふ〜ん!!」と知らんぷりするとーちゃん。
まあ、どう考えてもロナウジーニョが私と結婚するわけもなく、どうでもいい妄想話なのだが、考えるだけで楽しく、またそんな話でぷ〜んとなってるとーちゃんもオモロイ。で、ジーニョさん、いっぺん私と結婚してみる?