十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

ニューヨーク公共図書館のように。

少し前にひょんなことからフレデリックワイズマンというドキュメンタリーの映画監督の存在を知った。何も盛らずにありのままの姿を伝えるドキュメンタリーは、ファクト、事実を紡いで語り過ぎずに物事の価値を感じてもらうように伝えるコピーライティングのスタイルとよく似ていると思っていて、思わずTwitterアカウントをフォローした。すると最近ニューヨーク公共図書館を舞台にした作品が日本で公開されていることを知り、私はサイトで大阪の公開日程を調べた。

 


もぐもぐと会社でお昼ごはんを食べながら上映時間が3時間もあること、休憩を挟むことを知り、ほほうと思いながら予告を眺める。音声を消しているので正しいかどうかはわからないが、映像はその歴史ある美しい図書館の佇まいを見せつけ、コンサートの演奏会や赤ちゃんを連れたお母さんのワークショップのような風景など、この図書館が私の描くただの図書館ではないことを理解させる。そしてスタッフたちのミーティングシーンや作業風景。あらゆる人がこの図書館のために知恵と労働を惜しまず誇りに感じながら働いていることを感じさせる。短い予告ながら、なるほど、世界にはこんな場所があるのかと映画を観に行きたい気持ちを掻き立てた。

 


予告編を見た後にぼんやりと考えた。この図書館が「人」であったらどうだろう。長い時間を経てこの町になくてはならない存在であり続けている現役感、シャンデリアがまるで老女にこそ似合うジュエリーに見える経年変化の美しさ、長年にわたって出来た綻びを受け入れる潔さ、そしてどんな人も許容する包容力、誰からも愛される親しみやすさ、あふれる知性。ああ、いつかこんな人になりたいと思った。図書館に対して。

 


多くの人に愛されているからきちんとメンテナンスされているのだろうし、雨風もハリケーンもくぐり抜けてきた強さだって備えているのだろう。なんてかっこいい。思わず自分の未来に重ね合わせてみた。シワや白髪があるからこその年輪のある美しさがいい。それでもファッションを楽しめてやりたいことができる自由な身体でいたい。いろいろな人と語り合える枯れないユーモアと知性を持っていたい。家族や仲間に愛され、しっかりと関係をもっているそんなおばあちゃんに私はなりたい。ニューヨーク公共図書館のようなおばあちゃんに。

 


これは私の目標であり希望である。どう生きるかの指針である。時間が取れるか自信はないけれど、この映画を出来るだけ映画館で鑑賞して、この想いが間違っていないか確認したいと思っている。

 

 

f:id:chikuwansai:20190523184745j:image

ヘビィな出張。

今月に入って出張が続いています。今日は名古屋から岐阜に入る日帰りコースでまだ楽ちんですが、水木曜日は東京に泊まり。先週なんて月曜朝から仙台、その日のうちに神奈川に入って宿泊(いけるもんやな)、火曜日は朝から神奈川で仕事して午後から幕張に移動して仕事、水曜木曜は幕張で仕事と3泊4日の長旅でした。どこで何枚パンツいるか、いかに荷物を減らせるかに頭を悩ませてなんとかクリア。暑さ寒さを考えた着るもの(実際仙台はとても寒かった)も難しいよね。今回の長い出張でわかったことは「パソコン持ち歩いたらどないしても重い」でした。もう出来るだけ持って行きたくなーい。

 

f:id:chikuwansai:20190520175938j:image
f:id:chikuwansai:20190520175942j:image
f:id:chikuwansai:20190520175946j:image

 

 


そんなヘビィな出張ですが、お楽しみのタネもきちんと撒いておきました。それは月曜日の神奈川ナイトに高校時代からの友人ペッスともっさんが川崎まで来てくれて晩ごはんを一緒にしたの。お店はカジュアルなイタリアンやったけど、まあ大阪弁炸裂するよね。相変わらず韓国トークが止まらないよね。久しぶりに会ってるというのに「この話で引っ張ってええんか」と思うほど割に長い間今ホットな韓国ネタをピーチクパーチク。まあBBAてこんなもん。隣のカポーがやたらに話さず静かやったのは私らのマシンガントークに耳を大きくしていたんだろうと帰り道すがら話しておりました。

 

 

f:id:chikuwansai:20190520175739j:image

f:id:chikuwansai:20190520175736j:image


あとのお楽しみと言えばやっぱりランチ。今回は仙台で牛タン定食を、さっき名古屋でとり天定食をいただき満足でした。牛タンを本場仙台でいただくのはわたし初めてで「このとろろはサービスです」と三回くらい聞かされたけど、麦飯、とろろ、テールスープが揃ってほんまもんらしいね。テールスープもうんまかった!いつか夜の仙台も過ごしてみたいものです。

 

f:id:chikuwansai:20190520175800j:image


あと幕張では夜に出かけることもなく、ホテルにこもって重たいパソコンを使わなソンと仕事してました。幕張には荷物を送っててんけど、この荷物に短パンとTシャツを入れておいたの大正解。仕事の服は早く脱ぎたい、けど風呂にはまだ入らない、そんなときにリラックスできる服装があるだけで気分がまったく違う。これは独自の出張テクとして今後もやっていきたいと思います。あなたもぜひどうぞ。

 

f:id:chikuwansai:20190520175851j:image


明日は会社に出て細々としたことを一気にさばき、水木は泊まり出張、金曜日に出社したら今週もおしまい。土曜日はとーちゃんが女子たちとハイキングに行くので、わたしはサイゾーとゆっくりほげほげしながらたまった疲れを癒しまーす。

”みほ前”か“みほ後”か。

その“みほ”とは何者なのかを説明する前にもうひとつのこの旅のルールをお話ししておきます。今回は「知力」「体力」「時の運」を試して総合優勝を決めるという試みを用意していました。「知力」はとーちゃんが出す知的(?)な問題で正解者に点数を付与し、「体力」はもちろんパットパットゴルフの順位で点数化。そして「時の運」は、みんながこの旅で見たもの触れたものなどから一人一問出題して正解者に点数を与え、総合優勝が決まるという仕組みです。私は旅の前から、時の運出題を私たちについてくださる中居さんの名前で出そうと決めていました。そう、私たちの部屋三組をまとめて担当してくれたのが他でもない“みほ”さん。60歳前後でしょうか、少しふくよかな印象のみほさんは、チェックイン後の私たちに部屋を案内し、お茶をいれ、館内の簡単な説明をしてくれました。よくある旅館の流れです。このとき酒を買いに行きたい私たちはさっそくみほさんに近くのコンビニの場所を確認。すると「ここを出て右に曲がって国道があってその国道のなんちゃらかんちゃら✖️✖️✖️したらローソンがあります」と土地勘のない私たちには要領を得ない説明ながらローソンがこの辺りにあることは何とかわかった。さらにみほさんは「あともう一軒✖️✖️✖️✖️ほにゃらほにゃら行ったらローソンがあります」と「二軒目もローソンかいっ」とツッコミたくなる説明をしてくれ、ともかくローソンがあることだけは確かなので「世田谷、悪いけどググって」とみほ情報をなにも生かすことなくローソンに向かったのです。

 

f:id:chikuwansai:20190516173914j:image

 

ガロさんと宴会場所の部屋をチェックしに行ったところ、とても広くて最高の環境。「良かった!ええね」と2人で喜んでいたらそこにみほが登場。「そうそうサプライズのケーキなんですけど」「はいご用意しています」「あれを出すタイミングなんですけどやっぱりデザートのときですかね」「まあそのつもりでご用意しています。それで一応お祝いということなので祝い箸に変えさせていただいておりますので」となんならドヤなみほ。おいおいちょっと待てい。なにその余計なはからい。「あのね、サプライズなんで、祝い箸はいらないです。全員分普通のに変えてもらいますか?」と噛んで含めるように私が言うと「あらそうなの?」みたいな顔して「わかりました」と従うみほ。ヒヤヒヤするわ。

 

f:id:chikuwansai:20190516173958j:image


そしてそのあと聞いてみた。彼女の胸には間違いなく「みほ」と平仮名で書かれたネームプレートが付いている。「みほさんのそのお名前って・・・」と由来を聞き、その答えを1人で聞いた私は心でガッツポーズ。これは時の運クイズに使えるわ。ひひひ

 

 

f:id:chikuwansai:20190516174037j:image


19時前になって私たち女子が宴会場先にに入り、適当に席に着いたところ、アオコとヨーコたちがありえないものを発見。もしかしたら第一発見者はケイさんだったかもしれない。「これなんやろ?」と言うてるので見たら、プレゼントらしき細長い箱がひとつ。おそらく宿からの心温まるささやかなケイさんへのプレゼントなのでしょうよ。間違いないでしょうよ。瞬間ヒヤっとする私たち、そこで機転を利かせたアオコが「何かの間違いでしょうね。返してきますね」とササッと席を立つ。みほめ。何さらしてくれてんや。祝い箸のあたりでそれ気づいとかなあかんやつやろ。ケーキの入場タイミングがますます不安になっていく。

 

f:id:chikuwansai:20190516174114j:image


そして宴会がスタート。上手くできるかというドキドキに加えてみほへの不安を抱えながら宴は楽しく過ぎていきます。時の運クイズをみんなが出す時間になり、私からいよいよ出題に。「私たちを担当してくださっているここにいらっしゃるみほさん(みほペコリ)、このお名前は苗字がみほでしょうか、名前がみほでしょうか、それとも源氏名でみほでしょうか!三択でどうぞ!」とシンキングした後解答発表。なんと答えは「源氏名」でした!なぜ源氏名でみほなのか?ここで働く人はみな源氏名ルールなのかを知りたくて聞いてみたところ、「ええ、私のこの名前は本名とまったく関係ないんですけど、みんなはまあそれぞれね、ほんとの名前を付けている人もいますしそうでない人もいてまあ私のみほはほにゃららほにゃほにゃ✖️✖️✖️」とやっぱり要領を得ない。もうこのあたりでわかっててんけどな、聞いてもよくわからんってことは。

 

f:id:chikuwansai:20190516174151j:image


心配していたケーキのタイミングについては何とか成功して、翌朝のチェックアウトに時間を進めます。支払いをしている間もロビーに佇み、私たちを見守り続けるみほ。会計が終わったらみんなで記念写真を撮りましょうと勧めるみほ。令和の額縁を半ば強制的にそうちゃんに持たせてスマホで撮影してくれるみほ。クルマに乗り込み、出るそのときまで手を振り深々と頭を下げて見送ってくれたみほ。どの瞬間もあらゆるみほが刻み込まれてしまったのです。

 

f:id:chikuwansai:20190516174241j:image


金沢の居酒屋「黒百合」でビールの後に日本酒や焼酎を飲みながら、あまりにもキビキビと無駄のないスタッフの動きとサービス精神に目を奪われる私たち5人。「だからさ、みほを経験した私たちには相当良く見えてしまうのよ」「そりゃ確かにそうや」「大事なのは今の私たちが“みほ後“ってことなのよ」「せやな。みほ前のわたしらやったらここまで感じひんかったかもしれんな」「だけどねーさん、ヨーコはね、次にまたあの宿に行くことになってもみほさんでいいと思うの。なんなら指名する」「あえてのみほチョイス?」「だってこんなに楽しませてもらったじゃない。ネタになったじゃない」と一同ゲラゲラ。思い返すとケーキ出すタイミングの確認もまったく要領を得なくて「わかりました。じゃあデザートが出たらここに、そうここにね、ケーキを置いといてくださいね。私が取りに来ますからね」と何度念押ししたことか。それでもみほ指名しますか。まあそれもおもしろいよね。またあの宿に行くことがあるかどうかはわからんけど、もしそのときがきたら、おっとりで気働きが空回りしまくるみほさんにお願いしましょう。お世話になりましたみほさん。


最後に、たまたまbookingから宿の評価のメールが来てたのでこうしました。リアルぅ!

 

f:id:chikuwansai:20190516174302p:image

 

 

東西合同春旅行!

10連休が終わった次の週末に一泊二日の旅行に行ってきました。以前長野や高知で一緒に遊んだ東京のガロ&ヨーコ夫妻と世田谷氏、そして関西からは靴下くたりーのご家族(奥さんと小4男子のそうちゃん)、妹アオコ、おねいさまのケイさんと私という合計9名が福井の芦原温泉に集合するというプランです。ケイさんは長野でワインバーを経営されている、みんなで最高の時間を過ごさせてもらったララララララランドツアーのときの方ね。今回のこの旅は私が東京でみんなと飲んでたときに「どこか温泉にでも行きたいね」「ケイさんが普段お住まいの近くの城崎温泉方面でもよくない?」「あのさ、福井県芝政ワールドってとこにパットパットゴルフがあってそこのイングランドコースが最高で、気持ちいいしおもしろいねん」「何それパットパットゴルフって?」と盛り上がり、「じゃあそのパットパットに行こう!」と決定したのは何ヶ月前やったかな?ともかく東京のこの3人が行くことが決まり、くたりーに声をかけ、ケイさんにも「どうですか?」と聞いてみたら「法事があるかもしれないからそれと被らなければ行きたい」となり、日程と宿を決め、夢のような企画のこの旅がどんどん現実味を帯びていきました。

 

 

f:id:chikuwansai:20190511142242j:plain

 

芦原温泉駅に東京3人、くたりー一家以外の関西組が集まり、まずは駅前で食事をしてその後日本海沿いにある水族館へ。ここはまあローカルな小さな水族館なんやけど、それはそれでおだやかで落ち着く雰囲気。入るなり「生きてる?」と思うようなぷかぷか漂うマンボウからはじまり、その次に死んでるようにあおむけになったナガコバンというコバンザメの一種(安心してください、元気ですの表示付き)におののき、しょっぱなからひと味ちがう水族館の世界観に惹き込まれていきました。さらに観ていくと普段私たちが食としていただいているお魚が何かを諦めたように泳いでいて「これは煮付けにすると上手いんですよね」「これはまだ食べるには早いな」「この子は蒲鉾になる子やね」などとケイさん&世田谷の大人グルメトークを耳にしながら、これまたひと味ちがう観賞に。イルカショーでは事前に「繁殖期なので少しイルカが乱れるかもしれません」とスタッフから聞いてたこともあって「乱れるイルカ」に目をらんらんとさせながら食いついて観てました。いけないね。

 

 

f:id:chikuwansai:20190511170655j:plain

 

隅々まで水族館を楽しんだ後、くたりーがクルマで迎えに来てくれてみんなで宿に入ってチェックイン。さあ、私たちはこれから慎重にしなければいけないことがあります。それは事前にケイさんとやりとりしていたときに「この旅行あたりがケイさんの誕生日」と悟ったわたし、みんなに連絡してプレゼントをどうするかを相談していました。なんでも経験されているし、ブランドものだって持ってはるだろうし、モノじゃないよな、となりバースデーソングを作ってみんなで歌うというサプライズにすることに決定。歌詞をとーちゃんが作って「ゴスペル調でお願い」とガロさんにメロディを預け、完成したのがこちらです。まあ聞いてみて。

 

https://www.youtube.com/watch?v=914kJLtWAVE&feature=youtu.be

 

この歌詞に書いてあることはケイさんと過ごしたわずかの時間から見つけた事実で、単純だけど愛のある仕上がりになったと自負しております。私たちの計画では夕食のデザートが出る頃に私とガロ、そうちゃんが一旦下がって宿に頼んでいたケーキを持って入りながら歌をはじめるというプラン。それぞれにパートが振り分けられているので、各自練習してきているもののみんなで合わせたことはこの日まで一度もない。なのでケイさんの目を盗んでこっそり集まってリハーサルをして本番を迎えました。アオコは「歌い終わるまで酔われへん」と緊張しきり。

 

 

f:id:chikuwansai:20190511205613j:plain

 

 

ドキドキを隠した宴会は、聡明なそうちゃんが自らクイズを出してくれて場が盛り上がり、デザートが出てくるころにはすっかりくだけた雰囲気になって無事予定通りに運んでドッキリ成功!ちゃっちゃらー!となりました。ケイさん本人はほんとうに驚いてくださったようで、私たちの練習の成果(1回しか全員で合わせてないけどな)が生かされました。その後部屋に戻ってみんなで酒盛りになったことは言わずもがなで、緊張から解放された私たちのハートは「安心してください、元気です」のナガコバンのようにあおむけになって放心しておりました。

 

 

f:id:chikuwansai:20190512110822j:plain



 

 

翌日は午前中にこの旅の目的であるパットパットゴルフ@芝政ワールドイングランドコースです。パターで回る18ホールのパットパットゴルフ、ここはとっても眺めがよくて私たち家族がよく来ていた場所です。混んでたらいややなと10時の開園に合わせて行ったところガラッガラ。そうか世の中10連休にみんなここに来てたんや。そやからこの週は空いてるんや。と納得オールOKラッキーバンザイな気持ちでみんなでレッツゴルフ。天気が良くて、日本海から吹く風が気持ちよくて、後ろから急かされることもなく、今までにないほど最高の状況でゆったり楽しみました。ほんと気持ちよかったなー。おもしろかったなー。思ったように入らへんのなー。自分との戦いなんよなー。

 

 

f:id:chikuwansai:20190512143631j:plain

 

 

パットパットゴルフを終えて(え?順位?くたりーが1位でしたよ。それがナニ)、くたりーとケイさんのクルマで芦原温泉駅まで送ってもらい、クルマチームとはここで解散。ガロ、ヨーコ、世田谷、アオコ、私の5人は電車に乗って金沢へ向かいます。金沢でお土産を買うことと、駅の中にある居酒屋「黒百合」が最高ととーちゃんに聞いていたのでここで飲んで食べて夕方の電車の時間まで過ごそうという計画。みんなお腹ペコペコ。さあ飲んで食べるで〜!

 

 

f:id:chikuwansai:20190512150141j:plain

 

f:id:chikuwansai:20190512144158j:plain

f:id:chikuwansai:20190512144718j:plain

 

おでんがおいしい。刺身もおいしい。地元の豆腐もたまらない。がっつくようにみんなで食べていてふと気づいた。ここの店、スタッフの動きがものすごくテキパキしていて無駄がなく気持ちいい。空いた皿を下げるタイミングも、空いたグラスに気づいて注文に来てくれるタイミングも素晴らしい。「これはさ、あたしらが“みほ前かみほ後”かで感度が違ってるから余計魅力がわかるんや」と言いながらみんな納得。この“みほ”についての説明は長くなるので次回にしましょう。この旅を語るに外せない第二の主役、“みほ”がもうこの頃からぷかぷか浮かぶマンボウのように私たちのハートから離れなくなっていたのです。

令和のはじまりに。

大変ご無沙汰している間に10日間ものゴールデンウィークを迎え、元号が変わりました。時代の大晦日のように昨夜から今日にかけて賑わっていたようですね。節目として大切なことと受け止めながら、昨日から今日、明日へつながっていくいつもと同じ時間の流れだとも感じています。私にとっての平成はおよそ20歳から50歳という人生の中盤を占めた30年。娘時代の楽しい家族の時間から結婚、仕事仕事仕事という変遷でした。この間にお父さんをはじめ近親者がたくさん亡くなり、うちの会社も仕事の中身も小さな変化を繰り返して今に至ってます。うちの会社はこの春に人の異動がいろいろあって、新陳代謝のように生まれ変わった感じになりました。若い子の割合が増えて、私がやるべき役割も明確になってきた。与える影響の大きさを肝に銘じて接していかなあきません。

 

f:id:chikuwansai:20190501102410j:image

 

さてゴールデンウィーク。10日間と書きましたが、実は初日から新潟出張で仕事でした。それからは飲みに行ったり親戚の家にお母さんと行ったりして今日で4日目。残りの休みは家の掃除、靱公園ピクニック、ヘアサロンなどなど小さいことをしながら合間に家で仕事します。毎度のことながらひとっつもゴールデンじゃないけどええねん。実は休みが開けたら怒涛の出張が控えてまして、7日は始発の新幹線で東京、翌日は広島、その翌週は仙台から千葉へと続く3泊4日の出張と目白押し。えらい人気もんやでしかし。出張中にややこしいことが起こらないように万全を期しておかなあかんし、11日からは一泊二日でプライベートな旅行も控えてるからね。いろんな意味で今はやっとかなあかんときやと受け止めています。

 

f:id:chikuwansai:20190501103951j:image

 

そういうわけで、今日の大阪は雨なので今から即位の番組を眺めつつ掃除します。明日はヘアサロンやねんけどチリチリにするかゆるふわにするか悩み中。BBAの髪型ってほんま難しいわ。けど攻めたいわ。もうすぐ17歳になるサイゾーは先日の健康診断でどこも問題ないと言われたし、とーちゃんは1ヵ月100キロのスロージョグに励んでいて腹が割れてきたと喜んでるし(それは単にシワではないかと私は疑ってるけど)、令和の時代もこんな当たり前がずっと続くようにと願います。ブログもちゃんと書くようにしまーす。

あ、そうそう。ひとつ宣伝させてもらいます。自転車のあるライフスタイルをテーマにしたお話です。いろんな人が人生のペダルをこいでいます。

 

https://www.ove-web.com/sanso/story/story01.html

 

甥っ子姪っ子への手紙3。

3年目の手紙です。王子はこの春から高3、姫は中3にそれぞれ進級ですね。それぞれ受験でしょ?今は推薦やら楽な道もあるのかもしれんけど、自分が学ぶ場所を決めることはとても大事なことなのできちんとしっかり考えて選ぶんやで。と、家庭生活学科を選んだねーねーが言うことちゃうな。失礼。

 

ねーねーはコピーライターとして、よく大学のお仕事もしています。関西のまあまあ名前の通った大学の仕事にいろいろ関わってきました。自分の子どもくらいの年齢の学生にインタビューすることも結構あります。まあこういうインタビューに推薦される学生はそれなりに優秀な人たちなんやけど、エピソード話を聞くと大抵が「たまたま」と言う。「たまたま、先輩に誘われた」「たまたま、受けた授業で知った」「たまたま、ゼミの先生がこういう活動をされていて」などなど。ほう、人生はこんなにたまたまで動き出すのか。

 

この「たまたま」はとても重要なキーワードだとねーねーは思う。それはみんなに平等に与えられたチャンスであると思う。そこに転がっている「たまたま」を受け手側がキャッチできないとそこから何も動き出さない。あなたたちは無数に転がるこのチャンスに心を動かせ、やってみようと思えるのかしら。ボケーっとしてたらそれこそ玉のようにスーっと転がって向こうの誰かのところに行ってしまうんやで。この転がってきた玉を拾い上げ、自分で磨き上げる行為によって経験値が上がる。気づけることが増える。それを繰り返していくと、卒業後に社会で何をしたいのか、何で稼ぎたいのか、何を自分の強みにできるのかがくっきり見えてきます。都度都度いろんな玉を拾って失敗したり後悔したりたまに成功したりできるのが、大学生活であり、もちろん高校生活でもあります。ここにはいろんな「たまたま」が転がっています。

 

これは最近のねーねーがぼんやりと思ってることなんやけど、自分に見えてないものが多いと感じることが増えて(老眼のことやないで)、見えてないものに目を向ける意識、アンテナがまだまだ足らんと思ってます。道を歩いてていろいろ見てるつもりでも、見えてるものって結局自分の興味関心のあるものだけなんよな。無意識にいろんなものを排除している。でも世の中には本当にたくさんの、無限のような世界があって、興味以外の方へも意識を広げて目を向けていかんと自分に変化がないし、何よりもったないないことやとこの年になってようやく感じています。

 

好きなことややりたいことをとことん追求して極めるのももちろん結構。でもそれは、その世界だけしか知らん人間では務まりません。例えば医者なら勉強だけ頑張ってもしゃあない。いろんな専門家が集まるチームで上手く連携できる能力や、あらゆる性格、年代の患者と向き合える人間力も必要になります。成長するってことは子どものうちだけじゃなくて一生のことなので、あなたたちが一生成長できる居場所や役割をもてる人生になるようにとねーねーは願っています。

 

荒ぶる犬。

なかなかサイゾーの目が良くなりません。その理由はっきりしています。ひとつは3時間ごとの目薬を嫌がって噛み付いてくるので差せないこと、あまりに文句を言うのでエリザベスカラーを装着させなくなったこと。そう、治療をちゃんとしてないんやから良くなるわけがありません。わかっているけどこのままじゃあかんと思い、目を開かなくなったサイゾーを連れてこの木曜日に急きょ病院に連れて行きました。頼れるテンダラー先生のもとへ。

 

f:id:chikuwansai:20190302122618j:image

 

「そっかーサイゾーくん目薬は嫌かあ」と言いながら目を開かせて薬をさし、真緑になった眼球を診て「良くなってないなあ」とつぶやく先生。「あのね先生、こいつ病院ではものすごいお利口さんですけど家ではそらもう性格が悪うて噛み付いてきよるんです」と言うと「それは多分薬が染みてかなり痛いんやと思いますね」らしい。「目薬をやめて一旦軟膏に変えましょうか」「軟膏?」「そう、こういう風に目を開いて眼球に付けるんです」「無理無理!できるわけあらへん」「それならまぶたの上からさらっとなぞるだけでもいいです。ほらこうやって」と見せられる。「他の治療法はあるんですか?」と聞くと、「乾燥が一番だめなので、他の治療になると上下のまぶたを縫い付けて目が開かないようにする方法があります」「まぶたを縫い付ける?!」「はい。部分麻酔をして縫うんですけど、針を使うのでやっぱり嫌がって上手く出来ないことが多いです」「でしょうね」「そうなると全身麻酔になりますがサイゾーくんの歳を考えるとどうかなと。サイゾーくんが部分麻酔で出来たらいいんですけどね」ならしい。まぶたを縫い付けて2週間後に開けるという治療法。いろいろあるんやなあ。割と原始的やけど。「ともかく一旦軟膏で1週間様子を見ましょう。出来るだけカラーも着けてください」「はい。ものすごい嫌がりよりますけど頑張ります」「眼科医によるとこすりつけたり掻いたりするのが一番あかんそうです。1週間だけと思ってお願いしますね」と言われて軟膏をもらい帰りました。

 

f:id:chikuwansai:20190302123701j:image

 

軟膏は目薬と違って寝ている間にでもサッと塗れば染みていくらしく比較的ラク。このカラーもご飯と夜に寝るとき以外はできるだけ装着してますがまあ荒ぶる荒ぶる。面白いくらいやさぐれてがつんがつんぶつかりながら怒ってますが放置。しゃあないやろ、1週間我慢せい。とーちゃんによると「こいつワンっていうてトイレ行きたいそぶりするからカラー外したったら、そのままくるっと向き変えてトイレ行かずに逃げていきよってん」てなこともあってらしい。ほんまそういうことだけ知恵の働く悪い犬やで。ともかくお互い辛抱の1週間、苦労が報われて治ってくれることを願うばかりです。