金曜日の夜である。仕事を終えて急いで帰り、サイゾーの身体をベランダで拭き拭きしていると酔っぱらいの親父がご帰還。「うぃー、かーちゃんご飯はちょっとだけでええで〜」とだいぶご機嫌さんな様子。自分の食べたいものだけ作って食卓を囲むが、かなり飲んできているのか親父の思考はふらふらしている。「あ、もう、眠たい」とだけ言い残し、バタンと曙に身体を預ける親父。ふん、ほっとこ。いいもんね、私は泡盛でも飲みながら、読書でもしましょう。
うちの後輩くんから「去年読んだ本の中で、一番感動した本です」と勧められたのがこれ。タイトルは「オリガ・モリソヴナの反語法」という。ちらっと見て、まずアカンと思ったのが、ソビエトが舞台という点。このタイトルも然りだが、登場人物の名前が長い。どう発音したらええかわからん。せやし、外人さんがいっぱい出てくる小説は、顔が浮かばないのでなかなか読み進められへん。「ホンマにおもしろいのん?」と怪訝に聞くと、「かなり、いいです」と後輩くんは言う。よっしゃ、アンタのこと信じようやないかい。と読みはじめたのだが、これまた結構おもしろい。まだ半分も進んでいないが、かなり期待しながら読んでいる。
ふう、そろそろ洗濯物入れておこうと思い、本を閉じて立ち上がって振り向いたらこれ。
おい、お前たち。金曜日の夜やぞ。