十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

「星守る犬」に泣く親父。

さて、一応ダイエットなので、昨夜は「泡盛を2杯までにしよう」というルールになり、もう空っぽでどうしようもない冷蔵庫の中から最後の料理を何とか作り、和気あいあいと晩ご飯。とーちゃんは赤ワインを3杯引っ掛けてきているので、いつものことながら饒舌です。






「そうや、かーちゃん、ボク欲しい本があるねん」欲しい本?買うたらええけど、何の本よ。「ほら前に話したことあるやん。“星守る犬”っていうマンガやねんけどな」あ〜、そんな話してたなあ。でもワシ、その手の泣ける本は別に読まんでいいわ。とーちゃんが読みたいんやったら買ったらええけど。「いや、ボクも別に読みたいわけじゃないねん」・・・・?ほんだら買わんでよろしいがな。








このマンガ、実話に基づいたものらしいねんけど、まずは簡単なストーリーをこちらで立ち読みしてください。→http://webaction.jp/title/104.php

その後、親父はとつとつと(よせばいいのに)このストーリーを話しはじめ、「犬がな〜、“お父さんと一緒に旅行に行くんですか?”いうてもう、けなげなんよ。家族がバラバラになって、仕事をなくして、病気なお父さんと犬一匹がおんぼろ車一台で旅するんやけどなあ」と話しながら、ぐぐっと顔を歪め、ぽろぽろぽろぽろ泣き出す親父。おい止めろ、ワシも泣けてくるやないかい。







サイゾーもなあ、こんな風にボクのこと“お父さん”って思ってるんかと思たらな、もう胸が痛くて痛くて」とさらに涙を止めない親父。最初はこのストーリに涙してしまった私も、次第に涙が逆戻りするかのように急速に引っ込んでいった。だって、サイゾーの話しをしてるのかと思いきや、「ほんでな〜、その犬が“お父さん”言うてな〜、一緒に旅行に行けるいうて喜んでるんよ」とまた同じ話に戻ってる。それ、さっき聞いたし。








ぐっぐっぐっと子どものように泣きはじめた親父を前に、しまいには笑けてきてしまった。サイゾーもかなり困惑顔。ひとしきり泣いているので「とーちゃん、もういいよ、その話はもう止めよう」と話を止めると「あ、そう?」と意外と早く素に戻った親父。「じゃあ寝るわ」と言い、サイゾーを連れてすたこらさっさと寝室に行きました。あ〜面白かった。ええおっさんが一人でびーびー泣いてるねんもん。まあピュアといえばピュアやけどさ。ホント、今年もいろいろありそうです。