十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

男は、ときどき、そうなんよ。

これはブイヤベース。

またしても一週間があっという間に過ぎ、今日はとーちゃんがお友だちと飲み会。いやっほ〜♪てなことで、缶チューハイ泡盛を飲みながら、今日の「ちりとてちん」を見てチラ泣きしぃ、再放送の「きみはペット」見てサイゾーにため息つきぃ、コブコロのドキュメント見ながら「蕾」にジーンとしぃな夜を送っている私。なんて自由で楽しいひととき。今週はずっと家でご飯を作ってとーちゃんと2人で毎日飲んでいたので、そろそろこのリズムに飽きてきていたのもある。いやしかし、月曜日に作ったハンバーグはベリーグーやった!とーちゃんでさえ「これは旨い!」と膝を打っていたほど。うふ。いやいや、そんなことはどうでもええ、今週はとーちゃんの「おねえちゃん疑惑」が発覚したのだ!!
それは火曜日の深夜に遡る。とーちゃんとサイゾーは先に寝室で寝て、私一人で後かたづけをしていた。ゴミを出しておこうと玄関に立つと、「何?この匂い?」と感じるほどぷ〜んと香水のええ匂いが漂っている。くんくんと鼻を利かせると玄関に掛けてあるとーちゃんのコートがその匂いの元だった。「親父、何しくさっとんねん」と思いながらその日は過ぎた。翌日の夜、とーちゃんに「アンタ最近、おねえちゃんの店で飲んでるんか?」と聞くと、ちょっと動揺を見せる親父。「な、何でなん?」「アンタのコート、ものすごい香水の匂いついてるで」「そんなことないよ〜」「ホンマやって、匂ってみ。ちゅーか、あの匂いに気づいてないのがおかしいやろ」とーちゃんは香水や化粧品の強い匂いをものすごく苦手とする。なので、あの匂いに気づかんはずがない。「オ、オカモトさんでついたんかな?」やて、見苦しいウソはよろしい。そんなこんなで匂いの理由は曖昧なままその夜は過ぎた。ま、真剣に突っ込んだって、ケンカになるだけやしね。なんて大人な私。
そんな話をせめて昼ご飯のネタにしようと、うちのボスたち男性2人に話した。すると40歳を過ぎた男2人は「とーちゃん、エライわ」と褒め称える。「だってなお前、考えてみ、とーちゃんももう50歳やろ?なかなかでけへんことやで〜」と感心している様子。「おねーちゃんと遊んでるかもしれへんのですよ?」と私が言うと「うらやましいがな〜」とうなずく2人。「オレらなかなかそんなことできひんし、とーちゃんにどうやったらええんか教えてもらわなイカンな。せや、今度とーちゃんを講師に迎えて“男は、ときどき、そうなんよ”をテーマに伝授してもらおうか〜」とあらぬ方向へ話が進み、盛り上がっていく40代男2人。そんな顛末をさらにとーちゃんに話してやると「え?そうなん?かまへんで〜ボクやるで」と親父もノッている。おい、違うやろ。話の筋がズレとる。そのぷんぷん匂う香水は、いったい誰のんじゃ〜!!!