十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

今宵、近所のバーで。

バーにて。

水曜日の夜のこと。仕事がいつもより遅くなり、9時過ぎに会社を出た。いつものようにサイゾーを入れたリュックを背負い、冷たい風のなかチャリで家路を走る。とーちゃんがオカモトさんで飲んでいるはずなので、迎えにいこうと思い立った。
店の外から覗くと、おるおる、ほろ酔いのとーちゃんが。「とーちゃん、一緒に帰ろうや」と声をかけ、自転車を押しながら歩き出す。「かーちゃん、ちょっと飲んでいくか?」と近所のバーの前でストップ。サイゾーがいるのでちょっとためらったが、幸い店内には誰もお客さんがいなかったので、マスターのご厚意に甘え、ちょっとだけ寄らせてもらうことになった。
とーちゃんがしょっちゅうお世話になっているこのバー、私は入るのが初めてだった。ほどよく落ちた照明、何となく耳に入ってくるくらいのちょうどいい音楽のボリューム、そしてカウンターの前に整然と並ぶ酒瓶の美しさ。「落ち着くなあ」「そうやろ?この酒の充実ぶり見てみ、いろいろあるやろ〜」ととーちゃんまでが誇らしそう。ひとまず喉が渇いていたので、ジントニックを頼み、くいっと飲んでしまう。2杯目はバーボンのロック。初めて見る銘柄だったが、度数が50度近い割に口当たりはマイルドで飲みやすい。「おいしい♪」と言いながら、仕事モードのスイッチを静かに切る。
バーはいい。純粋に酒を楽しめるのがいい。適当に会話を楽しみ、初めての酒にときめき、ゆっくりと流れる時間に任せるだけでいい。バーで飲むのは本当に久しぶりだったので、2杯のお酒で気持ちよく酔いしれた。週の真ん中に、こういう過ごし方はなかなかいいもんや。

<何でやねん!番外編>
また変な夢を見た。会社で仕事をしていると「こんな仕事あるんだけど、やる?」と後ろから声が。振り向くとキムタク。キムタクはうちの社員であり、夢の中では私の夫。「2人でするの?」と私が聞く。それは「2人でやるならうれし〜♪」ではなくて「夫婦で一緒に仕事はしたくない」という気持ちで聞いている。するとキムタクは「ボクが入るのは最初だけ。でもデザインはH(実在の社員)にやってもらうつもりだから」と言う。仕事の内容を書いたコピーを私に手渡し、「今度オリエンがあるから一緒に聞きに行こう。ここはN無線という会社で、とにかく社長がすごい堅物らしい。なかなか難しい人だからね、オリエンに行くときもスーツを着ていかないと追い返されるよ」とキムタクが言う。う〜ん、めんどくさそうな仕事やなあ。あんまりやりたくないなあ。でも夫が言うてるし、ええとこ見せとかんんとなあ………と思っていたら目が覚めた。。。。なぜ夫?なぜ社員?!