十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

未知数な夏やすみ。

すっかりご無沙汰のこのブログ。いやあSNSでいろいろ投稿してるとなかなかまとめて書く気になれんものですね(←言い訳)。私たちは何も変わらず元気にしています飲んでます。トレンドのワクチン接種については、とーちゃんが2回とも完了し私は先日1回目が終わった状況です。「ボクちんのはオシャレなモデルナなんよ」と訳のわからんことを言い出した親父は2回目接種の後に少し発熱して寝返りができないほど腕が痛んだらしい。「ここだけ筋肉痛な感じなんよ」と言うけどまったくその感覚を想像できない。「でもさ、ほら、腫れて腕が太くなってない?いひひ」となぜか喜んでいました。私の2回目のオシャレなモデルナはどんな副反応になるのやら。まあ何が起こってもやり過ごすしかないよね。

 

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さて夏休みは恒例の高知に行ってきました。この状況下を考えてもちろん迷いもありましたが、クルマで行って墓参りと川遊びをするだけの行動なので行かせてもらうことにしました。今回は去年の宿を取れなかったので、いつもの川まで徒歩で行ける場所にあるM旅館を予約。他に選択肢がないのでここ一択なんやけど、1日遅れで高知入りするくたりー一家の分をとーちゃんが追加で電話予約したときも名前と電話番号を伝えたのみで「はいはーい」な感じやったらしい。ゆるい。しかもこのM旅館、Webサイトがなくて町営のサイトにちょこっと情報が載ってるレベルでなにもかもが未知数。このなんでもググればわかる時代によ、アメニティも部屋の様子もタオルの有無さえわかりゃしねえ。「でもな、一件だけ書き込みにご飯が美味しいってあったで」となり、この書き込みを信じて一泊目だけ夜ご飯をお願いすることにしました。チャレンジ!

 

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妹アオコと3人で 早朝に出発して9時ころには墓参りを済ませていつもの河原にタープをたて、川遊びを楽しんで16時にいよいよチェックイン。未知数とはある意味ときめき。「どんなんかなー?」なノーイメージは結構新鮮な気分です。チェックインたって鍵を渡されるわけでなく、早速荷物を部屋に運ぶのみ。「あの、保冷剤を凍らせたいんですけど」と聞くと「2回の廊下に共同の冷蔵庫があるので使ってください」という理想的システム。これで持参した箱ごとのチューハイも冷やし放題で万全。そして気になるお部屋は、

 

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広い。広すぎる。そして清潔、クーラーもきいていて最にして高!廊下も畳で襖で仕切られただけの不思議な部屋の構成ですがノープロブレム。「ええやん!ええやん!」と荷物を片付けたらすっかり古くからの馴染みの気分に。「あとは晩ごはんやな」と、お風呂に入ってそのときを待ちました。

 

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通されたのは1階の小さな和室で、扉を開けると3人分のこのセットが並んでいました。ローストビーフポークソテー、エビフライ、鰻、白あえ、鰹のおつくり(たたきじゃないよ)、そしてお素麺という素晴らしいラインナップ。子どもも大人も大好きセットやん。「いいねえ」と言いながらビールで乾杯し、せっかくなのでとご飯をいただくとまたこの米が美味い。結局とーちゃんは3杯ご飯を食べたほど、書き込み通りの食の進む美味しさでした。

日本酒も飲んでペロリと食べ終え、「まだ7時かー」と時計を見たら、賑やかな声が聞こえてくることに気づいたので宿のお母さんに聞くと「近所の人が飲みにきてるんですよ」と言う。そういやこれはおっさんたちのすんごい笑い声。しばらく考えてお母さんに「あのー。私たちもあっちで飲ませてもらっていいですか?」と勇気をもってお願いしてみるとしばしきょとんとするお母さん。そして確認してくださり、おじさんたちのOKをいただいて、廊下の向こうの小部屋に飲みかけのグラスを持って入りました。

 

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(この写真はイメージです)

部屋にいたのはいっちゃん、大きいしんちゃん、若いしんちゃんの3人のおじさん(若いしんちゃんは40代)。みなこの近くにお住まいで、「365日中360日ここに来ゆう」らしい。うちのおじいちゃんがこの町の出身であること、あそこの○○さんはうちの親戚であること、おばあちゃんは安和の出身であることなどを話すと「そーかいそーかい」と話が弾み、「○○さんとは一緒に仕事しとったきね」と言う大きいしんちゃん。ほんまかいなー!とまた盛り上がり、何度も焼酎をおかわりして大爆笑しながら夜が過ぎていきました。地元の裏話もたくさん聞けてほんとにおもしろかった。で、おじさんたちが飲んでる酒、てっきり地元の栗焼酎かと思いきや「あれはイカン。焼酎は九州の芋よ。芋に限る」らしく、M旅館の息子が何度もおかわりを作ってました。学ぶわ。

 

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翌日の朝にくたりー一家が到着して川遊びをたっぷり楽しみ、夜は須崎の居酒屋へ。その翌日はあいにくの雨なのでくたりー一家は足摺の水族館へ、私とアオコはドライブしながらお土産を買いに行き、念願の淳での玉子サンドを満喫しました。この日の夜は山の上にあるカフェもくもくでのディナーで若いしんちゃんもここに合流(若いしんちゃんとここのマスターはバイク仲間らしい)。とまあ、未知数以上に想像を超えた楽しい旅となりました。

 

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さて、このおじさんたちに教えてもらったことのひとつが「美味い蒟蒻」。「蒟蒻は市川のが一番」と教えてもらったので宿のお母さんに聞くと、M旅館の息子の友人が市川さんらしく私たち用にお土産として用意してくださいました。「作りたてやきね」と渡された蒟蒻はラベル印字のない本物。「これ、どうして食べるといいですか?」と息子に聞くと「薄く切ってお湯にさっと通してわさび醤油で」と教えてもらったので家に帰るなりさっそくやってみた。こういうのがホントの蒟蒻なんやなあとしみじみ。ええそりゃあ、来年もM旅館に決定です。もう未知数じゃないし、知り過ぎてるし、また宿のお母さんや息子さん、おじさんたちに会いたい。宿の晩ごはんも必ず頼むよ。ほんとにM旅館のおかげで中身の濃い、有意義な夏やすみになりました。ありがとうございました!