十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

行かれん、飲まれん。

たった5日の大型とはいえないこの連休、皆さんいかがお過ごしでしょうか。我が家は一駅隣の九条で買い物して(おかあちゃんのお店はもちろん休業)その帰りにゲリゴーに見舞われ、明石家さんまに告られるしかないくらいびしょ濡れになった(ヤングにはわからないかなー?)1日目にはじまり、2日目は大ならぬ中掃除をし、3日目はくたりーが来てくれて一緒に飲んで食べ、4日目は「靱公園でピクニックでもするかー」と言いながら二日酔いでどこにも行く気になれずただ家で飲み食いし、本日最終日を迎えています。どこにも行かれん、行っても飲まれんこの連休、私たち酒飲みにとってはふつふつとやり場のない怒りを感じでおります。

 

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昨日も昼間に家で飲みながら「明日はどこかに行くか」という話になりました。雨やしなあ、と言いながら親父がスマホをポチポチしては「結局どこに行っても飲まれへんのよ」と嘆く。皆さんはおわかりかと思いますが、私たちにとって「出かける」=「酒を飲む」という図式なので、酒を提供しないお店に行く意味は皆無。「誰かが言うてはったんやけどな、『いざかや』から『さけ』を抜いたら『いや』なんよ。酒のない店は嫌なんよ」と親父が鼻息荒くドヤ顔で言う。わかるでその気持ち。寿司を食べようが、イタリアンをいただこうが、そこに酒が無いなんて「はあ?」な現実。「そんな状況で外食したいとは思わんのよ」と親父はぷんぷん。

 

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スマホでポチポチしては「あーここも飲まれへんしなー」「あーここでも飲まれへんしなー」とぶつくさしている親父の目にキラリと輝きが戻った。「かーちゃん!ええこと考えたわ!大阪以外で飲んだらええねん。和歌山や奈良の店やったら飲めるで!」と言う。え、県外で飲むとかあかんやつやろそれ。「そうやなあここから一番近いとなると奈良、それも生駒か学園前あたりやな。ちょっと待ちや」とポチポチして「うーん、学園前に食道園あるで。焼肉どうや。あとは王将とかあるみたいやな」とポチポチ。「とーちゃん、気持ちは痛いほどわかるんやけどな、電車賃払うて王将でビール飲んでうれしいか?わざわざ学園前で焼肉やるってどうよ」と冷にして静な私がストップをかけ、ようやく正気に戻る親父。「‥‥せやなあ」とスマホを置き、「おもんないのう」とまた嘆く。

 

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こんなにやれることも行けるところもないなら、私も休んでるより仕事してる方がマシやと思うようになってきて、たった5日の休みが終わることも寂しいとか思わへんもんね。私たちでもこんなに不自由やねんから、お年寄りや子どものいるご家庭はもっと大変でつまらんのかなとも思う。せっかくの非日常を我慢という正義で閉じ込めても効果が無いなら、いっそやり方を見直してほしいもんや。5月末まで延長やて?ちょっと待ちいな。そらもう親父の限界超えてまうでー。やーめーてー!