十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

親父の仕掛け。

今週、私は53歳の誕生日を迎えました。なんでしょうこの中途半端な年齢。誕生日は平日ですし、このご時世で外食することもままならず、とーちゃんに「せめて晩ごはんにええワイン開けてえなあ」とだけお願いしてました。親父は6本入りの箱で残るオレーノという赤ワインを開けると腹をくくり、「あんたもう、これ箱のまま残ってたら高う売れるのに」と一旦くくった腹を時折ゆるめてはブーブー。「別にオレーノじゃなくてええよ。カーゼコリーニとかほれ」と言うと「あーりーまーせーんーかーらー」となり、

 

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ずっと残ってたリンゴをソースにしたポークソテーでバースデーパーリー。こうして親父メシを味わいながらささやかに誕生日の夜が過ぎました。ありがとうとーちゃん!

 

と、ここで話を終わらせたら長年やってきたワシのブログプライドが廃ってしまうのでその後を続けます。昨日の金曜日のことです。もう誕生日のことなんてすっかりぽっかり忘れていつものように会社から家に帰り(リモート始まってますがワタスはチャリ通なので普段通りに出社してます)「お腹すいたあ。チューハイ出すねー」と調理中の親父に声をかけて先に出来ているおかずをアテにプシュ。ふう極楽極楽、この瞬間のために働いてるぜえと飲んでいたら、すべて完成した料理と共に親父も席につき、録画していたプレバトスペシャルを見ながら親父メシをいただきました。いつも通りチューハイが終わったので「泡盛にしよか」と席を立ち、泡盛を取りに行ったその瞬間、

 

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(写真は後から再現して撮影)

 

なんやこれ?泡盛に腕時計引っ掛けてあるで。「ふふー。ボクからかーちゃんへの誕生日プレゼント。これはG-SHOCK MINIっていうてな、軽くて防水100mやから高知の川でも平気やで。ほれつけてみ」と言う。誰が100m潜るんやと思いつつ着けてみると確かに軽い。文字盤にクセがあるから見慣れるまでちょっとかかるかなという感じ。「ありがとう。でもさ、毎年腕時計いただいてるんすけど」と言うと「ボクはかーちゃんの誕生日には腕時計をプレゼントするって決めてるの!」らしく、これからも腕時計をいただく人生らしいです。

 

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この親父が仕込んだ意外な展開をインスタにアップしたところ、女性のお友だちから「とーちゃん粋な渡し方!」「とーちゃん素敵」と絶賛され、男性陣からは「時計のセンスがいい。さすがとーちゃん」とお褒めいただきました。ありがとうございます。てか褒められてるのとーちゃんやしな。なんか悔しいな。

しかし待てよ、とワタスも考えた。この親父の作戦は、泡盛に引っ掛けてる時計に「私が気づかない」ことを前提にしている。実際私は泡盛を取りに行くまでこの存在に気づかずにプレバトを見ながらウヒョウヒョしていたけれど、親父には勝算があったのだろうか。「なんであそこに引っ掛けようと思たん?」と聞いても「いや別に」とゴニョゴニョしよる。うーん、腑に落ちん。

 

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私がテレビを見てる視界はこんなので今思えば気づきそうなもんやのにはて。え?それより酒の量よって?そこはスルーでひとつよろしく!