十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

もし、モナリザをもらったら…。

初オレーノ

「もしさあ、フランスの大統領から“君のことが気に入った。この本物のモナリザを進呈するよ”って言われたら、実際のところ困るよねえ」ととーちゃんが言う。場所はミナミのカジュアルなイタリアン。とーちゃん、私、そして妹のアオコの3人でワインを飲んでいる。「そうやなあ。家に飾っとけるのはうれしいけど、防犯にお金かかるし、収入にはならへんもんな」とアオコ。「いや、ボクはカラーコピー取って、裏でオークションまわして何十億にするけどな」「えー、それは無理やわ。だってとーちゃんがモナリザ持ってることはマスコミに報道されてるんやで」「そっか〜」「オークションに出したとばれたら、大統領怒るで〜」「でも現金収入がないのはイタイよねえ」。。。「じゃあ、こうしよ。ボクはモナリザを国立の美術館とかに寄付するわ。でな、お金はええと。その代わり、生涯の税金、年金すべてを免除してくれって言う」「とーちゃん、それナイス!それもな、とーちゃん1人だけじゃなくて、10人枠くらい取ってもらってよ」「うんうん、そうしたる」(←もうかなりうれしそう)「で、きっと、またマスコミがとーちゃんとこに来るやん。とーちゃんが選んだ10名は?みたいに報道されるんやで。世の中興味津々や」「そうやなあ」「選ぶとしたら、誰やろうな」
●まず、とーちゃん。
●もちろん、かーちゃん。
●で、まず外されへんのがうちの両親。
●とーちゃんの奈良の親戚ご夫婦もやね。
●やっぱり、未来のことも考えて、妹のクローバー一家4人。
あ、ここでちょうど10人や。
「ちょっと待って〜!!なんで私が入ってへんのよ〜!!」とアオコが真剣に怒っている。。。。。。アオコ、落ち着け、「もし」の話や。