十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

アルマーニはとーちゃん基準。

ありもので。

昔、といってもかなり昔。若かりしとーちゃんが東京は赤坂のホテルにいた。通路を歩くとーちゃん、向こうから歩いてくる白髪をオールバックにした恰幅のいい外人。「かっこいーなー」そのときのとーちゃんはその外人を見て思ったらしい。そしてその外人とすれ違いざま、外人はとーちゃんを振り向いて一言つぶやいた。「オーマイガッ!」(なんて格好いい日本人なんだ)。しかしそのときのとーちゃんはとても忙しかった。話しかけたそうにするその外人の相手をする間もなく、その場を離れた。
その外人の名はジョルジョ・アルマーニ。とーちゃん曰く「それからジョルジョは、ボクをイメージしてスーツを作りはじめたんよ」。だからそれ以降、ジョルジョの作るスーツは、ぴたりととーちゃんのボディに合ったらしい。「基準はボクなんよ」ととーちゃんは言う。肩パットを強調したラインから、身体のラインを生かした細身のデザインに切り替わったと。それはすべてジョルジョの中で、ボクがあるからやととーちゃんは言う。
もう、勝手な作り話しはやめて欲しい。。。。と私があきれ顔で言う。「違うんよ。その後、赤坂のそのホテルのバーで、松崎しげるに会うたんよ。でも暗すぎて、しげるの顔はようわからんかったんよ」。。。。。こいつ、ありそうでなさそうなビミョーな線をついてくると思いません?ホラもいい加減にしなさいっ!!