私の脳みその断面が続く画像を見ながら、「腫瘍や血管の詰まりはどこにも見当たりません。血液検査の結果も問題ないですね」と話す良子。「なので入院を要するようなことはひとまずありません」と続ける良子。。。「で?」と聞き返すあたし。いやいやいやいや、私は頭痛の原因を確かめに来とるんや。そういう病気の可能性が消えたとわかったんはありがたいけど、こんなに痛いんやで。頭抱え込むほど、顔や額を触ってしまうほど痛いんやで。で?この頭痛の原因は?なんなの良子?「……さあ。ちょっとわからないですねえ」はあ?あんたの仕事は腫瘍探して取ることだけか?話にならん。「えーっとですね、歯の治療をしてないところがあるんですが、関係ありますか?」「この画像を見る限り膿は顔の上半分には見当たらないですね」「そうですか。じゃあなんなんでしょうね」「このパンフレットに頭痛の種類が書いてあるので参考にされてみては」「ああそうですか」とこっちもこれ以上聞くの止め止め。考えようとしない人に何を聞いても意味はない。良子、私の身体に一度でも触ったか。痛いところをその指でなぞってみたか。「それは辛いですね」て嘘でも同調したか。私の仕事や生活習慣について関わりを見出そうとしたか。何もしてないやろ。何が総合医療や。ちゃんちゃらおかしいわ!
「脳の病気ではない」ということだけは立派なMRIの機械が教えてくれたので、私は従兄弟がやっている鍼灸院を頼りにすることにしました。マッサージじゃひどくなることもありそうで怖いからね。事情を電話で説明して急きょ土曜の昼に診てもらうことに。私が掌蹠膿疱症であることや仕事の話をしながら背中や首、肩周りを触って診ながら「お前、右半分ガチガチやんけ」と言う。「そうなん?」「ようこんなんでおるな。背中から頭の皮膚までつながって固まってるからここをほぐすことからやってみよか」と頼もしい。まな板の鯉状態で足首から首元まであちこち刺され、みっちり1時間半。終わってすぐはまだ頭痛が残ってたんやけど、2、3日もすれば自分でも忘れてるほど痛みが無くなりました。従兄弟、名医か!
東洋医学だけを信奉するつもりはないけど、なにこの西洋医学の限界。知ろうとしない、工場のラインに乗った仕事のようにキッパリと終わらせていく関係性。ほんと自分の身体は自分で守って、医者も手段もきちんと選ぶ必要性を感じた次第です。ところで良子、ひとつはっきりさせときたいんやけどな、あんたはよしこなんか?りょうこなんか?
え?今さらもうええか?