十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

吐いた犬。

金曜夜の定例ミーティングを終えて席に着き、スマホを開くととーちゃんからLINEが。見ると「サイゾーが吐いた。しんどそう。できたら早く帰って来てやって」とある。は?吐いた?あんなに元気そうやったのに?と思い、急いで電話すると「大量に胃液を吐いてそのまま転んで立てなくなった。いまは寝てるけどぐったりしててしんどそう」と言う。えらいこっちゃ。やばい。すぐに「ごめん、サイゾーがぐったりしてるらしいから病院行ってくる」と駆け出した。自転車を置いてタクシーで家に向かった。虫の息のサイゾーを思い浮かべてドキドキする。

 

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家に帰るとサイゾーはソファの上で寝ていて想像していたほどぐったりもしてない様子。まずはひと安心。とーちゃんに今日の様子を聞いてサイゾーを抱き上げ、またまたタクシーでテンダラー先生の病院へ向かう。するとあいにくテンダラーはお休みらしい。残念すぎるけど仕方ない。代わりの先生が診てくださることになり、診察室に入る。すると現れたのは恰幅がよくて色黒の若い男性の先生。獣医というよりまるでうみんちゅや。今日の出来事をひと通り説明したら「考えられるのは胃腸炎、もしくは膵臓や腎臓などの疾患からの嘔吐、そして誤飲ですね」と冷静に話すうみんちゅ。「誤飲は無いと思います。家に1日いましたし」「では胃腸炎か内臓疾患かですが、このまま様子を見る方法もありますし、内臓疾患かどうかを調べるために血液検査する方法もあります」。年も年やし不安の種は潰しておく方が良いに決まってる。「血液検査してください」と即決した。

 

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1日何も食べてなくて(お昼を食べなかったらしいからこのあたりからしんどかったんやな)、嘔吐で体内水分も少ないので血圧が低くなかなか血がポタポタと落ちてこない。後ろ足と前足からも血を取って検査したところ「リパーゼ」という膵炎の疑いのある数値が500以上を弾き出している。「お母さん、この数値は胃腸炎でも上がる数値です」「はい」「このままではどちらの疑いもあるため、今夜は絶食してください」「はい」「明日はご飯を半量にしていつものフードを与えてください。もし食後にまた吐いたら膵炎の可能性が高くなります」「はあ」「吐かなくても日曜日にもう一度連れてきてもらえますか?再度リパーゼの値を確認します。下がっていれば胃腸炎になります」「わかりました」とそのあと皮下点滴をしてようやく帰宅。帰ってからのサイゾーは点滴が効いたのかワンワンと動き回り「メシくれやー」と元気で「お前は絶食なんだよ」「吐いたら膵炎でソク入院なんだよ」と言うて聞かせるものの言うても聞かん。犬だから。

 

 

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さて土曜日。丸一日なにも食べてないからかなりお腹が空いてるやろうと早めにご飯をあげたものの食べない。食べようとするも食べない。はて。私は外出の用事があるのであとはとーちゃんに託して出たところ、午後になってご飯を食べた!そして吐かなかった!と連絡が!良かった。これで膵炎やないやろう。サイゾーでかした!

 

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日曜日の朝、病院に連れて行きようやくテンダラー先生に診察をしてもらえた。血液検査をしたところリパーゼは80台にダウンしていて膵炎の疑いはきっちり晴れた。無罪潔白!「急性胃腸炎ですね。でもまだ胃が腫れてるなあサイゾーくん」とテンダラーサイゾーのお腹をしっかりと触りながら言う。こういうところが安心なんよなあテンダラー先生。うみんちゅ先生も良かってんけど、あの人一度もサイゾーの身体触ってなかったもんなあ。「3日分胃薬を飲ませたら治ります」と言われ、安堵して病院を出ました。

 

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さてこの犬の急性胃腸炎。なんでこんなんに罹ったのか聞いてみたら「季節の変わり目にはよくありますね。あとはストレスとか?他のワンちゃんと接触してないならそういうことだと思いますよ」やって。お前毎日ぬくぬくした生活で季節の変わり目て。ストレスて。どういうこっちゃいほんま。