十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

あと2ヶ月!

6月ももう半ばを過ぎました。先日ゴールデンウィークにやるはずだった「高知会議」で夏休みの予定が確定し、くたりー一家とうちの妹アオコのいつものメンバーに今年はマコト(おっさんやで)も来てくれることになり賑やかな夏になりそうです。夏の高知のいえば皆さん覚えているでしょうか、去年アオコに高知で「ねーちゃんは太ったらあかん」と言われたことを。強くダイエットを決意したことを。ええ、あれから、体重管理をアプリではじめたりしましたけどね、それももうやってないし、なーんにもしてません。なーんの成果も出てません。今の体重すらわかっていませーん。けけけ。

と笑ってる場合やないなと思いはじめて、先日私はある決断をしました。残された時間はあと2ヶ月。ここからやれることはもうこれしかないとぽてっとした腹をさすりながらとーちゃんに言いました。「あのさ、今脂肪を落とすサプリいろいろあるやん。安くて効果がありそうなやつ調べてくれへん?」と。私の顔をしばらく見つめ、そう来たかと言わんばかりにスマホを手に検索をはじめる親父。「もう金で解決するしかないんや」と私のつぶやきを背中に受けながら「これがええんとちゃうか?」と早速アンサー。画面を見ると「えー、こんなん聞いたことないでー。商品名もナメてるし大丈夫かー?」というサプリ。「なんや評価も高いで」と言うので「まあいろいろ調べてみてよ」とお願いして仕事に出ました。

 

帰ってから親父の検索結果を改めて確認したところ、最初に見つけてくれたサプリが安くてまあまあ評価が高いことがわかったので「コレにしよ!」と決定。ナメてる名前やけど信じよう。信じるしかない。頼むで。

 

 

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そう、シボヘール。脂肪が減りますシボヘール。安直すぎるし聞いたことないけど皮下脂肪を落としてくれるらしい。まずは3ヶ月毎日4粒飲むだけなので、ズボラな私にでもできる。3ヶ月分で3500円はかなり良心的。こんなん高いからって効くわけでもなかろうよ。飲みはじめて半月ほど経ちましたが、まだ効果の程はわかりません。ま、体重計ってないしね。

 

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そしてこれはキックボクシングの教室に通いたいと思い立って親父に送ったLINE。失礼な扱いやでしかし。私が行きたいと思ってるこの教室は、会社の帰りに寄れて、本気のプロをめざすファイターの養成もしているマジなところ。女性もOKでダイエット目的などのマジじゃない人も迎えてくれます。「あんたがこんなとこで続くわけないやん」と親父は言うけれどさあどうでしょう。ムキムキのヤングな男たちの世界に飛び込んだら、私にどんな変容が訪れるのだろうか。てろんとした黒にKill youとか書いてるタンクトップを着るようになるのだろうか。男たちと一緒にプロテインの飲み比べをしたりするのだろうか。これまで私の人生でまったく交わったことのないコミュニティに属することで、私の身体や生活習慣や嗜好にどんな変化をもたらすのだろうかと想像するだけでオモロいやないかい。6月中は入会金無料のようなので来週あたりに見学か体験に行ってみようかな。シボヘールより効果ありそうやし!

父を抱く。

皆さん、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。旅行?食事会?お買い物?いいですね。なんだかんだと比較的天気も良かったですもんね。ええ、うちはね、史上最悪のGWでした。私の会社は9連休で大した予定はないものの、それなりに家族との焼肉や夏の予定を決める高知会議(という飲み会)、いつもの靱公園ピクニックをやるつもりでしたが、すべて飛びました。とーちゃんが2日目から発熱、しかもかなりの高熱が出て、病院に行かなかったので原因がわからず私も出かけられなくなったの。コロナなのかインフルなのか、はたまた別の原因かわからないままですが、グレーな私はなーんにもできないのでコツコツ家で仕事して韓国ドラマを見てました。ほんで私は結局発熱せず元気ピンピンやしね。なんやったんやろね。ほんまにね。

 

ということでいつかまとめないとと思っていたお父さんの納骨の話を。13回忌を迎えた3月最初の日曜日に、ずっと家の仏壇のそばに置いていたお父さんのお骨をお墓に納めました。

 

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そんなに寒くなくて天気が良くて最高の納骨日和。お母さんはお父さんが亡くなったときから「私が死んだらお父さんと一緒に納骨して欲しい」と最後のラブラブぶりを発揮していたので私はそうするつもりでいたし、なんなら私の骨も2人と一緒に納めてもらいたいと思っていました。なので「納める」とお母さんが言い出したのには驚いた。「なんでなん?」と聞いたら、「もういいかなと思って。やっと決心がつきました」と言う。東本願寺の永代供養の見学も行ったけどただ放り込まれる様子を見て違うなと思ったらしい。お母さんが決めたなら私たちも文句はありません。

 

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納骨はお寺さんに来てもらってお経をあげてから墓を開け、お骨を納める流れです。この写真はうちの妹ですが、「ねーちゃんに持たせて」と頼んでお経の間ずっとお骨を抱かせてもらいました。最初で最後のお父さんを抱く体験。まあまあ重いねんけどね、20分ほどのお経の間、もう二度とできないことと思いながら抱きしめ続けました。飛行機雲がきれいやったな。 

 

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お経が終わると、お母さんが用意した綿の袋にお骨を移します。「髪の毛を入れとく?」とお母さんが言うので(奴はすでに袋に仕込み済み)、入れる!となって髪の毛を引っこ抜いて袋に。人生の2周目にもお父さんとお母さんの子どもに産まれますように。またこの家族になれますように。忘れたらあかんよ私たちのこと。あの世でも必ず会おうね。会いに行くからね。


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お骨を納めたら墓を閉めるのですが、これがかなり手こずって義弟のヤチョン(本名ちゃうで)が奮闘。ヤチョンは納骨の前日にも来て墓を開けてくれていてほんとに頼もしい存在です。身体はデカいけど器用でなんでもできるんだなあ。汗をかきながら甥っ子も手伝って頑張ってくれました。ありがとう。助かります。

 

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家に戻って13回忌の法要を済ませたら、近所の和食屋さんでお食事。ここは私たちが娘時代にもしょっちゅう通ってたお父さんのお気に入りのお店です。仕事の後にこの店に寄って、銭湯帰りの洗面器持って来ているお父さんやお母さん、妹たちと合流してお酒飲んでたな。カウンターでお父さんと肩を並べてキンキの塩焼きをつまみながら、なんの話をしてたのかなあ。幸せな時間でした。


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お母さんは何かあると仏壇に話しかけてたそうなので、寂しくなる気持ちの一方で少し肩の荷がおりたそうです。甥っ子は就活で内定をもらい、姪っ子は東京の大学に入学して、節目の春になりました。素直ないい子に育ってきっとお父さんも喜んでるね。これからはお墓の中からみんなの無事を守ってくださいね。

 

シャワー革命。

先日、一年に一度やってくるJCBのカタログが届きました。「この中から好きなんひとつ選んでや」のシステムのカタログです。去年は親父との協議の上ウイスキー4本セットを選び、それはそれは大変重宝したので「今年もウイスキーでええな!」の気分で親父がページをめくる。すると「かーちゃん大変や!ウイスキーあれへん!!」と嘆きの声。私も見るとやはりウイスキーセットはなく、しかも商品が圧倒的に減っている。「なんやケチくさなっとるな」「ページもうっすいがな」とJCBに文句をたれる私たち。「ここから選べってかー?」といつものようにお互いに欲しい商品を選んで申告することにしました。

 

ページをめくりつつ吟味するものの、ホントにそんなに「欲しいっ!」と思うものはない。親父は「この抽選制のウイスキー(1本)か、そうやなあ低温調理器かな」と2つ。私は「松阪牛1キロセットかこのシャワーヘッドやな」と2つをセレクト。「肉なあ」「1キロもいらんけどまあ無駄にはならんかと思ってさ」「シャワーヘッドはAmazonで安いの売ってるで」「でも買う気になかなかならんやん」といつものようにやいやい。この日は結論を出さずにしばらく寝かせることにしました。ま、それほど前のめりでないってことで。

 

しばらくして「せや、あのJCBのどうしたん?」と親父に聞くと「まだ申し込んでない」と言う。「今回はかーちゃんの意思を尊重して、シャワーヘッドにしよか」と親父。あらそうなの?「肉はさあ、フライパンで焼いてもそんなに美味しくないやん?まあ別になくてもいいかと思ってさ」まあね。ほなシャワーヘッドでお願いします。と言いつつ、かつて米にしよう!と決めたのに届いたのはケルヒャーになってたこともあったので、親父の心変わりで何が届くかわからんなとひそかに思っていました。

 

さらに時が経ち、先日親父からのLINEを見たら「シャワーヘッド届いたよー。なかなかゴージャスや」と書いてある。親父は早速付け替えてくれて「今晩から使えるヨー」ならしい。そのことをウチの会社の同じ島のコたちに言うと「ええやん!私も高級シャワーヘッド欲しいねん」「いいなー。うらやまー」の声多数。そ、そうなん?みんなそんなに気になってたん?するとヤングのデザイナー女子Aが「私も最近変えたんです。いいですよ」と言う。そうなんかA、具体的に何がいいわけ?と聞くと「2週間で肌質が変わってすごく良くなりましたよ。ぽつっと出来たニキビが目立ってしまうようになりました」なんやてー!とざわつく我が島。やっぱりあのミストがええんやで、高級なだけあるんやな、せやけどミラブルはめっちゃ高いからなとやんややんや。するとAは「私が買ったのはそんなに高くないですよ。JAPAN STARっていうメーカーで」というや否やアズスーンアズJAPAN STARをググる我が島。「1万円台であるやん」「このくらいで充分やん」とやいやい。A以外の女子2人はノットヤングなので前のめり感がハンパない。私もAのおかげで使うのがぐんと楽しみになって、ウキウキと帰りました。

 

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ティファニーブルーのような立派な箱。このカタログの価格やと売価3万円くらいのよう。ヘッドの種類は4段階で、強いジェット、中くらい2タイプ、ふわふわのミストから選びつつ使うスタイル。やっぱりミストが超気持ちよくて、洗顔タイムがいつもよりつい長くなる。「ええわーええわーこれにして良かったわー」と言うと、「ボクもお肌がつるつるになった気がする」やて。まだ2回しか使ってないのに。「どうしよー、またキレイになってしまうワケー?」と言うと軽く無視されましたが、ひとまず2週間後の変化に期待してシャワータイムを楽しみます。いやあ、肉にせんで良かった!たかがシャワーでこんなに楽しめるなんてね!

ラスボス、ボブとの戦い。

私の風邪はあれから治まることなく、地味に地味に長引いて私を苦しめ続けました。本当はお父さんの納骨の話を書くつもりでしたが、この風邪の顛末を備忘録としてまとめておきます。てかほんまブログが病気ネタばっかりになってきたでしかし!

 

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たくさんもらった薬を飲んでいればこのなんてことない風邪は次第に治っていくイメージしかなかった。しかしそうはならず、喉の痛みが治りかけたところで左耳に違和感を感じ始めた。ボワボワして水が詰まってるようで、聞こえるけれども聞こえにくい。違和感が続くので仕方なく私は仕事を抜けて耳鼻咽喉科に向かった。「あー風邪からきてる中耳炎ですねこれは」「はあ」「薬で治らなければ膿みを出す手術になるけど、まずは薬で様子見ましょう」と神経質そうな先生は言う。抗生物質をもらい、内科と耳鼻咽喉科で出された薬漬けで治ることを信じた。

 

鼻炎用、痛み止め、抗生物質、胃薬、咳止めと複数の薬を時間帯によって飲み分けるが、それほど劇的には良くならない。数日経って耳のボワボワは治ってきたけど、なぜかまた喉が腫れてきている。こんな私に付き合って親父までゲホゲホしだして咳き込むように。いろんな症状が治ってはまた始まる地獄のループやないか。何かおかしい。ひきはじめから1カ月も経つのと言うのに熱が出ないからというてもしつこすぎる。

 

そんなことを感じはじめた頃に、新たな異変が私を襲った。人生55年で経験したことのない地獄がやってきた。(ここからはシモの話になるので苦手な人はここまでにしてね)

 

ベンが出ない。そこにいるのに出ないのである。これは単なる便秘でないことはいち早く悟った。もよおしているのに踏ん張っても出ない。なんやこれは。お前は何者か。名乗なぬのなら名前をつけてやろう。まるでお前は身体のすべてに隆々とした筋肉をもつ若々しさあふれるボブ。さあボブ、私の身体からさっさと消え失せろ。大阪市の下水へと流されてしまえばいい。そう願いながら何度も何度もトイレで戦うものの、屈強なボブは俄然として外へ出る気配を見せない。「あんたもう30分もトイレにおったでえ」と親父に言われるが仕方ないのだ。それほどボブが手強いのだ。その日の深夜もボブが騒ぐので何度かトイレに通ったけれど敗北しかなかった。私の腹いや身体はこのままボブに蝕まれてしまうのではないか。永遠にボブと共存することすら考えてしまうほど私は弱気になった。腹に効く新しい薬を入れたら何とかなるだろうか。いやもう薬はこりごり。ここは自力でなんとかしなければ。

 

翌朝も不快感MAXの中何度も「ボブ、ゲラウト!ボブ、ゲラウト!」と私はファイトした。ボブを抹殺すれば長引く不調が治ることをこのときの私は確信していた。1カ月ものときをかけて私の身体で成長し、増幅した風邪のウイルスの化身がボブであることもわかっていた。ウイルスの最終形態、ラスボス、それがこのボブなのだ。喉で鼻で耳で私を苦しめ続けたウイルスがボブとなり、最後の抗いを見せている。負けるわけにはいかない。勝たなければいけない。追い出さなければいけない。私は最後の力を振り絞る。ボブ、ゲラウトぉぉぉ!!!

 

私はボブに勝利した。息が上がり、肩を大きく上下させ、小さくガッツポーズをしなから「あばよボブ」とつぶやいた。ようやくあいつらとの戦いに決着がついた。私に、我が家にようやく平和がやってくる。静かに眠ることができる。冷や汗がにじむ額を拭いながら、私はトイレの扉を静かに閉じた。

 

そしていま、親父は多少ゲホゲホしているものの、私は健康な身体を取り戻してきている。物理的に追い出して勝利した実感は、私に無敵なまでの強さを与えたようにも感じる。しかしただひとつ、誤算があった。薬を絶つやいなやアズスーンアズ、花粉症が思い出したようにやってきたのだ。「忘れてもろたら困るなあ。あんたの持病ですがな。いや薬飲んではるから抑え込まれてましたけどね、ほれ、はなみずくしゃみ目の痒み、今年は最強でっしゃろ。これから盛大出していきまっせー!」とはしゃいでいる。私はまだたくさん残る鼻炎の薬を確認し、いつ飲もうかと考えはじめている。

 

風邪をひいただけなのに。

21日朝の目覚めから感じていました風邪っぽさ。これはやばいなと熱を計ったところ35度台で問題なく、葛根湯を飲んで会社へ。午後にふたつ目の葛根湯を飲んでも効果がなかったので、少し早めに会社を出て家の近所のクリニックへ。すると「風邪の症状の人は予約でしか受け付けていません」とおねえちゃんが言う。は?これが噂の発熱外来か。熱はないねんけどな。「じゃあ一番早い予約はいつですか?」と聞いて翌日朝11時に予約して、念のため以前よくお世話になっていたGの病院にも行ってみたら18時半でもう閉めてるし。仕方なく翌日の予約まで待つことにしました。

 

22日の水曜日になると私の症状は「THE風邪」になっていて、咳、鼻水、たまにくしゃみ、頭痛、一番ひどいのが喉痛。熱がないだけのダルビッシュ並のどストレートなこの風邪症状、自分的には疲れや弱りからきている内的発症で、外から入ってくるコロナじゃないと直感的に感じていました。この日は午後からオンライン取材があるので会社に行かねばならず、ひとまず診察してもらって薬をもらえばOKという予測でクリニックへ。すると受付近くの個室で待つようにと促され、入ってみるとマッサージチェアのようなふかふかの白い椅子があるだけ。渡された問診票には症状の他にワクチンを何回受けたか、何の種類か、周りに最近コロナになった人はいるか、感染しそうな場所に最近行ったかとこっちの質問ばかり。あたしそんなにグレーなの?と思いつつ正直に書いて待っていたら、防御服スタイルのドクターがやってきた。問診票をみて「PCRを受けますか?」と言う。そこに書いた私の情報はシロに近いはずなのに潔白を証明するにはPCRで示すしかないらしい。「仕方ないですね」と唾液の検査を受けた後、ドクターが「薬どうします?」と聞いてくる。「あの、私はこの症状をなんとかしたいだけなんで、そら薬欲しいです」「喉が痛いんやね」「はい、カンカンです」「じゃあロキソニン出しておくね。喉痛には効くから」で終了。グレーな患者には触ったらあかんルールなのか喉の中を診ることもしないドクター。ま、ロキソニンで治るならとクリニックを出ました。そして夕方「陰性です」という電話で身の潔白は証明されました。シロ確定!

 

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シロとわかったところで症状が改善するわけでなく、あのな、治るわけないわなロキソニンで!翌日の木曜日は祝日で、ライフに行っただけで大人しくしてたのに私の中のダルビッシュはどんどん威力を増すばかり。夜も21時半頃に布団に入ったけど、12時過ぎに目が覚めた。鼻水が詰まって喉に入り、それがむせて咳が出る。唾を飲み込むにもカンカンの扁桃腺が阻んでとにかく痛い。「寝れるかいっ!!」と起きて水を飲みながら考えた。これは耳鼻咽喉科の方が話が早いんやないか。喉にチョンチョンと薬を塗ってカンカンの扁桃腺を鎮めてもらうのが一番やないか。いや待てよ、また予約して事情を説明して初診料取られてなんやかんやすんのもめんどくさい。んー。とにかくロキソニンを飲んで眠ろう。寝かしてくれワシを!

 

ほとんど眠れず朝を迎え(それは隣で寝てたとーちゃんも私の咳やなんやで同じなはず)、私はあのクリニックにもう一度行くことに決めた。この落とし前はあそこでつけてもらわなあかん。朝イチ電話して「診察をしてもらえますか?しんさつ」くらいの勢いで聞いたら診てくれるという(当たり前や!)。その後ようやくドクターは私の喉を覗き込み「あーこりゃいかん。腫れてるねえ。てか白くなってるわ。なんか奥に口内炎みたいなのもできてるし、痛いやろこれも」とノンキに言うてくる。だから、あたしは、最初から、喉が痛いと、あれほど、言うてたでしょうがあ!!と本気の金八レベルのマグマを抑えつつ「薬ください。喉も、鼻水も、咳もぜんぶください。この喉はもう抗生物質ですよね。あたしケフラールはダメなんでそれ以外で」とオーダー。「うんうん出しとくよ。5日分あればいいかな」とようやく私の欲しかったブツを手に入れることができました。

 

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なんだかなあと思う。コロナの大変さはもちろん理解してるし、システムとしてこういうやり方が定着しているのもわかる。でもな、患者はこの苦しみから早く解放されたいだけや。コロナかどうかのふるいにかけて、コロナの場合とそうじゃない場合の両方のケアを考えてくれなあかんのとちゃうか?「もし陽性やったらここに連絡してくださいね」とチラシは渡されたけど陰性やったときは何も説明なかったもんな。ちなみにその後、薬のおかげで私の中のダルビッシュは随分とおとなしくなりましたが、すべての症状は地味に残ってます。熱が出ない分長引くかもなあ。5日分じゃ足らんかもしれんね。よろしくダルビッシュ

サイゼに初めて行きました。

新しい年になってもブログを更新せず、復活した思たら「そんなネタかいっ!」と突っ込まれそうですね。ご無沙汰しております。今のところコロナにもインフルにもかからず元気にしております。皆さまもお変わりないでしょうか。さて久しぶりのブログに書きたいと思ったのが「サイゼに行ってきた」こと。私、この年になっても行ったことがなくてなんかのついでに行ってみたいなあと思ってたのですが、とーちゃんが「今度の土曜日、行こか」と言い出した。とーちゃんはハイキング部メンバーと山を降りた後に反省会と称した飲み会によくサイゼを利用していて、結構詳しくかなり気に入ってる様子。「ほなかーちゃん、9時40分のバスで行くで」と言う。はい?朝ごはんてか朝飲みですか?「アンタは何にもわかってへんねえ。サイゼは人気やからすぐ満席になるの。朝イチに行かんと待つことになるの」なんだって。はいパイセン、何も言わずについて行きます。

 

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アーバン立地の我が家からバスに揺られて約15分にある小さな商業施設にサイゼがあります。てっきりこんな早よから来てるのはウチらだけかと思いきや、若いおねえちゃんの2人組が先にいた。アンタも好きねえ。10時になって店に入るなり親父が頼んだのは青豆、サラダ、エスカルゴ、ラム串、トリッパ。それに「白のデキャンタとキャンティボトルください」と一気にオーダー。は?と思ったけどまあいいや、ここはパイセンを信じよう。オーダーするや否やアズスーンアズ料理が運ばれてきて、このスピードにも驚き。

 

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Twitterで「みんなのおすすめ教えて」と投稿したところ、いろいろと教えてもらったのですがほとんど親父のオーダーとかぶってました。ご協力ありがとうごさいました。この青豆は女子が好きとよく聞いてたのでまあまあ期待しててんけど、うん、私の期待が高すぎたようや。白ワインのデキャンタはたった400円やで?ありえへん安さ。そこまで酸っぱすぎず悪くない悪くない。「あ、赤ワインこっちにやっとこか」と親父がキャンティボトルの位置を変える、これは?

 

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「サイゼの赤ワインはどれもキンキンに冷えてるから先に頼んで温度を上げとかなアカンのよ。できるだけ早く上げたいからこうして電灯の下に当てておくわけ」なんだって。さすがプロはやることが違う。常に先を見越して最善の行動をとる。なるほどね。「ハイキングのときなんかみんな飲むからボトル4本一気に頼んでここに並べとくんやで。なかなか壮観や」と誇らしそうに語るプロ。店の人に「もうワインはありません」と再注文を断られても「知ってるんやで、奥にちょっと高いワインストックしてるやろ?」と無理やり出させたかのエピソードもプロならでは。学ぶわ。まあここまで来たらサイゼのプロというより酒飲みの性でしかない気もするけどそこは黙っておこう。「好きなんオーダーしいや」と金を出すのは私であるのにパイセン感をバリバリに出してくるので「辛味チキンが美味しいらしいけどお腹もふくれたしエビにしよかな」と追加オーダー。親父はトリッパをアゲイン。

 

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一通り食べて何が美味しかったかというと、エスカルゴと追加で頼んだ小さいフォカッチャがよかった。あとトリッパもかなりよくできてる印象。この値段で出せるのは大手の実力。庶民の味方。すごいしありがたいなあと思う。トイレに立つたびに他の人のテーブルを見るとドリアを頼んでる人が多いようでした。よく聞く人気メニューやもんね。辛味チキンとドリアは次回の楽しみにしましょう。

 

追加で赤のデキャンタを頼んでお値段5500円。ありがとうサイゼ。とーちゃんがサイゼ好きなのはハイキングの飢えきった身体で入ってすぐに酒や料理が出てくるスピード、遠慮なくがっついて食べて飲める安さ、それなりの美味しさとメニューのバリエ、ファミレスならではの居心地にあると読みました。その状況ならなおさらパラダイスや。店を出てみると、案の定待ってる人が結構いて「ほらな、朝イチに来て正解やったやろ?」とパイセン。へい、次回も朝イチですね。了解。ちなみにエスカルゴを食べながらカタツムリの養殖について盛り上がり、親父いやプロから「地球上の生物の中で最も歯の多い生き物がカタツムリなんよ」と豆知識いただきました。学ぶわ。

 

秋の高知旅.2安和へ。

秋の高知旅の初日、高知市内から高速で西へ向かって約1時間で須崎に着いた私たちはとにかく腹ペコで「お昼をどこで食べようか」と話していました。須崎といえば鍋焼きラーメンで有名ですが、猫舌の親父には難易度が高くてムリ。「琵琶湖やってへんかな?」「琵琶湖閉めてるって話やったような」「きっとやってるよかーちゃん。信じて向かってみよう」と言うのでさらに西へ。琵琶湖とは須崎市街地からうちの田舎の安和に向かう間にあるドライブインで、定食やラーメンやオムライスもあるパラダイス。行ってみると開いていて「よっしゃ!」とウキウキで入りました。

 

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親父はラーメンを、私は悩みに悩んでエビフライ定食をチョイス。小鉢も味噌汁もちゃんと作られていて何よりタルタルソースが手作りなのがうれしい。いわゆる中華そばの親父好みのラーメンにも具がたくさんで良心があふれている。「琵琶湖を信じてよかったな。久しぶりに来れてよかった」と完食しました。

 

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ここからターンの安和の家はあっという間です。クルマを停めて家に向かうと「その時間はいてへんかもわからん」と聞いていたターンの妹ハルちゃんが出迎えてくれる。おまけにサーくんもいてる。サーくんとはうちのお母さんのいとこにあたり、サーくんといいつつお年はもう60代。予想外に2人で出迎えてもらい、「まあ上がり」とお家に入ってまずは神棚に向かいます。

 

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きれいに飾られた神棚には笑うターンの遺影が添えられ、2人で手を合わせる。この家で20年近く毎年毎年お世話になったことの感謝が湧いてくる。ハルちゃんに聞くと最後に会えたのは亡くなる6日前。食事を自分でとれて、しっかり話せる状態やったけれど医者に「今度発作が起きたら間に合わなくてもう会えなくなるから今のうちに会っておきなさい」と言われたのだそう。その先生の言葉通り、ターンは6日後に発作を起こして亡くなった。ハルちゃんは「ほとんど苦しまんとあっという間に逝ってしもた。先生の言う通り間に合わんかったきね。せやけどこれで良かったんよ」と言う。そうやね。私もそう思う。90を過ぎてボケることもなく、最高の逝き方や。きちんと生きてきたターンへの神様の贈りものなんやなきっと。

 

50日を済ませて納骨をしたばかりというので(神式は49日じゃなくて50日なんやって。この1日の差はナニ?)サーくんが墓まで連れて行ってくれるという。クルマで向かってターンにもターンのご先祖さまにもありがとうと手を合わせる。空が青くて風が気持ちいい。これからはここにも挨拶に来るね。

 

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ターン家に戻ってハルちゃんとサーくんとしばらくお話しすることに。ハルちゃんはターンよりもはるかにきれい好きの働き者で見た目は小さくてガリガリなんやけどやっぱり姉妹で顔はターンに似ている。近所に住んでるのに今はターンが寂しがるからとここに寝泊まりして片付けを進めているよう。どこもかしこもさっぱり整っていて、いつも一緒に飲んで食べて話していた台所のテーブルに気持ちのいい秋風が入り込んでくる。「ハルちゃんしっかり食べてるかあ?そんなにガリガリで」と言うと「煮物食べてるで、肉はそんなに好きやないき」「お酒は飲むの?」「飲まん飲まん。せやけどたまあに日本酒は飲むかね。ゆっくり飲めるしね」と話しているとターンと話してるような気持ちになってくる。ハルちゃんがいれてくれたインスタントコーヒーがやけに美味しい。「サーくんはどないよ。ちゃんと治療してるの?」と聞いてみる。サーくんは肺がんになり最近再発が認められたらしく抗がん剤治療に通っている。「もうさっぱりや。ちょっと歩くのも息が上がってしもうてかなん。メシも旨うないし」と嘆く。安和地域で生息する虎班竹の仕事をずっとしてきて、ムカデが出てもティッシュで簡単に処理してくれる頼もしいサーくん。何があってもここにサーくんがいてくれるから安心やねんから弱気になってもろたら困る。「ちゃんと先生の言うこときいて治療してよ。また元気なサーくんに会いたいねんから」と伝えて安和を出ました。

 

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夜、ホテル近くの居酒屋で土佐鶴を飲んだらやたらに美味しくてDNAが震えているような感覚に。私の中の半分を占める高知の遺伝子が喜び迎えてくれているように感じました。その後ググって探した「BARコリンズ」へ。ジントニックの後にマティーニなんかを飲んでいたら、ほろほろと泣けてきた。ターンのいないあの家で喜んで迎えてくれたハルちゃん。病気とたたかいながらもたくさん話してくれたサーくん。何もかも変わっていく寂しさと、この日このときに私たちは迎えてもらえたんやという確かな実感がこっちゃになって押し寄せる。あそこできっとターンは「よう遠いところから来てくれたね」とニコニコしながらいつものようにいたに違いない。「とーちゃん、来てよかったな。私ら迎えてもらえてるな」「ほんまやな」と言いながら、この日の天気のように晴れ晴れとした気持ちになっていました。

 

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