十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

父を抱く。

皆さん、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。旅行?食事会?お買い物?いいですね。なんだかんだと比較的天気も良かったですもんね。ええ、うちはね、史上最悪のGWでした。私の会社は9連休で大した予定はないものの、それなりに家族との焼肉や夏の予定を決める高知会議(という飲み会)、いつもの靱公園ピクニックをやるつもりでしたが、すべて飛びました。とーちゃんが2日目から発熱、しかもかなりの高熱が出て、病院に行かなかったので原因がわからず私も出かけられなくなったの。コロナなのかインフルなのか、はたまた別の原因かわからないままですが、グレーな私はなーんにもできないのでコツコツ家で仕事して韓国ドラマを見てました。ほんで私は結局発熱せず元気ピンピンやしね。なんやったんやろね。ほんまにね。

 

ということでいつかまとめないとと思っていたお父さんの納骨の話を。13回忌を迎えた3月最初の日曜日に、ずっと家の仏壇のそばに置いていたお父さんのお骨をお墓に納めました。

 

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そんなに寒くなくて天気が良くて最高の納骨日和。お母さんはお父さんが亡くなったときから「私が死んだらお父さんと一緒に納骨して欲しい」と最後のラブラブぶりを発揮していたので私はそうするつもりでいたし、なんなら私の骨も2人と一緒に納めてもらいたいと思っていました。なので「納める」とお母さんが言い出したのには驚いた。「なんでなん?」と聞いたら、「もういいかなと思って。やっと決心がつきました」と言う。東本願寺の永代供養の見学も行ったけどただ放り込まれる様子を見て違うなと思ったらしい。お母さんが決めたなら私たちも文句はありません。

 

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納骨はお寺さんに来てもらってお経をあげてから墓を開け、お骨を納める流れです。この写真はうちの妹ですが、「ねーちゃんに持たせて」と頼んでお経の間ずっとお骨を抱かせてもらいました。最初で最後のお父さんを抱く体験。まあまあ重いねんけどね、20分ほどのお経の間、もう二度とできないことと思いながら抱きしめ続けました。飛行機雲がきれいやったな。 

 

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お経が終わると、お母さんが用意した綿の袋にお骨を移します。「髪の毛を入れとく?」とお母さんが言うので(奴はすでに袋に仕込み済み)、入れる!となって髪の毛を引っこ抜いて袋に。人生の2周目にもお父さんとお母さんの子どもに産まれますように。またこの家族になれますように。忘れたらあかんよ私たちのこと。あの世でも必ず会おうね。会いに行くからね。


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お骨を納めたら墓を閉めるのですが、これがかなり手こずって義弟のヤチョン(本名ちゃうで)が奮闘。ヤチョンは納骨の前日にも来て墓を開けてくれていてほんとに頼もしい存在です。身体はデカいけど器用でなんでもできるんだなあ。汗をかきながら甥っ子も手伝って頑張ってくれました。ありがとう。助かります。

 

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家に戻って13回忌の法要を済ませたら、近所の和食屋さんでお食事。ここは私たちが娘時代にもしょっちゅう通ってたお父さんのお気に入りのお店です。仕事の後にこの店に寄って、銭湯帰りの洗面器持って来ているお父さんやお母さん、妹たちと合流してお酒飲んでたな。カウンターでお父さんと肩を並べてキンキの塩焼きをつまみながら、なんの話をしてたのかなあ。幸せな時間でした。


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お母さんは何かあると仏壇に話しかけてたそうなので、寂しくなる気持ちの一方で少し肩の荷がおりたそうです。甥っ子は就活で内定をもらい、姪っ子は東京の大学に入学して、節目の春になりました。素直ないい子に育ってきっとお父さんも喜んでるね。これからはお墓の中からみんなの無事を守ってくださいね。