十杯機嫌 〜飲んで飲んで、たまに犬〜

酒好きふたりと酒嫌いな犬。

手書きの熱量。

我が社では毎週金曜の18時から全員参加のミーティングをしていて、司会は持ち回りで担当します。そのミーティングで司会者は好きなテーマでプレゼンをするのですが、もうすぐ私の担当になるので「なんのテーマにしようか」と考え「読書」にすることにしました。とはいえここのところ、ローガンがひどくてまったく本を読んでない。これではいかんなとプレゼンに使うための本をまずは読み直そうとうちの本棚やクローゼットの中を物色していたら

 

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こんなものが出てきました。これはとーちゃんのワインノート。表紙に書いてある通り2007年頃からつけはじめたワインを買って飲んで記録した一冊です。そうか、我が家はこの頃からイタリアワインにハマったんやな。それこそ親父は川頭さんの本を読んで影響を受けてこんなノートをつけ始めたんやったなと思い出し、棚に戻さず出しておくことにしました。

中を見るとすごい。一言で言うとマメー!手書きでびっしりと買ったワインや飲んだワインのことが書かれています。

 

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生産地、生産者、品種、タイプ、価格、購入先のあとに味の記録がきっちり。マメー!星印の数はとーちゃんによる評価の目安なんやろうか。赤に塗られたワイングラスのマークはいつ飲んだのかを表してる模様。ほんとこの頃はいいワインをポンポン買ってポンポン飲んでましたなあ(遠い目)。でもまあこうして記録されると単に消費しているだけにならんから救われる気もする。

 

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さらにページをめくると、洋風メニューのレシピが。有頭海老のピッツァヨーラソース(ナニそれ?)、若鶏の白ワイン蒸しバルサミコ風味、ミラノ風カツレツ、サルティンボッカ、トリッパの煮込みなどなど。これ全部とーちゃんが作ってくれたんやっけ?覚えてないなー。これからまた親父メシとして再現してくれてええんやで。鶏のカッチャトーラでもお願いしようかしら?

 

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最後の方はこんな感じでなんかわからんけどワインリストがびっしり。買ったワインを書き連ねただけなのかな?数字がところどころに書かれてるのを見ると在庫リストかなあ?しかしようワシに黙ってこんだけワイン買ってたな。呆れるわ。「かーちゃんのためのワインなんよお」いうてたけど完全な親父の趣味、コレクションやからな。あーまた美味しいワイン飲みたいなー。そろそろ赤がいい季節やしなー。

 

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と思いつつページをめくると、最後にこんなメモが。落語四天王笑福亭松鶴桂米朝桂文枝桂春団治の名前とそれぞれの弟子の名前が書かれてる。おそらくふわふわ飲みながら落語の話になって、「この名前を継ぐのは誰や」とやいやい言うてたんでしょう。仁鶴さんも亡くなって松鶴さんの名前はどうやら鶴瓶にいきそうなんやで。あの頃には想像もつかんかったもんなあ。

こうして見ると手書きの良さをつくづく思う。データに記録する方が効率的で応用も効くけどこっちに伝わる熱量の差は歴然。この先とーちゃんが死んで服や持ち物なんかの何もかもを捨てても、このノートだけは手元に残したいと思うなあ。こんなにもワインが好きで、知りたくて、学びたかったのがよくわかる。大事に置いときます。